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【簡単】DjangoのCorsheadersを基本から徹底解説

(最終更新月:2023年3月)

✔当記事はこのような方に向けて書かれています

「DjangoのCorsheadersについて知りたい」

「そもそもCORSって何なの?」

「CORSについて知っておくべきことは?」

✔当記事でお伝えすること

当記事では、DjangoのCorsheadersパッケージについてはもちろん、その使い方やCORS設定がなぜ必要なのかなど、初心者にもわかりやすく、詳しく解説しています。

ぜひご覧ください。

Django Corsheadersについての概要

DjangoのCorsheadersについての概要から見ていきましょう。

実装していくにあたり最低限理解しておけば、トラブル対応などがしやすくなります。

Django Corsheadersとは

Django Corsheadersは、Djangoの拡張パッケージのひとつで、Cross-Origin Resource Sharing(CORS)を実装するためのミドルウェアです。

CORSは、異なるオリジン(ドメイン、ポート、プロトコル)からのHTTPリクエストを許可するための仕組みであり、セキュリティの観点からとても重要。

Django Corsheadersを使えばCORSを簡単に設定できるため、APIの開発やフロントエンドとの連携に必要不可欠です。

CORSに関するトラブルシューティングが必要な場合にも役立ちます。

Web開発においてなぜ重要なのか

Web開発において、以下のような場面で、異なるオリジンからのHTTPリクエストを許可する必要があります。

セキュリティ対策への必要性が高まっている昨今では、CORSが実装されていないと正しく動作しないこともあるのです。

CORSを適切に設定し、不正なHTTPリクエストなどのセキュリティ上の脅威からサーバーやクライアントのPCを守りましょう。

Django Corsheadersの利点

DjangoアプリでCORSの設定をおこなうなら、Corsheadersを活用すべきといえるでしょう。

なぜならDjangoのCorsheadersパッケージは、特定のURLやHTTPメソッドにのみCORSを許可するなど、とても簡単に柔軟な設定がおこなえるからです。

CORSに関するトラブルシューティングが必要な場合や、パフォーマンスの最適化、セキュリティの向上にも役立ちます。

インストールと設定

インストールと設定方法を具体的に見ていきます。

Django Corsheadersのインストール方法

Django Corsheadersをインストールするには、pipを使用して以下のコマンドを実行します。

pip install django-cors-headers

settings.py上の設定

Djangoのsettings.pyファイルに以下の設定を追加することで、Django Corsheadersを有効にできます。

INSTALLED_APPS = [
   ...
   'corsheaders',
   ...
  ] 
MIDDLEWARE = [
   ...
   'corsheaders.middleware.CorsMiddleware',   
   ...  
]   
CORS_ORIGIN_ALLOW_ALL = True  

CORS_ORIGIN_ALLOW_ALLをTrueに設定することで、すべてのオリジンからのリクエストを許可することができます。

ただしウェブ上に公開する際など特定のドメインのみを許可する場合は、以下のようにCORS_ORIGIN_WHITELISTで制限する必要があるでしょう。

CORS_ORIGIN_WHITELIST = [
    'http://itc.tokyo',
    'https://itc-app.site',
]

インストールと設定のテスト

Django Corsheadersをインストールして設定した後、サーバーを起動して、異なるオリジンからのリクエストが正常に処理されるかどうかを確認できます。

python manage.py runserver  

ブラウザからAPIエンドポイントにリクエストを送信し、CORSが機能しているかどうかを確認しましょう。

リクエスト送信の際にChromeブラウザを使っているのであれば、Developerコンソールでレスポンスを確認するのが良いでしょう。

クロスオリジンリソース共有(CORS)についての理解

CORSそのものについての理解も深めましょう。

Corsheadersではいろいろなトラブルも起こるので、仕組み自体を理解しておく必要があります。

CORSとは何か

CORSとは、クロスオリジンリソース共有の略で、異なるオリジン(ドメイン、ポート、プロトコル)からのリソース共有を許可するWebセキュリティの仕組みです。

ブラウザは、同じオリジンからのリクエストに対しては自動的にリソースを読み込むことができますが、異なるオリジンからのリクエストに対しては、セキュリティ上の理由からブロックされます。

