(最終更新月: 2025年07月20日)
✓当記事はこんな方におすすめです
「git mergeを失敗したとき、どうやって元に戻せばいいか分からない」
「マージ後に予期しないトラブル、すぐにリセットしたい！」
「自分のGit作業で取り消しを安全に試してみたい」
✓当記事で理解できること
- git mergeの取り消し方法（reset・revert等）の全体像
- 状況別：やってしまいがちな失敗と取り消しの具体例
- 実践的なコマンド例と注意点
この記事では、git mergeのリセット・やり直し手順を、失敗しやすい初心者でも「なぜこうなるのか？」まで理解できるよう、体験談や手を動かせる具体的なコマンドと一緒に解説します。
「もう戻れない…」と焦る前に、落ち着いて本記事を読んでいただければ、トラブル時にも冷静に対処できる力が身につきます。
それでは、一緒に見ていきましょう。
運営者プロフィール
現在はIT企業のプロダクトマネージャーとして、個人向け/社内向けシステムなど、複数のシステム開発・運営に携わっています。
Webサイト構築やECサイトの開発経験に加えて、PythonなどのプログラミングやSalesforceなどのクラウドアプリケーションに関する幅広い知識・経験を活かして「プログラミング初心者がスムーズに学べるサイト」を目指しています。
Githubでは、趣味で作成したアプリなどを公開しています。
✔人に見せても恥ずかしくないコードを書こう
「リーダブルコード」は、わかりやすく良いコードの定義を教えてくれる本です。
- 見るからにきれいなコードの書き方
- コードの分割方法
- 変数や関数の命名規則
エンジニアのスタンダートとすべき基準を一から解説しています。
何回も読むのに値する本なので、ぜひ手にとって読んでみてください。
git mergeと取り消しの基礎知識
当セクションでは、git mergeの基本機能と、なぜ取り消し作業が必要なのかを初心者にも分かりやすく解説します。
これを知らずに先に進むと、「なぜリセットコマンドが必要なの？」という疑問やリスクを見落としがちになるため、最初に整理しておきましょう。
- git mergeの役割と仕組み
- mergeの失敗・取り消しが発生する主なケース
- 取り消しが必要な理由と考え方
git mergeの役割と仕組み
git mergeは、複数の開発ブランチで各自が進めていた作業を、ひとつにまとめて統合するGitの代表的な操作です。
例えばAさんとBさんが同時に機能開発していても、お互いの変更を独立して進め、最後にメインブランチへ「merge」することでスムーズに成果を一本化できます。
この「自由に枝分かれして、あとで安心して合流できる」点が、Gitを使う現代開発の大きな魅力です。
ですが、うっかり狙いと違うブランチでmergeすると、意図しない変更を巻き込んでしまうことがあります。
mergeの失敗・取り消しが発生する主なケース
mergeで失敗や取り消しが求められる場面は、意外なほどよくあります。
たとえば：
- 別のブランチに間違ってmergeしてしまった
- コンフリクト（競合）解消ミスや、途中で諦めた
- マージした結果、バグが混入して影響範囲が分からなくなった
焦って即コミット・Pushした場合でも、状況別に冷静にリセットやrevertで元に戻すことは可能です。
ちなみに、Gitで変更を取り消す方法｜場面別のコマンド例と一緒に解説 も、あわせて参考にしてください。
取り消しが必要な理由と考え方
なぜ「やり直し」が重要なのでしょう？
なかには「マージ失敗はあり得ない」などと言う人もいますが、実務では「Pull Requestレビュー後の修正」や「仕様変更」「巻き戻し」など取り消す場面は頻繁です。
エンジニアが恐れずに失敗を修正する力は、現代開発の基本スキルとなりつつあります。
特に未経験・初学者は「戻す手順が分からない」こと自体がストレスやチームへの迷惑になるので、「取り消しも安全にやれる」という自信が、成長への第一歩です。
git mergeを取り消す方法と現場での注意点
このセクションでは、具体的なコマンドによる取り消し手順、現場でよくあるリスクポイントを解説します。
初心者が混乱しやすい「リモートPush後」「競合中」の場合も具体的に取り上げ、応用力が身につく内容にします。
- パターン別：merge取り消しの代表手法（reset・revert・abort）
- merge取り消し時の注意点とトラブル回避策
- 失敗から学ぶ：現場の「やってしまった」事例
パターン別：merge取り消しの代表手法（reset・revert・abort）
git mergeの取り消し方法は状況別に大きく3つあります。
・mergeコミット後のreset（履歴を巻き戻す）
・mergeコミット後のrevert（新しい「打ち消し」コミットを作る）
・merge競合発生中のabort（途中でやり直し中止）
それぞれ、次のようにコマンドを使います。
- 直近のmergeをコミットごと取り消したい：
git reset --hard HEAD~1 - merge結果だけ取り消して履歴は残す：
git revert -m 1 [merge-commit-hash] - 競合（conflict）発生中で中断したい：
git merge --abort
merge後にPushしてしまった場合には、revertの方がチームの混乱も最小化できます。git resetの基本からオプションについてを徹底解説や、git revertとは？その使い場所や方法を丁寧に解説もご参考に。
merge取り消し時の注意点とトラブル回避策
取り消し手段にはリスクも潜みます。
たとえばreset（–hard）はローカルの履歴が消えるため、「えっ？他の作業も一緒に消えた！」という事故も。
revertは打ち消し専用コミットを新たに残すので、履歴が「行き→戻り→再行き…」と複雑化しがちです。
どの手法も「他の人が作業を派生させていないか？」など周囲との調整を必ず意識し、迷ったら過去のコミット一覧（git logやgit reflog）も確認してください。
失敗から学ぶ：現場の「やってしまった」事例
たとえば筆者も未経験時代、「うっかりmainに間違ったブランチをmergeし、すぐpushしてしまう」というトラブルを経験しました。
