(最終更新月:2024年3月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「Djangoってどんなフレームワークなの?」
「そもそもDjangoでできることは何?」
「Djangoは実際にどのように使われているの?」
✔当記事を通じてお伝えすること
- Djangoフレームワークの概要
- Djangoの特徴と利点
- 実践的なDjangoの活用事例
当記事を最後までご覧いただければ、Djangoがどのようなものかを理解いただくのはもちろん、Djangoをどうやって始めて、どのように勉強していけば良いかまでわかります。
ぜひ最後までご覧ください。
Djangoを始めるにあたって
こちらでは、Djangoの概要についてお伝えしていきます。
Djangoについて理解することで、Web開発の効率化に役立つでしょう。
- Djangoの基本
- Djangoの利点
- Djangoが使われているアプリケーション
Djangoの基本
Djangoとは、Pythonで書かれた高機能なWebフレームワークです。
簡単なコマンドでDjangoをインストールするだけで、Webアプリケーション開発に必要な機能が自動で準備できます。
例えば以下のような機能がついています。
- データベースからデータを読み書きする機能
- URL routing
- テンプレートエンジン
- フォーム処理
- 認証システム
インストール時のコマンドはこちら。
pip install Django
インストールが完了し、管理者ログインページへアクセスすると、すでに以下のような画面が立ち上がります。
Webフレームワークとは、Webアプリケーション開発でよく使われる機能が既に組み込まれている開発言語のこと。
家造りで例えてみると、木を切るところから始めるのが一般的なプログラミング言語。
Webフレームワークは、モデルとなる家の骨組みや、屋根や壁などのパーツがパッケージとして用意されているといえるでしょう。
Webフレームワークによって、誰でも簡単に開発できるようになります。
Djangoの利点
Djangoフレームワークを使用する利点を挙げると以下のとおり。
- セキュリティ面でも優れている
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの一般的なWeb脆弱性から保護するための機能 - 豊富なツール
開発から本番環境への移行をスムーズにおこなえるのも特徴。 - 開発プロセスをより速く、より効率的にする
DRY (Don’t Repeat Yourself) 原則を推進し、コードの再利用を促進
Djangoが使われているアプリケーション
Djangoが使われているアプリケーションには、多くの有名なサービスがあります。
例としてはこちら。
- YouTube
- Spotify
まさに覚えるべきフレームワークのうちのひとつといえるでしょう。
ほかのサービスなど、詳しくは以下の記事をご覧ください。
Djangoフレームワークで抑えるべきポイント
Djangoを選ぶ理由は多岐にわたります。
ここでは、フレームワークとしての重要なポイントと、そのアーキテクチャについて詳しく見ていきましょう。
- フレームワークとしてのポイント
- DjangoのMTVアーキテクチャ
- Djangoとセキュリティ
- Djangoの学習コストとリソース
フレームワークとしてのポイント
Djangoは「すぐに開発を始められる」ことを目的として設計されています。
以下のような初期設定に必要な作業を効率化するためのコマンドが用意されているのです。
- プロジェクトのスケルトン作成
- データベースの設定
- 管理パネルの自動生成 など
例えば以下のコマンドにより、新しいプロジェクトの土台として必要なファイルが生成できます。
django-admin startproject myproject
コマンドで作成されるフォルダ・ファイルは以下のとおり。
. #コマンドを実行したディレクトリ
└── myproject #プロジェクトファイル
├── manage.py
└── myproject
├── __init__.py
├── asgi.py
├── settings.py
├── urls.py
└── wsgi.py
これによりサーバーを立ち上げればすぐにデフォルトの画面が表示されます。
./manage.py runserver
DjangoのMTVアーキテクチャ
DjangoはMTV(Model-Template-View)アーキテクチャを採用しています。
これはMVC(Model-View-Controller)アーキテクチャに似ていますが、異なる点は以下のとおりです。
- Viewがビジネスロジックを処理
- Templateがプレゼンテーションを担当
この分離により、開発者はアプリケーションの構造を明確に理解し、メンテナンスや拡張が容易になります。
Djangoとセキュリティ
Djangoはセキュリティを非常に重視して設計されています。
デフォルトでCSRF対策やセッション管理が有効になっており、開発者が意識しなくても基本的なセキュリティ対策が施されるのです。
また、セキュリティに関する設定はカスタマイズ可能であり、プロジェクトのニーズに合わせて細かく調整できます。
例えば、セキュリティポリシーを定義するために以下のような設定をおこなえます。
# settings.py
CSRF_COOKIE_SECURE = True
SESSION_COOKIE_SECURE = True
X_FRAME_OPTIONS = 'DENY'
このように、Djangoは開発者がセキュリティベストプラクティスを容易に実践できるようにサポートしています。
Djangoの学習コストとリソース
Djangoの学習コストは、フレームワークの豊富な機能と抽象化レベルによって異なります。
しかし、初心者でも理解しやすいように設計されており、公式ドキュメントやチュートリアルが充実しているのがそのメリット。
加えて、多くのオンラインコースやコミュニティが存在し、Djangoを学習するためのリソースは豊富にあります。
特に、公式ドキュメントは非常に詳細で、Djangoのほぼすべての機能を学べるでしょう。
また当サイトでも、以下の記事にて無料チュートリアルをご紹介しています。
Djangoの実用性
Djangoはその柔軟性と機能の豊富さから、さまざまな種類のプロジェクトに適しています。
- どんなプロジェクトに向いているのか?
