Salesforceの結合レポートとは?その基礎から作成方法までを解説

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(最終更新月: 2024年1月)

✔以下の疑問をお持ちの方へ向けた記事です

「Salesforceの結合レポートとはどのようなものか?」
「結合レポートを作成し活用するメリットは何か?」
「結合レポートの作成方法とカスタマイズのヒントは?」

✔当記事を読むことで得られる知識

  • Salesforceにおける結合レポートの基本概念
  • 結合レポートの作成とカスタマイズ方法
  • 結合レポートを活用したデータ分析のベストプラクティス

結合レポートは、複数のレポートタイプからのデータを一つのレポートで表示することができる強力な機能です。

Salesforceの管理者やビジネスアナリストにとって、データドリブンな意思決定をサポートする貴重なツールとなるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

Salesforce

定義や属性などは公式ガイドを必ず参考にしましょう。

当記事では、主にその使い方を具体例とともに解説します。

筆者プロフィール

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【現職】プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーとして、Apex・Visualforceの開発エンジニアとして、以下のようなプロジェクトに従事してきました

  • 新規事業の立ち上げに伴うビジネスプロセス構築とSalesforceのカスタマイズ
  • SFDXを活用した大規模リリース
  • Visualforce等による一般ユーザー向けサイト・アプリケーションの構築

相談・業務の依頼も承ります。ご質問・ご希望をお問い合わせください。

Salesforceにおける結合レポートの基本

結合レポートについて詳しく解説していきます。

Salesforceでのデータ管理と分析において、結合レポートの理解は不可欠です。

それにより、複数のオブジェクトに跨がった複雑なデータの視覚化と分析をおこなえます。

  • 結合レポートとは何か
  • 結合レポートの利点と使用シナリオ
  • 標準レポートと結合レポートの違い

結合レポートとは何か

Salesforceで結合レポートとは、異なるオブジェクトのデータを統合して単一のレポートで表示する機能です。

“レポート” > “新規レポート” > “結合レポート”

結合レポートを使うと、異なる種類のデータを比較・分析することが容易になり、情報の相関関係を明確に把握できるようになります。

具体的には、営業データとサポートケースを並列に表示して、製品の売上に対するカスタマーサービスの影響の分析が可能です。

結合レポートの利点と使用シナリオ

結合レポートには、データの豊富な視覚化オプションや複数のレポートタイプを横断的に分析する能力など、多くの利点があります。

使用シナリオの一例は、営業結果とサポートリクエストの傾向をつかむために、これらのデータを結合して分析をおこないたい場合など、です。

これにより、顧客の需要や満足度が営業成績にどのように影響しているかを明らかにすることが可能。

また、マーケティングキャンペーンのレスポンスと売上データを一緒に分析することでROIを計測するのにも役立ちます。

標準レポートと結合レポートの違い

標準レポートと結合レポートの違いは以下のとおり。

  • 標準レポート: 単一のオブジェクトのデータを分析するためのもの
  • 結合レポート: 複数のオブジェクトのデータを同時に表示し、それらの関係を探るためのもの

標準レポートでは、例えば”商談レポート”を使って商談に関連するデータのみを分析します。

結合レポートの場合は、”レポート”タブから”結合レポート”を選択し、”商談”と”リード”のように関連する異なるオブジェクトを組み合わせて分析できます。

これにより、それぞれのデータソースの関連性を把握しやすくなるのが大きな特徴です。

Salesforceの結合レポート作成手順

このセクションでは、Salesforceで結合レポートを作成する際の具体的な手順について説明します。

結合レポートを効果的に作成し活用することで、ビジネスの意思決定に不可欠な情報を得られるでしょう。

  • 新しい結合レポートの作成方法
  • 結合レポートでのデータソースの選択
  • 結合レポートのフィルタとグループ化

新しい結合レポートの作成方法

新しい結合レポートを作成するには、以下の手順でおこないましょう。

  • Salesforceの左上隅にある”レポート”タブを開く
  • “新しいレポート”ボタンをクリック
  • 表示されるダイアログボックスから”結合レポート”を選択して”開始”をクリック