そのためCORSを正しく設定しなければ、他オリジンからのリクエストが意図したとおりに処理されないのです。

CORSの仕組みはどうなっているか

CORSは、ブラウザーがオリジンを検証して、許可されたオリジンからのみリクエストを許可することによって機能します。

ブラウザがリクエストに含まれるOriginヘッダーをチェックし、サーバーが許可されたオリジンの一覧に含まれているかどうかを確認しているのです。

サーバーがリクエストを許可する場合、Access-Control-Allow-Originヘッダーを返す必要があります。

Web開発においてなぜCORSが重要なのか

Web開発において、Webアプリケーションのセキュリティを強化するためにCORSは非常に重要な概念です。

なぜなら異なるオリジンからのリクエストを制限することで、悪意のあるユーザーからの攻撃を防げるからです。

たとえば、以下のような攻撃から守れるのです。

CORSを適切に理解し、実装することで、Webアプリケーションのセキュリティを強化し、悪意のある攻撃から保護しましょう。

DjangoとCORSの操作

DjangoでのCORS操作の応用について具体的に見ていきます。

corsheaderを実装したら、応用した使い方でより具体的な設定ができるのです。

自作デコレータで特定のビューに対してCORSを有効にする

すべてのビューに対してCORSを有効にするのではなく、特定のビューに対してのみCORSを有効にすることもできます。

以下は、自作デコレータで特定のビューに対してCORSを有効にする例です。

from django.views.decorators.csrf import csrf_exempt
from django.utils.decorators import method_decorator
from django.views import View
from django.http import JsonResponse

#自作デコレータ
def cors_allow_all(func):
    def wrapper(*args, **kwargs):
        response = func(*args, **kwargs)
        response['Access-Control-Allow-Origin'] = '*'
        response['Access-Control-Allow-Methods'] = 'GET, POST, PUT, DELETE, OPTIONS'
        response['Access-Control-Allow-Headers'] = 'Authorization, Content-Type'
        return response
    return wrapper

#自作クラス
@method_decorator(csrf_exempt, name='dispatch')
class MyCustomView(View):
    @method_decorator(cors_allow_all)
    def get(self, request, *args, **kwargs):
        data = {
            'message': 'こちらはテストページです'
        }
        return JsonResponse(data)

この例では、cors_allow_allというデコレーターを使用して、getメソッドにCORSを有効にしています。

以下のヘッダーを追加することで、リクエストを許可しています。

自作デコレータで特定のビューに対してCORSを有効にする

corsheaderに備わっている以下のデコレータでも設定できます。

DjangoでのCORSの設定についての理解

DjangoでCORSを設定するには、django-cors-headersパッケージを使いましょう。

以下のいずれかを指定し、許可します。

@corsheaders.allow_cross_originデコレータなどを使用することで、特定のビューでCORSを有効にできるのです。

CORSの問題のトラブルシューティング

CORSにおけるトラブルシューティング方法をご紹介します。

CORS(Cross-Origin Resource Sharing)の実装では、いくつかよく起こる問題があるからです。

一般的なCORSの問題とトラブルシューティング方法

CORSのエラーには、多くの場合、オリジン(異なるドメイン、ポート、プロトコル)間のリクエストが原因となっています。

以下のエラーがないかをWebコンソールで確認してください。

結果としてリクエストヘッダー情報をサーバーに送信できないので、CORS対応のサーバーに切り替えることも検討しましょう。

DjangoでのCORSエラーのデバッグ方法

Djangoでは、django-cors-headersのデバッグモードを有効にできます。

これにより、CORSエラーに関する詳細なログ情報を確認できるのです。

デバッグモードを有効にするには、settings.pyファイルに以下の設定を追加します。

CORS_ORIGIN_ALLOW_ALL = True
CORS_ALLOW_CREDENTIALS = True

#許可するメソッドを指定する
CORS_ALLOW_METHODS = [
    'DELETE',
    'GET',
    'OPTIONS',
    'PATCH',
    'POST',
    'PUT',
]

#許可するヘッダーを指定する
CORS_ALLOW_HEADERS = [
    'accept',
    'accept-encoding',
    'authorization',
    'content-type',
    'dnt',
    'origin',
    'user-agent',
    'x-csrftoken',
    'x-requested-with',
]

