【保存版】makeコマンドの基本やその使い方を実コード付きで解説

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(最終更新日:2023年6月)

✔以下の疑問をお持ちの方へ向けた記事です

「makeコマンドは何ができるのだろうか?」
「makeコマンドの基本的な書き方を学びたい」
「makeコマンドの具体的な使用例を見て理解したい」

✔この記事を読むことで得られる知識

  • makeコマンドの基本的な使い方
  • makeコマンドを活用するためのテクニック
  • makeコマンドを用いた具体的な使用例

この記事では、makeコマンドの基本的な使い方から、Makefileの作成方法やパターンルール、自動変数など、より実践的な内容も含めて紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

筆者プロフィール

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【副業】ブログ(月間17万PV)/YouTube/Web・アプリ制作

「プログラミング × ライティング × 営業」の経験を活かし、30後半からのIT系職へシフト。当サイトでは、実際に手を動かせるWebアプリの開発を通じて、プログラミングはもちろん、IT職に必要な情報を提供していきます。

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「make コマンド」の概要

当記事では、「make コマンド」の概要についてお伝えしていきます。

「make コマンド」について知ることで、それが何であるか、主な用途は何であるか、またUnix系システムにおける役割は何であるかを理解できます。

  • 「makeコマンド」とは何か
  • 「makeコマンド」の主な用途
  • Unix系システムにおける役割

「makeコマンド」とは何か

「makeコマンド」は、UNIX系システムにおいてソフトウェアのビルドプロセスを自動化するためのツールです。

「Makefile」と呼ばれるファイルに記述された指示に従って、一連のタスクを実行します。

「make コマンド」は、各ファイルがどのファイルに依存しているかを追跡し、必要なコンパイルとリンクを自動的に実行することができます。

「makeコマンド」の主な用途

「makeコマンド」の主な用途は、ソフトウェアのビルドとテストの自動化です。

なぜ自動化するかと言うと、複数のソースファイルとヘッダーファイルを手作業でコンパイルとリンクするのは非効率的だから。

具体的には以下の手順でおこないます。

  1. Makefileと呼ばれるファイルにビルドスクリプトを記述
  2. コマンドラインからmakeコマンドを実行する
  3. 指定したターゲット(ビルド、テストなど)を実行する

またmakeコマンドは、再ビルドのスキップや並列実行などの機能も提供しており、効率的なソフトウェア開発をサポートします。

Unix系システムにおける役割

Unix系システムでは、「make コマンド」はソフトウェア開発の主要な部分を占めています。

依存関係のある一連のファイルに対して、操作を適用できる能力を持つためです。

以下のタスクを自動化します。

  • ソースコードのコンパイル
  • リンク
  • テスト

開発者はコードの構築とデバッグに集中できるのです。

Makefileとは

「Makefile」について詳しく見ていきましょう。

  • Makefileの概念
  • Makefileの基本的な構成
  • Makefileのプロジェクトへの利用方法

Makefileの概念

Makefileは、一連のビルドルールを定義したテキストファイルです。

テキストとして、どのようにソースコードをビルドして実行可能なプログラムに変換するかを指示します。

各ビルドルールは、以下で構成されます。

  • ターゲット(生成されるべきもの)
  • 依存性(ターゲットを生成するために最初に必要なもの)
  • レシピ(ターゲットを生成するための一連のシェルコマンド)

Makefileの基本的な構成

Makefileは、一連のルールと変数定義で構成されます。

ターゲット:依存性

こちらに続き、実行するコマンドを記述します。

変数では、ファイル名やコンパイラのオプションなど、一般的には複数の場所で再利用される値を保持。

コメントは「#」記号で始まり、コードの理解を助ける役割を果たします。

Makefileのプロジェクトへの利用方法

プロジェクトでは、Makefileはソースコードのビルドとテストの自動化を実現します。

一連の命令をMakefileに記述すれば、開発者は単に「make」を実行するだけで全体のビルドプロセスが実施されるのです。

またMakefileは、依存関係を管理するため、変更されたファイルだけが再コンパイルされ、ビルド時間を大幅に節約できます。

「make コマンド」の基本的な使い方

「make コマンド」の基本的な使い方について見ていきましょう。

その使い方を知れば、簡単なプログラムを、自身で簡単にビルドできます。

  • 「make コマンド」の実行
  • Makefileの書き方
  • コマンドラインからの引数指定
  • Makefileの実例

「makeコマンド」の実行

「makeコマンド」の基本的な使い方は非常にシンプルです。

make

このコマンドだけで、Makefileに記述されたルールに従ってビルドプロセスが開始。

デフォルトでは同じディレクトリ内のMakefileを探します。

Makefileのルールに従って操作を実行するのです。

Makefileの書き方

Makefileの書き方は比較的直感的です。

各ルールの構成は以下の3つ。

  • ターゲット:生成したいファイルの名前
  • 依存性:ファイルを生成する前に更新または存在しなければならない他ファイルのリスト
  • レシピ:ターゲットを生成するために実行しなければならないコマンド

