【完全理解】ddコマンド入門|基本からオプションの使い方まで解説

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(最終更新月:2023年5月)

✔このような方へ向けて書かれた記事となります

「ddコマンドの書き方が知りたい」

「ddコマンドのオプションについて詳しく教えて欲しい」

「ddコマンドの実例が見たい」

✔当記事を通じてお伝えすること

  • ddコマンドとは?
  • ddコマンドの基本的な書き方
  • ddコマンドのオプションや実例

当記事では、ddコマンドについて、その基本的な書き方はもちろん、オプション一覧からそれぞれの実例まで丁寧に解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

筆者プロフィール

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「プログラミング × ライティング × 営業」の経験を活かし、30後半からのIT系職へシフト。当サイトでは、実際に手を動かせるWebアプリの開発を通じて、プログラミングはもちろん、IT職に必要な情報を提供していきます。

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ddコマンドの基本

ddコマンドの基本について見ていきましょう。

基本には隅から隅まで目を通し、必ず理解してください。

  • ddコマンドとは?
  • ddコマンドの用途

ddコマンドとは?

ddコマンドは、”data duplicator”の略で、バイナリーデータをコピーし、変換のために使われるもの。

ディスクやファイルのコピーと変換をおこないます。

ただし、誤った操作によってデータの上書きや消失が起こることがあるため、しっかりと理解して使用しましょう。

ddコマンドの用途

ddコマンドの用途を具体的に挙げると以下の通りです。

  • ディスクイメージの作成と復元
  • ブート可能なUSBデバイスの作成
  • データの消去やディスクのクローニング
  • データのバックアップと復元
  • ネットワーク経由でのデータ転送

ddコマンドの基本構文とオプション

ddコマンドの基本的な構文をご紹介していきます。

ここでしっかりと書き方の基本をマスターしてください。

  • 入力ファイル (if) と出力ファイル (of)
  • ブロックサイズ (bs) 
  • カウント (count)
  • データ変換オプション (conv)
  • その他のオプション

入力ファイル (if) と出力ファイル (of)

ddコマンドの基本構文は以下の通りです。

dd if=入力ファイル名 of=出力ファイル名

オプションについてはこちら。

  • ifオプション:入力ファイルを指定
  • ofオプション:出力ファイルを指定

例えば、`file1`から`file2`へのコピーは次のようになります。

dd if=file1 of=file2

ブロックサイズ (bs) 

bsオプションは、1回の読み書きで転送するデータのサイズを指定します。

適切なブロックサイズを設定することで、転送速度が向上するからです。

例えば、1MBのブロックサイズで転送する場合は以下のようになります。

dd if=file1 of=file2 bs=1M

カウント (count)

countオプションは、転送するブロック数を指定します。

例えば1MBのブロックサイズで、10MBのデータを転送する場合は以下のようになります。

dd if=file1 of=file2 bs=1M count=10

データ変換オプション (conv)

convオプションは、データの変換を指定します。

例えば大文字から小文字への変換や、ASCII形式からEBCDIC形式への変換などができます。

convオプションでよく使われるものは、以下のとおり。

  • notrunc:出力ファイルのサイズを変更しない
  • sync:入力ブロックサイズが足りない場合にパディングする
dd if=file1 of=file2 conv=notrunc,sync

ddコマンドのオプション一覧

ddコマンドのオプションを一覧にまとめました。

上記のオプションだけが全てではありません。

オプション名説明実例
if入力ファイルを指定するdd if=inputfile.bin
of出力ファイルを指定するdd of=outputfile.bin
bsブロックサイズを指定するdd bs=1M
countコピーするブロック数を指定するdd count=100
seek出力ファイルの開始位置を指定するdd seek=1
skip入力ファイルの開始位置を指定するdd skip=1
convデータ変換オプションを指定するdd conv=sync,noerror
statusddコマンドの進行状況を表示する頻度を指定するdd status=progress