- Djangoで利用できる機能
- Djangoを選ぶ理由
どんなプロジェクトに向いているのか?
Djangoは大規模なWebアプリケーションから小さなウェブサイトまで、幅広いプロジェクトに適しています。
とくに、データベースを利用した動的なサイトの開発に強みを持っているので、以下のようなものが得意です。
- CMS(コンテンツ管理システム)
- ソーシャルネットワーキングサイト
- 電子商取引サイト
Djangoで利用できる機能
Djangoには、開発の生産性を向上させるための多くの機能があります。
- 組み込みのユーザー認証システム
- 管理インターフェース
- フォームハンドリング
- ファイルアップロードのサポート
- テンプレートエンジン
これらの機能により、開発者は基本的なウェブアプリケーションのコンポーネントをゼロから作成する必要がなく、ビジネスロジックの実装に集中できるのです。
Djangoを選ぶ理由
Djangoを選ぶ主な理由は、以下だといえるでしょう。
- 開発の迅速化
- セキュリティの強化
- スケーラビリティの確保
これらの特徴は、開発者が安全でメンテナンスしやすいWebアプリケーションを効率的に構築するのを助けます。
また、DjangoはDRY(Don’t Repeat Yourself)原則を推奨し、コードの重複を避けることでプロジェクトの可読性と再利用性を高めているのです。
開発者はより効率的に作業を進め、エラーの発生を減らすことができます。
Djangoで何ができるか
Djangoの豊富な機能セットは、様々な用途に対応する柔軟なWebアプリケーションの開発を可能にします。
- 実用例:WebアプリとAPIの作成
- Djangoがもたらす生産性
- Djangoで実現可能なプロジェクトの種類
実用例:WebアプリとAPIの作成
Djangoを利用して、通常のアプリケーションだけでなく、フロントエンドとバックエンドを分離したアプリケーションの開発も可能。
なぜならRESTful APIの開発をサポートする強力なライブラリである、Django Rest Frameworkの利用が可能だからです。
以下は、簡単なAPIビューの例です。
from rest_framework.views import APIView
from rest_framework.response import Response
class ExampleView(APIView):
def get(self, request, format=None):
return Response({"message": "Hello, world!"})
以下のアプリケーションは、Django Rest Frameworkを活用し、著者が作った便利ツールサイト。ReactとDjangoでできています。
Djangoがもたらす生産性
Djangoは開発サイクルを高速化するためのツールを多数提供しています。
- 自動化された管理ツール
- データベースマイグレーションのサポート
- 強力なテンプレートエンジン
これらは開発者がより速く、より効率的に作業を進めるのを助けます。
Djangoで実現可能なプロジェクトの種類
Djangoはその汎用性により、以下のような幅広い種類のWebプロジェクトの開発に適しています。
- ブログ
- ソーシャルネットワーク
- 電子商取引サイト
- コンテンツ管理システム(CMS)
- 教育プラットフォーム
Djangoの機能と構成要素
Djangoの豊富な機能セットは、開発者が高品質なWebアプリケーションを構築するための基盤を提供します。
- Djangoで利用できる便利な機能
- プロジェクト管理とORM
- 豊富なテンプレートとセキュリティ機能
- 管理画面と認証システム
Djangoで利用できる便利な機能
Djangoには、開発プロセスをサポートする多くの便利な機能が含まれています。
- 強力なURLルーティング
- セッション管理
- フォームハンドリング
- 国際化サポート
また、これらだけでなくPythonで使えるライブラリも自由に使えるのが特徴。
これらの機能により、開発者はアプリケーションの基本的な要件に集中できます。
プロジェクト管理とORM
Djangoのオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)システムは、データベース操作をPythonのクラスとメソッドを通じて直感的におこなえるもの。
これにより、SQLを直接書く必要がなくなり、開発プロセスを簡素化します。
さらに、makemigrations
やmigrate
などのコマンドを使用することで、データベーススキーマの変更を簡単に管理できるのも特徴です。
豊富なテンプレートとセキュリティ機能
Djangoのテンプレートシステムは、動的なWebページを生成する際に非常に柔軟な方法を提供します。
テンプレート継承やカスタムテンプレートタグなどの機能により、DRY(Don’t Repeat Yourself)原則を守りながら効率的に開発を進められるのです。
また、クロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)などの一般的なセキュリティ脅威に対して、デフォルトで保護されています。
管理画面と認証システム
Djangoには、開発者が追加のコーディングなしで使用できる強力な管理画面が含まれています。
