Salesforceのデータ型|その基本を実例付きで丁寧に解説

※本サイトにはプロモーション・広告が含まれています。

(最終更新月: 2024年1月)

✔以下の疑問をお持ちの方へ向けた記事です

「Salesforceで使用される主要なデータ型とは何か?」
「各データ型の特徴と使用シナリオは?」
「異なるデータ型を効果的に使用するためのヒントは?」

✔当記事を読むことで得られる知識

  • Salesforceにおける主要なデータ型の概要
  • 各データ型の特徴と適切な使用例
  • データ型を活用したデータ管理のベストプラクティス

テキストや数値、日付/時間、ピックリスト、ブール値など、各データ型の基本的な特徴とそれぞれが最適な使用シナリオを紹介します。

Salesforceの管理者や開発者にとって、データモデリングをおこなう際の重要な内容です。

ぜひ最後までご覧ください。

Salesforce

定義や属性などは公式ガイドを必ず参考にしましょう。

当記事では、主にその使い方を具体例とともに解説します。

筆者プロフィール

筆者プロフィールアイコン

【現職】プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーとして、Apex・Visualforceの開発エンジニアとして、以下のようなプロジェクトに従事してきました

  • 新規事業の立ち上げに伴うビジネスプロセス構築とSalesforceのカスタマイズ
  • SFDXを活用した大規模リリース
  • Visualforce等による一般ユーザー向けサイト・アプリケーションの構築

相談・業務の依頼も承ります。ご質問・ご希望をお問い合わせください。

Salesforceデータ型の基本

こちらでは、Salesforceのデータ型についてお伝えしていきます。

Salesforceデータ型を理解することで、データの格納、操作、および処理方法を適切に選択し、効率的なアプリケーション開発に役立つでしょう。

  • Salesforceでのデータ型とは何か
  • データ型の役割と重要性
  • 主要なデータ型の概観

Salesforceでのデータ型とは何か

Salesforceでのデータ型とは、レコードのフィールドに保存されるデータの種類を定義するものです。

例えば、String型には文字列を、Integer型には整数を格納します。

Apexコードで変数を宣言する際は、以下のようになります。

String exampleString = 'こんにちは';
Integer exampleInteger = 123;

さまざまなデータ型を使い分けることでデータを適切に管理し、システムの整合性を保てます。

データ型の役割と重要性

データ型は、データの格納、表示、および入力データの妥当性検査に不可欠な役割を果たします。

適切なデータ型を使用することで、以下のようなことが可能です。

  • 計算の精度を確保
  • 日付やメールアドレスなどの特定の形式を強制

例えば、日付型(Date)のフィールドには以下のように日付のみを設定できます。

Date exampleDate = Date.valueOf('2023-01-01');

データ型を正しく理解し適用することで、エラーの減少とデータの品質向上に寄与します。

Date型をDateTime型に変更するにはキャストが使えます。

うえのexampleDateをDateTimeに変換してみましょう。

Datetime exampledt = (Datetime)exampleDate;

主要なデータ型の概観

Salesforceには多くのデータ型があり、最も一般的なものにはStringIntegerDateなどがあります。

それぞれのデータ型は特定の種類のデータを格納するために利用され、例えばBoolean型はtrueもしくはfalseの値を持つものです。

Boolean exampleBoolean = true;

これらのデータ型はそれぞれ独自の特性を持ち、異なるシナリオでの使用が求められます。

さまざまなデータ型の詳細

こちらでは、各データ型の特徴、用途、そしてコーディング時の具体的な使用例について詳しく見ていきます。

  • プリミティブデータ型(String, Integer, Dateなど)
  • 複合データ型(sObject, Listなど)
  • 特殊データ型(ID, Blobなど)

プリミティブデータ型(String, Integer, Dateなど)

プリミティブデータ型は基本となるデータ型で、Stringは文字列、Integerは整数、Dateは日付を表します。

これらの型はApexコーディングにおいてよく使用される型です。

例えば、次のコードは異なるプリミティブデータ型の使用例を示しています。

String exampleName = 'John Doe';
Integer exampleAge = 30;
Date exampleBirthday = Date.newInstance(1990, 12, 25);

これらは最も基本的なデータ型で、Salesforceにおけるデータ処理の土台となります。

複合データ型(sObject, Listなど)

複合データ型はプリミティブデータ型を基に構成されるもので、sObjectListが含まれます。

sObjectはSalesforceのレコードを代表し、Listは同一のデータ型の要素を順序付けて格納するコレクションです。

以下はAccountというsObjectと、それをリストに追加するサンプルコードになります。

Account myAccount = new Account(Name='Acme Corporation', AnnualRevenue=1000000);
List<Account> accounts = new List<Account>();
accounts.add(myAccount);

これらの型を使うことによって、より複雑なデータ構造の管理が可能になります。

特殊データ型(ID, Blobなど)

特殊データ型には、Salesforceに特化したIDやバイナリデータを扱うBlobなどがあります。

ID型はSalesforceのオブジェクトレコードのユニークな識別子を表し、通常は15文字または18文字のアルファベットと数字の組み合わせです。

次の例はID型の変数宣言を示しています。

ID recordId = '001xx000003DGa3AAG';

Blob型はファイルの内容やデータストリームを表すのに使われます。

これらの型は特定の状況や要件で重宝します。

EncodeUtilクラスのbase64Decodeメソッドなどでは、Stringを受取り、Base64の符号化されたBlobに変換します。

String helloStr = 'こんにちは';
Blob blobedStr = Blob.valueOf(helloStr);