配置としては以下のようになります。

ターゲット: 依存性
    レシピ

コマンドラインからの引数指定

「make」コマンドは引数を受け取れます。

特定のターゲットだけをビルドするか、または特定の変数をオーバーライドが可能です。

Makefile内の「test」ターゲットのみビルドしたいときはこちら。

make test
make CFLAGS=-O2

Makefile内の「CFLAGS」変数が「-O2」に設定され、この設定が全てのレシピで使用されます。

Makefileの実例

「Hello World」と表示する簡単なプログラムをビルドしてみました。

以下の2ファイルを使っておこないます。

  • hello.c:C言語のソースファイル
  • Makefile:ビルド用ファイル
  • ビルド
  • 実行

hello.c:C言語のソースファイル

#include <stdio.h>

int main() {
    printf("Hello World!\n");
    return 0;
}

Makefile:ビルド用ファイル

TARGET = hello
SRC = hello.c

$(TARGET): $(SRC)
	gcc $(SRC) -o $(TARGET)

最終行はタブでインデントをおこなわないとエラーになります。

ビルド

ビルドは以下のコマンドでOKです。

$ make
gcc hello.c -o hello 

最後の行は自動で出力されます。

実行

以下のように実行し、表示されればOKです。

$ ./hello
Hello World!

「make コマンド」が役立つ場面

「make コマンド」が特に役立つ場面についてお伝えします。

「make コマンド」が役立つ場面を知ることで、

  • プロジェクトのビルド・コンパイルにおける役割
  • タスクの自動化と依存関係の解決
  • 複数のファイルやディレクトリの操作

プロジェクトのビルド・コンパイルにおける役割

「makeコマンド」は、大規模なプロジェクトのビルド・コンパイルにおいてとくに役立ちます。

多くのソースファイルとヘッダーファイルが相互に依存している場合、これらの依存関係を手動で管理するのは難しいです。

「makeコマンド」は、Makefileに記述されたルールを使用して、これらの依存関係を自動的に解決してくれます。

タスクの自動化と依存関係の解決

「makeコマンド」は、タスクの自動化においても強力です。

以下のような頻繁に繰り返す作業を自動化することが可能です。

  • テストスクリプトの実行
  • 文書の生成
  • データのバックアップ

タスク間に依存関係がある場合、必要な順序でタスクを実行可能です。。

複数のファイルやディレクトリの操作

「makeコマンド」は、複数のファイルやディレクトリに対する操作を一元化するのに役立ちます。

特に大規模なプロジェクトでは、ファイルのコピー、移動、削除などの操作が頻繁に必要でしょう。

これらの操作はMakefileに記述され、開発者は一連の操作を一括で実行できます。

ミスを防ぎ、作業の効率を向上させることができるのです。

「make コマンド」一覧表

以下は一般的に使用される「make コマンド」の一覧表です。

コマンド名説明
makeメイクファイルに基づいてビルドを実行
make [ターゲット]特定のターゲットのみをビルド
make cleanビルド生成物をクリーンナップ
make installビルド結果をインストール
make uninstallインストールされたものをアンインストール
make testテストを実行
make helpメイクファイルのヘルプを表示