この時点でレポートビルダーが開き、結合レポートの作成に必要なブロックやグループを追加できます。

作成時の具体例としては、レポートブロックにそれぞれのオブジェクトをドラッグして配置し、必要に応じてレポートの形式を整えます。

結合レポートでのデータソースの選択

結合レポートでデータソースとして選ぶことができるのは、関連するオブジェクトやカスタムオブジェクトなど、Salesforce内にある異なるデータセットです。

例えば、営業チームが使用する商談と顧客サービスが使う”ケース”のオブジェクトを結合して、両者のデータをひとつのレポートで見れます。

選択の際には、レポートビルダーの左側にあるパネルから担当者が必要とするオブジェクトを選択し、”レポートブロック”へとドラッグしましょう。

結合レポートのフィルタとグループ化

結合レポートのフィルタ機能を使って、特定のデータや条件に基づいて結果を絞り込みましょう。

例えば、“地域”ごとや”部門”ごとにデータをセクション分けすることで、異なる視点での分析が可能です。

フィルタの設定方法は、レポートビルダー内の”フィルタ”をクリックし、希望する条件を設定します。

グループ化は、適切なフィールドをレポートビルダーの”グループ化列”または”グループ化行”エリアへとドラッグすることで実現します。

Salesforceで結合レポートを活用する方法

ここでは、Salesforceの結合レポートを実際にビジネス内でどのように活用するかについて見ていきましょう。

この知識を身につけることで、データをさらに深く理解し、ビジネスの成長に貢献する洞察を得ることが可能です。

  • 複数のオブジェクトからのデータ分析
  • ビジネスプロセス全体のパフォーマンス評価
  • クロスオブジェクト関係の可視化

複数のオブジェクトからのデータ分析

結合レポートを活用することで、全体のビジネス運営における各部門のパフォーマンスを一望に分析できます。

以下に関連するオブジェクトを結びつけられるからです。

  • 営業
  • マーケティング
  • カスタマーサービスのオブジェクト

これにより、異なる部門間でどのような相互作用があるか、どのセクションが他の部門に影響を与えているかなどの洞察が得られるはず。

具体的には、”商談”と”キャンペーン”のデータを組み合わせて、マーケティングキャンペーンが商談の生成にどのように貢献しているかを観察できます。

ビジネスプロセス全体のパフォーマンス評価

結合レポートを利用して、ビジネスプロセスを横断・分析することで、全体としてのパフォーマンスの高い領域と改善が必要な領域を明確にします。

例として、リード生成から商談の成立、その後のカスタマーサポートの評価まで、顧客ライフサイクルの全ステージを追跡して評価可能

これにより、あるプロセスが他のプロセスにどの程度の効果を及ぼしているかが可視化されるのです。

クロスオブジェクト関係の可視化

クロスオブジェクト関係は、異なるオブジェクト間の関連性を理解するために欠かせない情報です。

結合レポートを使用することで、“取引先”と”ケース”, “商談”と関連付けることにより、顧客アカウントとそれに関連する商談やサポートケースの関係を明らかにできます。

データをよりダイナミックに分析することで、顧客エンゲージメントや満足度の向上につなげる洞察が得られるでしょう。

Salesforceにおける結合レポートのベストプラクティス

Salesforceで結合レポートを最も効果的に作成し、活用するためのベストプラクティスについて見ていきましょう。

以下の情報を実践することで、レポートの品質を向上させ、より良いビジネスの意思決定をおこなえるようになります。

  • 効果的なレポート構造の設計
  • データの可読性とインサイトの向上
  • チームと共有するためのレポートの最適化

効果的なレポート構造の設計

良い結合レポートを設計するには、目的とする情報のクリアな構造を持つことが重要です。

例えば、”営業地域別の売上”と”クオータ達成率”のデータを比較する場合、レポートブロックを地域に基づいて作成し、それぞれに対して通貨フィールドと割合フィールドを配置するといった工夫が求められます。

適切なレイアウトと論理的な分類することで、情報の洞察が得やすくなります。

データの可読性とインサイトの向上

データの可読性を高めるには、グラフやチャートなどの視覚的要素を用いることが有効です。

“ダッシュボード”機能を使用して、レポートデータをグラフ化することで、数値データよりも直感的に状況を把握できるようになります。

また、計算フィールドやカスタム集計を通じて、さらに深い分析が可能。

これらを利用することで、トレンドの把握や予測の精度も向上します。

チームと共有するためのレポートの最適化

レポートは個人だけでなく、チームや組織全体で共有されるべき貴重な資産です。

共有を効率的かつ効果的におこなうためには、共有設定やパーミッションの適正管理が重要になります。

“レポート”を作成したら、そのアクセス権を適切なユーザーグループに対して設定し、情報が必要とされるステークホルダーがアクセできるようにしましょう。

また、レポートを定期的に自動更新、共有することで、いつでも最新の情報にアクセスできます。

Salesforce上で起こる結合レポートのトラブルシューティング

Salesforceで結合レポートを作成し活用する上で遭遇する可能性のあるトラブルと、それに対する解決策について説明します。

これらを理解し対応することで、スムーズなレポート作成と活用が可能になるでしょう。

  • 一般的な問題と解決策
  • パフォーマンスと制限の調整
  • レポートの精度と整合性の確保

一般的な問題と解決策

結合レポート作成中には、たとえばデータが表示されない、フィルタが効かないなどの問題に直面することがあります。

これらの問題に直面した場合、まずはフィルタの条件を見直し、レポートの設定が予想したデータソースに対応しているか確認しましょう。

また、適切なフィールドがレポートに追加されているかも確認する必要があります。

これらを確認することで、多くの場合に問題を解決できます。

パフォーマンスと制限の調整

Salesforceでは、レポートのパフォーマンスには特定の制限が設けられています。

例えば、一度に表示できるレコード数には上限がある、など。

結合レポートが遅延する場合は、レポートの範囲を狭めるフィルタを追加することで解決できることがあります。

また、重複する項目や不要な計算フィールドを削除し、レポートの読み込みを高速化しましょう。

最適なパフォーマンスを達成するためには、定期的にレポートをレビューし、必要最小限のデータセットに絞り込んで使用することが望ましいです。

レポートの精度と整合性の確保

レポートの精度と整合性を確保することは、信頼性のあるデータ分析をおこなううえで欠かせません。

結合レポートにおいては、異なるデータソースを組み合わせる際、一貫性のないフィールド定義や異なる命名規則に起因する問題が生じることがあります。

これを防ぐためには、以下が重要です。

  • フィールドラベルの標準化
  • データのクレンジング作業
  • 組織のデータガバナンスポリシーへの準拠

レポートに含まれるデータが正確であることを定期的に確認し、ユーザーが利用しているデータソースが最新の情報であることを保証することが、確実性を高めるために必要です。

まとめ

Salesforce内で結合レポートを使用することは、ビジネスの状況を多角的に分析し、より洞察に富んだ意思決定をするために非常に有効です。

Salesforce内で複数のデータソースを結合して分析する能力は、今後のビジネス環境の複雑化に対応する上でますます重要な要素になるでしょう。

ぜひ、今回得られた知識を実務に活かし、Salesforce結合レポートを最大限に活用してください。

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