例えば以下のようなコマンドがあります。

dd if=inputfile.bin of=outputfile.bin bs=1M count=100 conv=sync,noerror status=progress 

こちらの内容は以下のとおり。

  • 入力ファイル inputfile.bin からデータを読み込む
  • 出力ファイル outputfile.bin に書き込む
  • ブロックサイズを1Mバイト
  • 最大コピー数を100ブロック
  • エラーが発生しても処理を続行
  • 進行状況を表示

ddコマンドのインストール方法

ddコマンドがインストールされていない方は、次の方法でインストールしましょう。

OSによって方法は異なるので、適切なものをお選びください。

  • Linux
  • macOS
  • Windows

Linux

Linuxでは、ほとんどのディストリビューションでddコマンドがインストールされています

ただもしインストールされていない場合は、パッケージマネージャを使用してインストールしましょう。

例えば、UbuntuやDebianでは以下のコマンドでインストールできます。

sudo apt-get update
sudo apt-get install coreutils

macOS

macOSでも、ddコマンドはデフォルトでインストールされています。

追加のインストール手順は不要です。

Windows

Windowsでは、ddコマンドはデフォルトで利用できません。

しかし、代わりにWindows Subsystem for Linux (WSL)をインストールすることで、Linux環境を利用してddコマンドを実行できます。

dd for Windowsというサードパーティ製のツールを利用することも可能です。

実践的な使用例

実践的な使用例も見ていきましょう。

ここまでの内容を理解すれば、スムーズに次へ進めます

  • ディスクイメージの作成と復元
  • ブート可能なUSBデバイスの作成
  • データの消去やディスクのクローニング
  • データのバックアップと復元

ディスクイメージの作成と復元

ddコマンドを使って、ディスクイメージを作成し、復元できます。

例えば、`/dev/sda`というディスクからイメージを作成するには以下のようになります。

sudo dd if=/dev/sda of=disk_image.img bs=1M

復元する場合は、以下のコマンドを使用します。

sudo dd if=disk_image.img of=/dev/sda bs=1M

ブート可能なUSBデバイスの作成

ISOファイルを使って、ブート可能なUSBデバイスを作成できます。

例えば、`ubuntu.iso`というISOファイルを`/dev/sdb`というUSBデバイスに書き込むには、以下のとおりです。

sudo dd if=ubuntu.iso of=/dev/sdb bs=1M

この操作の後、USBデバイスをPCに接続し、ブートオプションでUSBデバイスを選択することで、ブート可能なUSBデバイスから起動できるのです。

データの消去やディスクのクローニング

ddコマンドを使って、ディスクやパーティションのデータを消去したり、ディスクをクローンしたりできます。

例えば、`/dev/sda`というディスクのデータを完全に消去するには、以下のようなコマンドを使用します。

sudo dd if=/dev/zero of=/dev/sda bs=1M

ディスクをクローンする場合は、以下のコマンドを使用します。

sudo dd if=/dev/sda of=/dev/sdb bs=1M

データのバックアップと復元

ddコマンドを使って、ファイルやディレクトリのデータをバックアップし、復元できます。

例えば、`file1`をバックアップする場合は、以下のようなコマンドを使用します。

dd if=file1 of=backup_file1

バックアップから復元する場合は、以下のコマンドを使用します。

dd if=backup_file1 of=file1_restored

よくあるエラーと対処法

よくあるエラーと対処法について見ていきましょう。

事前に理解しておくことで、エラーに遭遇した際の解決が早まります

  • 入出力エラー
  • 書き込み保護
  • パーミッションエラー
  • その他の一般的なエラー

入出力エラー

ディスクやファイルへのアクセスが失敗した場合、入出力エラーが発生します。

主な原因は、デバイスが取り外されたり、ファイルが存在しない場合です。

対処法として、デバイスの接続やファイルの存在を確認してください。

書き込み保護

