(最終更新日:2023年6月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「apt-getコマンドの機能が知りたい」
「apt-getコマンドの使い方を覚えたい」
「apt-getコマンドの実践例を参考にしたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- apt-getコマンドの基本概念
- apt-getコマンドの使い方とその応用
- apt-getコマンドの実例
当記事では、apt-getコマンドの基本から、オプションを駆使した応用的な使い方まで、実際のコードを交えてわかりやすく解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
apt-getコマンドの基本知識
こちらでは、初心者の皆さんがApt-getコマンドを使い始める上で必要な「基本知識」についてお伝えします。
具体的には、コマンドの書式、主要なスイッチ、そしてよく使うオプションについて説明します。
- コマンドの書式
- 主要なスイッチ
- よく使うオプション
コマンドの書式
Apt-getコマンドの基本的な書式はこちら。
apt-get [option] [command]
うえの変数についての説明は以下のとおりです。
- “option”:コマンドの動作をカスタマイズするためのオプション
- “command”は実行したい操作を指定
たとえば、「apt-get install」というコマンドは、「apt-get」コマンドに「install」オプションを指定して、パッケージをインストールする操作をおこないます。
主要なスイッチ
Apt-getコマンドには、いくつかの主要なスイッチがあります。
以下は、Apt-getコマンドで使用できる追加のスイッチとその説明、および例を含めた一覧表です。
スイッチ | 説明 | 例 |
---|---|---|
-q | 出力を抑制し、実行時のメッセージを表示しません。 | apt-get install -q package_name |
-s | シミュレーションモードでコマンドを実行し、実際には変更を加えません。 | apt-get upgrade -s |
-d | パッケージのダウンロードのみを実行し、インストールは行いません。 | apt-get install -d package_name |
-y --force-yes | すべてのプロンプトに「はい」を回答し、依存関係の問題を自動的に解決します。※古いバージョンで使用された非推奨のスイッチです。 | apt-get install -y package_name |
--no-install-recommends | 推奨パッケージをインストールしないようにします。 | apt-get install --no-install-recommends package_name |
--allow-change-held-packages | パッケージの保持状態を変更しても良いと許可します。 | apt-get upgrade --allow-change-held-packages |
これらの追加のスイッチを使用することで、Apt-getコマンドのさまざまな挙動を制御できます。
ただし、いくつかのスイッチは非推奨とされており、現在のバージョンでは使用されない可能性もあるでしょう。
よく使うオプション
Apt-getコマンドでよく使うオプションには「install」「remove」「upgrade」などがあります。
- install:新しいパッケージをインストールする
- remove:インストールされたパッケージを削除する
- upgrade:既存のパッケージを最新版に更新する
これらのオプションを理解し、適切に使い分けることで、ソフトウェア管理がより簡単になります。
installの例はこちら。
apt-get install [パッケージ名]
apt-getコマンドの使い方
次に、具体的な「Apt-getコマンドの使い方」を、ひとつずつ紹介していきます。
それぞれ具体的に見ていくことで、すぐに使いこなせるようになるでしょう。
- パッケージのインストール
- パッケージのアンインストール
- ソースアーカイブの取得
- パッケージの再インストール
- インストール可能なパッケージの検索
- パッケージリストの更新
- パッケージのアップグレード
- システム全体のアップグレード
- システムの整合性チェック
- キャッシュのクリア(削除)
パッケージのインストール
パッケージのインストールは、apt-get install コマンドに続けてパッケージ名を指定することで行います。
apt-get install python
Pythonをインストールします。
複数のパッケージを一度にインストールするには、パッケージ名をスペースで区切って指定します。
パッケージのアンインストール
パッケージのアンインストールは、apt-get remove コマンドに続けてパッケージ名を指定します。
sudo apt-get remove package_name
なお、remove コマンドは設定ファイルを残すため、設定ファイルも一緒に削除したい場合は purge コマンドを使用しましょう。
sudo apt-get purge package_name
ソースアーカイブの取得
ソースコードを手に入れたい場合は、apt-get source コマンドを使います。
これにより、ソースパッケージをダウンロードし、その場で展開します。
apt-get source package_name
ソースパッケージのダウンロードには、通常、root権限は不要です。
パッケージの再インストール
何らかの理由でパッケージを再インストールしたい場合は、apt-get –reinstall install コマンドを使用します。