そのときはresetで解決しようとすると、すでに同僚が「その状態」から新しい変更を加えており、結果的に履歴の混乱を引き起こしてしまいました。
最終的にはrevertで安全に巻き戻し、「merge取り消しもチーム共有が超重要」ということを身をもって学びました。
このような「焦って操作」の前には、必ず社内で「どこまで進んだか」確認し、もし不安なら「git reflogなどで試し調査＆安全バックアップ」を取っておくことをおすすめします。
コマンド例とgit merge取り消しの実践練習
このセクションでは、実際に手を動かせる詳細なコマンド例＋動作の変化を掲載します。
自分の環境でもすぐ再現できるので、何度でも繰り返し練習してください。
- ケース1：git reset –hardで直前のmergeを取り消す
- ケース2：git revert -mで安全にmergeを打ち消す
- ケース3：merge競合発生時の–abort活用術
ケース1：git reset –hardで直前のmergeを取り消す
Point：merge直後、他の作業者が派生前ならこの方法がシンプル。
Reason：HEADをひとつ前のコミットへ戻すことで、merge結果ごと「なかったこと」にできます。
git reset --hard HEAD~1
Example：たとえば機能ブランチ「featureA」をmainへmerge直後、まだpush前なら、上記コマンドひとつでmerge前の全状態になれます。
ただし「–hard」は未保存作業も消すので注意しましょう。
さらに詳しくは、git reset –hardの使い方やその注意点 も参照を。
ケース2：git revert -mで安全にmergeを打ち消す
Point：すでにリモートにpush済みでも、チームで使うならrevertを。
Reason：revertは、履歴を消さず「mergeだけ打ち消す新コミット」を作るため、ほかのメンバーへの影響が少ないです。
git revert -m 1 [merge-commit-hash]
Example：たとえば「abcdef1」がmergeコミット番号なら git revert -m 1 abcdef1 の形式でOK。
mergeのrevertは-mオプションでどちらを親とするか（通常”1″がメイン）指定が必要です。
応用解説：git revertとは？その使い場所や方法を丁寧に解説 もぜひどうぞ。
ケース3：merge競合発生時の–abort活用術
Point：conflict解消に行き詰まったら、無理せずabortで中断できます。
Reason：競合だらけで何が何だか分からない！…そんなときは「git merge –abort」でマージそのものを取消（作業前状態へ巻き戻し）できます。
git merge --abort
Example：実際に試すと、競合で進めなくなった直後、このコマンドでまっさらに戻ります。
ただし、merge完了後には使えません。conflict発生中のみ有効です。
git mergeを安全に進めるためのコツとFAQ
このセクションでは、初心者がmergeで迷わないための小技やよくある質問、実践現場で役立つ習慣を伝授します。
主体的に作業できるようになる“安心ノウハウ”のまとめです。
- ミスを未然に防ぐ「小さく頻繁にmerge」
- コンフリクト発生時の基本対処フロー
- よくある質問まとめ（FAQ）
ミスを未然に防ぐ「小さく頻繁にmerge」
Point：mergeのコツは「大きくやらず、小分け・こまめにpull→merge」すること。
Reason：小さな単位ならコンフリクトも少なく、万一のやり直しも楽です。
Example：毎日「git pull origin main」で他者変更を取り込み、ブランチを分ける習慣をつけておくと安心です。
git pull origin main
この一手間でチームの事故・ストレスを減らしましょう。
git pull originの使い方｜コマンド例付きも参考に。
コンフリクト発生時の基本対処フロー
Point：競合時に慌てず原因を調べ、<<<<<<<や>>>>>>>部分を手動修正しよう。
Reason：この範囲だけを直してadd＆commitすれば「解決済み」とみなされます。
git add [ファイル名]
git commit -m "Fix merge conflict"
Example：コンフリクト時「git status」で該当ファイルが表示されるので、VS Codeやエディターで修正し、add＆commitすればOKです。
慣れないうちはGitのコンフリクトを解決する手順をブックマークしておくのもおすすめ。
よくある質問まとめ（FAQ）
Q1：mergeの取り消しはいつでもOK？
A：理論上できますが、他の人が既に「その状態」から作業を始めていた場合、取り消しは混乱を招きます。必ずコミュニケーションとバックアップを意識！
Q2：resetとrevertの違いは？
A：resetは履歴ごと「巻き戻す」、revertは「新しい打ち消しコミット」です。resetの方が影響が大きいので使い方に注意しましょう。
Q3：リセット後「戻しすぎた！」時は取り返しがつかない？
A：意外と「git reflog」を使えば一つ前の状態も確認→戻せます。git reflogの使い方｜実例付きで丁寧に解説も役立ちます。
まとめ
本記事では、git merge取り消しの基本から、reset・revert・abortまで状況に応じた適切な対応策を解説しました。
- mergeの失敗は、やり直し手順を心得ていれば怖くない
- resetとrevertの違い・使い分けを理解することが大切
- コンフリクトや事故が起きたら、落ち着いて対処できる手順を身につけよう
Gitの取り消し操作を安全に使いこなせると、不安が一気に減り、チーム開発でも自信がもてます。
もう一歩進んだGit活用方法を学ぶなら 初心者向けGitの使い方 もぜひご覧ください。
開発現場のトラブルも、成長への「学び」として前向きにチャレンジしていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。