デバイスが書き込み保護されている場合、ddコマンドでデータを書き込むことはできません。

対処法としては、デバイスの書き込み保護を解除することがあげられます。

パーミッションエラー

ddコマンドを実行するユーザーが、デバイスやファイルへのアクセス権限を持っていない場合、パーミッションエラーが発生します。

対処法として、`sudo`コマンドを使って管理者権限で実行するか、アクセス権限を適切に設定してください。

sudo dd if=file1 of=file2

その他の一般的なエラー

エラー名説明対処法
デバイス名の誤り入力・出力デバイス名が間違っているデバイス名を正しく指定する。lsblkやfdiskコマンドを使って正しいデバイス名を確認する
ブロックサイズの誤り不適切なブロックサイズが指定されている適切なブロックサイズを指定する
ディスク容量不足出力デバイスのディスク容量が不足しているデータを削除して容量を確保するか、容量が十分なデバイスを使用する

ddコマンド使用上の注意点とリスク

ddコマンドを使用する際の注意点やリスクについてご覧いただきます。

あとで取り返しのつかないことにならないよう、ひとつずつ見ていきましょう。

  • データの上書き
  • 正確なディスクサイズの確認
  • ddコマンドの実行速度

データの上書き

ddコマンドは、出力ファイルやデバイスにデータを直接書き込むため、誤った指定をすると重要なデータが上書きされることがあります。

コマンドを実行する前に、正しい入力・出力の指定を確認してください。

正確なディスクサイズの確認

ddコマンドを使ってディスクイメージを作成する場合、ディスクのサイズが正確であることが重要です。

`fdisk`や`parted`などのツールを使って、ディスクサイズを確認してください。

ddコマンドの実行速度

ddコマンドの実行速度は、ブロックサイズや入出力デバイスの性能に依存します。

適切なブロックサイズを設定することで、実行速度が向上することがあります。

ddコマンドの上級者向けのテクニック

ddコマンドの上級者向けテクニックをご覧いただきます。

ddコマンドを使いこなすために、ひとつだけでも覚えておきましょう

  • パイプラインを使用した高速コピー
  • ネットワーク経由でのデータ転送
  • システムリソースの最適化

パイプラインを使用した高速コピー

`dd`コマンドとパイプラインを組み合わせることで、データのコピーを高速化できます。

例えば、次のコマンドは、データを圧縮しながら転送することができます。

dd if=file1 bs=1M | gzip | dd of=file1.gz

ファイルの圧縮について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ネットワーク経由でのデータ転送

`dd`コマンドと`netcat`コマンドを組み合わせることで、ネットワーク経由でデータを転送できます。

送信側では、次のコマンドを使用します。

dd if=file1 bs=1M | nc -q 0 192.168.1.2 1234

受信側では、次のコマンドを使用します。

nc -l -p 1234 | dd of=file1 bs=1M

ncコマンドについてはこちらをどうぞ。

【必読】ncコマンドとは?基本的な書き方から実例まで紹介
ncコマンドについて詳しく知りたいですか?当記事では、ncコマンドの基本はもちろん、使い方や必要な用語を具体例付きで詳しく解説していきます。具体例がついているので、初心者の方でもすぐに使って試せます。ぜひご覧ください。

システムリソースの最適化

`dd`コマンドの実行中にシステムリソースを最適化することで、パフォーマンスを向上させられます。

例えば、`ionice`コマンドを使ってI/O優先度を調整できるのです。

sudo ionice -c3 dd if=file1 of=file2 bs=1M

また、`nice`コマンドを使ってCPUスケジューリング優先度を調整することも可能。

sudo nice -n 19 dd if=file1 of=file2 bs=1M

まとめ

ddコマンドは、以下のような用途に使用される強力なツールです。

  • ディスクイメージの作成・復元
  • ブート可能なUSBデバイスの作成
  • データの消去・クローニング
  • データのバックアップ・復元

ddコマンドの上級者向けのテクニックを学び、継続的に実践することで、データ管理やシステム管理の効率を向上させましょう。

常に最新の知識や技術を身につけることで、ddコマンドを安全かつ効果的に利用できるようになるのです。

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