デバッグモードを有効にすれば、CORSエラーの詳細なログが出力されます。

ログを確認して、問題を特定して解決しましょう。

CORSの問題を解決するためのヒント

CORSの問題解決におけるヒントを記します。

これまでの内容で解決できない場合はこちらをご覧ください。

具体的なエラーメッセージを確認する

CORSのエラーが発生した場合は、Webブラウザのコンソールにエラーメッセージが表示されます。

このメッセージには、どのドメインからのリクエストが許可されているか、リクエストが失敗した理由などが記載されています。

このエラーメッセージを確認することで、原因を特定できるのです。

CORSを有効にする

Django Corsheadersをインストールしても、自動的にすべてのCORSリクエストが許可されるわけではありません。

Djangoの設定にCORSミドルウェアを追加し、必要な設定をおこなってください。

HTTPメソッドを確認する

CORSの問題が発生することがあるのは、HTTPメソッドが許可されていない場合です。

HTTPリクエストのメソッドが、サーバーで許可されていない場合は、CORSエラーが発生します。

この場合は、許可されたメソッドに変更することで問題を解決できることが多いです。

オリジンを確認する

CORSの問題が発生することがあるのは、リクエストを送信するドメインが許可されていない場合です。

許可されたドメインを追加することで問題を解決できます。

Django Corsheadersの高度な機能

DjangoのCorsheadersにはより高度な機能が備わっています。

より細かくCORSの設定をおこないたい人向けの内容です。

プリフライトリクエストの処理

CORSでは、特定のHTTPメソッドやカスタムヘッダーを含むリクエストに対しては、ブラウザが自動的にプリフライトリクエストを送信する場合があります。

プリフライトリクエストとは、実際のリクエストを送信する前に、ブラウザがサーバーに対してオプションリクエストを送信することをいいます。

サーバーは、このオプションリクエストに応答する必要があります。

DjangoのCorsheadersは、このプリフライトリクエストに対する応答を自動的に生成するため、手動で応答を生成する必要がないのです。

特定のオリジンに対してCORSヘッダーを設定する方法

クロスオリジンリソースの共有が必要なサイトにとって、CORSの設定は非常に重要な機能となります。

特定のオリジンに対してのみCORSヘッダーを設定することで、セキュリティを向上させ、不正なリクエストを防止できるからです。

DjangoでのCORSミドルウェアの使用

DjangoのCorsheadersは、Djangoのミドルウェアとして動作し、Djangoアプリケーションに統合できます。

ミドルウェアとは、クライアントとサーバー間の通信で必要な処理をおこなえる機能のことです。

ほかのDjangoミドルウェアと組み合わせて使用することもでき、設定も簡単です。

たとえば、DjangoのCorsheadersによりてCORSを処理し、DjangoのCSRF保護ミドルウェアを使用してCSRF攻撃を防止するなどが可能になります。

Django Corsheadersの使用のベストプラクティス

Django Corsheadersを使用する際に、以下のベストプラクティスを遵守することが推奨されています。

安全にCORSヘッダーを使用する方法

CORSを実装する際には、セキュリティに対する懸念があるため、十分な注意を払う必要があります。以下は、安全にCORSヘッダーを使用するためのベストプラクティスです。

Pre-FlightリクエストやCSRFトークンを活用し、セキュリティを高めます。

CORSのパフォーマンスを最適化するためのヒント

CORSのパフォーマンスを最適化するためには、以下のヒントを実践することが推奨されています。

CORSを使用する際に避けるべき一般的なミス

CORSを実装する際には、いくつかの一般的なミスがあります。

これらのミスを避けることにより、CORSに関連する問題を回避し、Webアプリケーションの安全性と信頼性を高めることができるでyそう。

ワイルドカードを使用すること

CORSの設定において、すべてのオリジンに対してアクセスを許可するためのワイルドカード(*)を使用することは推奨されません。

ワイルドカードを使用することで、悪意のあるオリジンからのアクセスも許可されてしまうため、セキュリティ上の脆弱性となってしまうからです。

セッションを使用すること

CORSの実装際に、セッションを使用することは推奨されません。

なぜならセッションによってCookieが使用され、悪意のあるオリジンに対してCookie情報が漏洩する可能性があるためです。

セッションではなく、トークンを使用することをおすすめします。

オリジンの検証を行わないこと

CORSの実装において、オリジンの検証を行わないことは、セキュリティ上の脆弱性となります。

オリジンの検証により、悪意のあるオリジンからのアクセスを減らせるのです。

オリジンの検証をおこない、サイトの安全性を高めましょう。

信頼できないリクエストの処理を行うこと

CORSの実装において、信頼できないリクエストの処理をおこなうことは推奨されません。

例えば信頼できないオリジンからは、データベースの更新や削除など、重要な操作を実行するリクエストを受けつけないようにする必要があります。

まとめ:DjangoのCorsheadersでセキュリティを高める

当記事の内容をまとめます。

Webアプリを開発していると、CORSによるエラーで先に進めないことがあります。

ただし本来CORSは、開発を邪魔するものではなく、安全性を高めてくれるもの。

うまく付き合いながら、より安全性の高いアプリケーションを目指しましょう。

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