//こんにちはをBase64エンコード
String encoded = EncodingUtil.base64Encode(blobedStr);
System.debug('encoded: ' + blobedStr);

//エンコードされた文字列をデコード => blob
Blob decodedBlob = EncodingUtil.base64Decode(encoded);
System.debug('blobed: ' + decodedBlob);

//Blobを文字列へ
String strDecoded = decodedBlob.toString();
System.debug('string: ' + strDecoded);

データ型の効果的な使用

データを扱う際、適切なデータ型を選択し、その特性を最大限に活かすことが重要です。

  • データ型に応じたフィールドの作成
  • データ型の変換とキャスティング
  • データバリデーションとエラーハンドリング

データ型に応じたフィールドの作成

データ型を選択する際には、保存したいデータの性質を考慮する必要があります。

Salesforceのオブジェクトマネージャを使用して新しいフィールドを作成する場合、例えば以下の手順で電話番号というフィールドを「電話」型で作成可能です。

  1. オブジェクトマネージャで対象オブジェクトを選択
  2. フィールド&リレーションシップで「新規」をクリック
  3. 「電話」型を選択し、「次へ」をクリック
  4. フィールドラベルに「電話番号」と入力し、必要な設定を行った後「保存」

このようにして、適切なデータ型のフィールドが作成され、データ整合性が保たれます。

データ型の変換とキャスティング

データ型の変換にはキャスティングが使えます。

異なるデータ型間で値を変換する際に使える方法です。

例えば、String型の数値をInteger型に変換する場合は、次のようにします。

String numberString = '100';
Integer numberInteger = Integer.valueOf(numberString);

このキャスティングによって、文字列から整数へのデータ変換が可能です。

データバリデーションとエラーハンドリング

データの検証は、不正確または不適切なデータがシステムに入るのを防ぐために不可欠です。

たとえば、メールアドレスのフィールドにバリデーションルールを設けることで、正しいメールアドレスの形式のみが受け付けられるようにします。

エラーハンドリングを適切におこない、ユーザーに適切なフィードバックを提供し、データ入力のミスを減らせます。

try {
    // データの処理
} catch (Exception e) {
    // エラー処理
}

データ型とApexコーディング

こちらでは、Apexでのデータ型の扱い方について詳しく説明し、効果的なコーディング方法を探ります。

Apexを使用したプログラミングでは、データ型は基本となる概念です。

  • Apexでのデータ型の実装
  • データ型とSOQLクエリ
  • データ型に関連するベストプラクティス

Apexでのデータ型の実装

Apexコードでは、データ型は変数宣言時に必要です。

変数宣言によりデータの格納容器を作成し、その変数に対しておこな処理の種類をApexに知らせます。

以下はリスト型の使用例です。

List<String> cities = new List<String>{'Tokyo', 'New York', 'London'};

このリストによって、複数の都市名を一つの変数で管理できます。

List型は以下のように新たな要素の追加も可能です。

List<String> countries = new List<String>();
countries.add('Japan');
countries.add('United States');

データ型とSOQLクエリ

SOQL(Salesforce Object Query Language)を使用する際、データ型はクエリの正確性を保証するのに重要です。

異なるデータ型に応じたSOQL文を記述することで、データベースから正確なレコードを取得できます。

例えば、特定の日付より古いレコードを取得するSOQLクエリは次のようになります。

SELECT Id, Name FROM Account WHERE CreatedDate < LAST_N_DAYS:30

ここでLAST_N_DAYS:30は過去30日を表す日付リテラルであり、データ型に基づいたクエリです。

データ型に関連するベストプラクティス

データ型を取り扱う際、ベストプラクティスを守ることはプログラムの品質向上に重要です。たとえば、コーディング規約に従って一貫性を持たせる、適切なデータ型を選択する、不必要なデータ型変換を避けるなどがあります。コードのメンテナンス性と拡張性を高めるためにこれらを実践しましょう。

データ型のトラブルシューティング

ここでは一般的なデータ型の課題、パフォーマンスの最適化、そしてよくあるエラーとその解決策について紹介します。

すべての開発者はいずれデータ型に関する問題に直面するからです。

  • 一般的なデータ型関連の問題
  • パフォーマンスの最適化
  • よくあるエラーとその解決策

一般的なデータ型関連の問題

データ型の不一致は一般的なエラーのひとつです。

例えば、整数型の変数に文字列を代入しようとすると、以下のようなエラーが発生します。

Integer exampleInt = 'abc'; // コンパイルエラー

変数のデータ型と代入しようとするデータの型が一致するように注意が必要です。

パフォーマンスの最適化

不適切なデータ型の使用はパフォーマンスの低下を引き起こすことがあります。

たとえば、非常に大きな数字を扱う際にはLong型を用いる方が適切な選択かもしれません。

データ型を適切に選択し、システムの効率を最大化することが大切です。

よくあるエラーとその解決策

データ入力時の型変換エラーは、try-catchブロックでこれらのエラーを捕捉できます。

ユーザーに適切なメッセージを提供することが可能です。

try {
    Integer example = Integer.valueOf('abc');
} catch (NumberFormatException e) {
    System.debug('入力値が整数ではありません: ' + e.getMessage());
}

上記のコードはNumberFormatExceptionをキャッチし、デバッグログにメッセージを記録します。

まとめ

Salesforceのデータ型に関する理解はアプリケーション開発において欠かせません。

適切なデータ型の選択と実装は、パフォーマンス、セキュリティ、ユーザーエクスペリエンスの向上に繋がります。

この知識を活用して、高品質でメンテナンスしやすいコードの実現に役立ててください。

タイトルとURLをコピーしました