sudo apt-get --reinstall install package_name
このコマンドは、既にインストール済みのパッケージをアンインストールし、再度ダウンロードしてインストールします。
インストール可能なパッケージの検索
パッケージの検索は、apt-cache search コマンドを使います。
コマンドの後に検索キーワードを指定すると、そのキーワードを含むパッケージ名とその短い説明が表示されます。
apt-cache search [keyword]
これにより、必要なパッケージの名前が分からない場合でも目的に合ったパッケージを見つけられます。
以下は、私のPCで実行した例です。
$ apt-cache search web server
apache2 - Apache HTTP サーバ
apache2-bin - Apache HTTP Server (modules and other binary files)
apache2-data - Apache HTTP Server (common files)
apache2-dev - Apache HTTP Server (development headers)
apache2-doc - Apache HTTP Server (on-site documentation)
apache2-ssl-dev - Apache HTTP Server (mod_ssl development headers)
apache2-utils - Apache HTTP サーバ (ウェブサーバ用ユーティリティプログラム)
パッケージリストの更新
apt-get update コマンドは、インストール可能なパッケージのリストを更新するコマンドです。
リポジトリに新たに追加されたパッケージや、既存パッケージの更新版を利用するためには、このコマンドでパッケージリストを最新の状態に更新する必要があります。
sudo apt-get update
パッケージのアップグレード
既にインストールされているパッケージのアップグレードは、apt-get upgrade コマンドで行います。
このコマンドは、パッケージリストの更新後に実行することで、最新のパッケージに一括でアップグレードすることができます。
sudo apt-get upgrade
システム全体のアップグレード
システム全体のアップグレードは、apt-get dist-upgrade コマンドで行います。
これにより、新たな依存関係を満たすために必要なパッケージを追加したり、既存のパッケージを削除したりしてシステムを最新の状態に保つことができます。
sudo apt-get dist-upgrade
システムの整合性チェック
apt-get check コマンドは、パッケージの依存関係が正しく満たされているか、また壊れたパッケージがないかをチェックするコマンドです。
万が一、問題が発見された場合にはエラーメッセージが出力されます。
sudo apt-get check
キャッシュのクリア(削除)
apt-get clean コマンドを使えば、パッケージのキャッシュを全てクリア(削除)ます。
sudo apt-get clean
apt-get autoclean コマンドでは、既にリポジトリで非推奨となったパッケージのキャッシュだけをクリアします。
sudo apt-get autoclean
大量のディスクスペースを消費している場合には、これらのコマンドが有用です。
実践的なapt-getコマンドの活用例
この節では、Apt-getコマンドの具体的な活用例について紹介します。
Apt-getコマンドの理解と使いこなしを深めることで、Linuxシステムの操作がよりスムーズになることでしょう。
- 複数のパッケージをまとめてインストールする
- インストール済みのパッケージ一覧を表示する
- パッケージの詳細情報を調べる
複数のパッケージをまとめてインストールする
apt-get installコマンドでは、複数のパッケージを同時にインストールすることも可能です。
パッケージ名をスペースで区切って列挙すれば、指定したパッケージを一度にインストールできます。
apt-get install python3 python3-pip
Python3とそのパッケージ管理ツールpipが一緒にインストールされます。
インストール済みのパッケージ一覧を表示する
apt list –installedコマンドを使えば、現在のシステムにインストールされているパッケージの一覧を表示できます。
どのパッケージがインストールされているかを確認したり、特定のパッケージがインストールされているかを調べたりしたいときに使いましょう。
パッケージの詳細情報を調べる
apt showコマンドは、パッケージの詳細情報を表示するコマンドです。
パッケージ名を指定することで、そのパッケージのバージョンや依存関係、インストールサイズなどを確認することができます。
apt show python3
Python3の詳細な情報を表示します。
まとめ:Apt-getコマンドで快適なLinuxソフトウェア管理を
当記事では、apt-getコマンドの基本操作から実践的な使い方までを解説しました。
- パッケージ管理においては、必要なソフトウェアのインストールだけでなく、最新の状態に保つことが重要
- パッケージ管理の維持にapt-getコマンドを活用し、システムの安定性とパフォーマンスを維持できる
- 不要になったパッケージはきちんとアンインストールする
Linuxはその自由度の高さから多くのユーザに愛されていますが、その一方で初心者にとってはその自由度がハードルに感じられることもあります。
しかし、この記事で紹介したApt-getコマンドのような基本的なコマンドを身につけることで、Linuxの世界が一層広がることでしょう。
これをきっかけに、より深くLinuxに触れてみてはいかがでしょうか。
皆さまのLinuxライフがより一層充実することを願っています。