この管理画面を使用すると、アプリケーションで使用されるデータを簡単に操作(追加、編集、削除)できます。
また、組み込みのユーザー認証システムにより、ログイン、ログアウト、ユーザー作成などの機能をすぐに実装できます。
Djangoのセットアップと最初のステップ
Djangoを始めるための最初のステップは、開発環境の準備から始まります。
- 開発環境の準備
- PythonとDjangoのインストールプロセス
- Djangoプロジェクトのスタートガイド
- 仮想環境の設定と利用
開発環境の準備
開発を始める前に、テキストエディタ(例:Visual Studio Code)やPythonのインストールが必要です。
また、バージョン管理システム(例:Git)の設定も推奨されます。
以下のチュートリアル記事では、仮想環境によるプロジェクトの環境作りを詳しく説明しています。
PythonとDjangoのインストールプロセス
Pythonがインストールされていることを確認した後、pip
コマンドを使用してDjangoをインストールします。
pip install Django
このコマンドにより、最新のDjangoがインストールされます。
Djangoのバージョンを指定してインストールする場合は以下のコマンドです。
pip install Django==5.0.3
Djangoプロジェクトのスタートガイド
Djangoプロジェクトを始めるには、次のコマンドを実行します。
django-admin startproject myproject
cd myproject
python manage.py startapp myapp
これにより、新しいプロジェクトとアプリケーションの骨組みが作成されます。
以下のチュートリアル記事で詳しく説明しています。
仮想環境の設定と利用
Pythonの仮想環境を使用することで、プロジェクトごとに異なる依存関係を管理できます。
仮想環境を作成するには、以下のコマンドを実行します。
virtualenv -p python3 venv
source venv/bin/activate
これにより、仮想環境が有効化され、Djangoを含むすべてのパッケージをこの環境内にインストールできます。
こちらはMac/Linuxにおけるコマンド。
Windowsの方はこちらの記事を参考に仮想環境を設定してください。
仮想環境内でDjangoをインストールすることで、プロジェクトの依存関係を清潔に保ち、ほかのプロジェクトやシステム全体の設定との競合を避けられます。
実際にDjangoを使ってみよう
実際に手を動かしながらDjangoの基本を学ぶのが最も効果的です。
- 最初のプロジェクトとアプリケーションの作成
- 開発サーバのテストとチュートリアルへの挑戦
- サンプルアプリケーションへのステップバイステップガイド
最初のプロジェクトとアプリケーションの作成
以下のような手順が一般的です。
django-admin
コマンドを使ってプロジェクトのスケルトンを作成startapp
コマンドで新しいアプリケーションをプロジェクトに追加models.py
にデータモデルを定義admin.py
でDjangoの管理画面にモデルを登録
開発サーバのテストとチュートリアルへの挑戦
Djangoには開発用の軽量Webサーバが含まれており、次のコマンドで起動できます。
python manage.py runserver
ブラウザから http://127.0.0.1:8000/
にアクセスして、開発サーバが正常に動作していることを確認します。
また、Djangoのチュートリアルを進めることで、Djangoの基本的な概念と使い方を学べるでしょう。
サンプルアプリケーションへのステップバイステップガイド
シンプルなブログやポーリングアプリケーションを作成することから始めると良いでしょう。
以下のようなDjangoの主要な機能を、段階的に学べます。
- データモデルの定義
- ビューの作成
- テンプレートの使用
- フォームの処理
- ユーザ認証の追加
Djangoの勉強方法
Djangoの勉強方法は2-3冊の本をベースとしながら、ネットで情報を集めるのがおすすめです。
なぜならプログラミングスクールなどでは、Djangoの教材が揃っていないことが多いからです。
ただしWebアプリ開発においては、Djangoの知識に加えて以下の知識も必要です。
- Python
- HTML/CSS
- JavaScript
- サーバー関連
- LinuxOS
全て独学では大変なので、以下の記事を参考に自分なりの学習方法を見つけてください。
まとめ:Djangoは世界的にも有名なフレームワーク
当記事の内容をまとめます。
- Djangoとは、Pythonをベースとしたフレームワークで、世界中で使われている
- Djangoは、無料でインストールし、気軽に始められる
- Djangoに特化したスクールなどは存在せず、触りながらさまざまな媒体での情報収集が大切
Djangoはとても便利なフレームワークですが、Djangoの知識だけではWebアプリの開発はできません。
幅広い知識が必要になりますので、いろいろなところから情報を集めましょう。
✔Djangoアプリケーションを公開できる無料チュートリアル
ITCのDjangoチュートリアルでは、1から開発をし、インターネットで公開するまでを手を動かしながら学べます。
Django初心者の方から、ピンポイントで学びたいことがある方まで必見のチュートリアルです。