上記の一覧表に示されている「make コマンド」は一般的なものであり、特定のプロジェクトや環境によって異なる場合もあります。

より高度なMakefileの作り方

より高度なMakefileの作り方についてお伝えします。

Makefileを使いこなすことで、さまざまな自動化が実現できるでしょう。

  • 変数の使用とパラメータ化
  • 条件分岐とループの組み込み
  • パターンルールと拡張子の関連付け

変数の使用とパラメータ化

変数の利用は、Makefileの中で値を再利用するのに便利です。

変数を使うことで、値を一か所で定義し、Makefileの他の部分で再利用できます。

また、変数をパラメータとして使用することで、Makefileをさらに柔軟かつ再利用可能にすることができます。

# 変数の定義
CC = gcc
CFLAGS = -Wall -O2

# コンパイルルール
main: main.c
    $(CC) $(CFLAGS) -o main main.c

# クリーンナップルール
clean:
    rm -f main

変数CCにはコンパイラの名前を、変数CFLAGSにはコンパイルオプションを定義しています。

条件分岐とループの組み込み

Makefileでは、条件分岐やループを組み込むことも可能。

特定の条件下でのみ行うべきタスクや、繰り返し行うべきタスクを定義できます。

これらの制御構造は、複雑なビルドプロセスを管理するための強力なツールとなるでしょう。

# 変数の定義
OS = $(shell uname)

# 条件分岐
ifeq ($(OS), Linux)
    CFLAGS = -Wall -O2
else ifeq ($(OS), Darwin)
    CFLAGS = -Werror -O3
else
    $(error Unsupported OS: $(OS))
endif

# ループ
SOURCES = $(wildcard *.c)
OBJECTS = $(patsubst %.c, %.o, $(SOURCES))

# ターゲット
main: $(OBJECTS)
    $(CC) $(CFLAGS) -o main $(OBJECTS)

# クリーンナップルール
clean:
    rm -f main $(OBJECTS)

ifeqとelse ifeqを使用して、$(OS)の値に応じて異なるコンパイルオプションを定義しています。

Linuxの場合は-Wall -O2、Darwin(macOS)の場合は-Werror -O3が設定されるものです。

サポートされていないOSの場合はエラーメッセージが表示されます。

パターンルールと拡張子の関連付け

パターンルールは、一連のターゲットに対して同じレシピを適用するための方法です。

たとえば、すべてのCソースファイル(.c)からオブジェクトファイル(.o)を生成するためのパターンルールを作成できます。

さらに、拡張子の関連付けを使うことで、特定のファイルタイプに対するデフォルトのビルドルールの定義も可能です。

# パターンルール
%.o: %.c
    $(CC) $(CFLAGS) -c $< -o $@

# 拡張子の関連付け
.SUFFIXES: .c .o

.c.o:
    $(CC) $(CFLAGS) -c $< -o $@

よくあるエラーとトラブルシューティング

Makefileを使用する上で遭遇する可能性がある一般的なエラーや問題についてご覧ください。

事前に理解しておけばトラブル回避の確率も高まるでしょう。

  • Makefileのシンタックスエラー
  • ターゲットの依存関係の問題
  • コマンドの実行エラーとデバッグ

Makefileのシンタックスエラー

Makefile:2: *** missing separator.  Stop.

Makefileのシンタックスエラーは、Makefileが正しく解析できない場合に発生。

原因はこちらです。

  • インデントの問題
  • 未定義の変数
  • 不正なコマンド

エラーメッセージを注意深く読むことで、問題の原因を特定し、修正することができます。

ターゲットの依存関係の問題

Makefile:5: *** No rule to make target 'foo.o', needed by 'app'.  Stop.

Makefile:7: *** Circular dependency detected.  Stop.

ターゲットの依存関係エラーは、Makefileの中でターゲットとその依存関係が正しく定義されていない場合に発生。

例えばターゲットが存在しないか、または必要な依存関係が欠けている場合などです。

これらの問題は、Makefileの依存関係を見直し、必要な依存関係が適切に記述されていることを確認することで解決できます。

コマンドの実行エラーとデバッグ

Makefile:6: recipe for target 'build' failed

コマンドの実行エラーは、Makefileのレシピ内のコマンドが失敗した場合に発生。

主に以下のような場面です。

  • コマンドが存在しない
  • 引数が不適切である
  • コマンドが予期しない結果を返した

エラーメッセージを使用して問題を特定し、必要に応じてコマンドを修正または更新することが重要です。

さらにデバッグフラグ(例えば make -d)を使用すれば、詳細なデバッグ情報を取得し、問題解析の助けにナルはずです。。

まとめ

当記事でご提供した情報はこちら。

  • make コマンドとは?
  • Makefileの作成方法
  • その使い方・実例
  • トラブルシューティング

これらの知識は、複雑なプロジェクトのビルドと管理を容易にし、開発作業の効率を大幅に向上させられるでしょう。

さらに深い理解とスキルの習得を目指すなら、Makefileの高度な機能について学び、実際のプロジェクトでの使用例を探してみてください。

オンラインには多くのチュートリアルや資料がありますので、これらを活用し、あなたの知識と技術をさらに磨いていってください。

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