Salesforceの承認プロセスとは?基本から作成方法まで丁寧に解説

※本サイトにはプロモーション・広告が含まれています。

(最終更新月: 2024年2月)

✔以下の疑問をお持ちの方へ向けた記事です

「Salesforceで承認プロセスはどのように機能するのか?」
「承認プロセスを設定する際のステップは何か?」
「承認プロセスを効率的に管理するためのベストプラクティスは?」

✔当記事を読むことで得られる知識

  • Salesforceにおける承認プロセスの基本概念と機能
  • 承認プロセスの設定方法とカスタマイズの手順
  • 承認プロセスの管理と最適化のためのヒントとベストプラクティス

承認プロセスは、特定のビジネスルールに基づいてレコードの承認を要求し、そのプロセスを自動化するために使用されます。

これにより、組織内の決定プロセスを標準化し、効率化することが可能です。

Salesforceを利用する管理者やビジネスプロセスの設計者にとって、承認プロセスを最大限に活用するための重要な情報源となるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

Salesforce

定義や属性などは公式ガイドを必ず参考にしましょう。

当記事では、主にその使い方を具体例とともに解説します。

筆者プロフィール

筆者プロフィールアイコン

【現職】プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーとして、Apex・Visualforceの開発エンジニアとして、以下のようなプロジェクトに従事してきました

  • 新規事業の立ち上げに伴うビジネスプロセス構築とSalesforceのカスタマイズ
  • SFDXを活用した大規模リリース
  • Visualforce等による一般ユーザー向けサイト・アプリケーションの構築

相談・業務の依頼も承ります。ご質問・ご希望をお問い合わせください。

Salesforceにおける承認プロセスの基礎知識

Salesforceの承認プロセスは、組織内の重要な決定を管理するために必要不可欠です。

初心者でも理解しやすいように、承認プロセスの基本概念から各コンポーネントまでを順を追って説明していきます。

  • 承認プロセスとは何か
  • 承認プロセスが必要なシナリオ
  • Salesforce内の承認プロセスのコンポーネント

承認プロセスとは何か

承認プロセスとは、特定のビジネスルールに基づいて、レコードが特定の基準を満たした時に、組織内の一連の承認を必要とするプロセスです。

レコードが最終的な承認を受けるまでの承認フローを定義し、承認または拒否に関する決断を制御するメカニズムを提供します。

以下の画面で設定が可能です。

設定 > プロセスの自動化 > 承認プロセス

これにより、ビジネスプロセスが組織のポリシーやコンプライアンス基準に則って遂行されることを保証します。

承認プロセスが必要なシナリオ

承認プロセスはさまざまなビジネスシナリオで役立ちます。

たとえば以下のようなケース。

  • 予算超過の支出を制御するため、特定の金額を超える購買オーダーに上級管理者の承認が必要
  • 新製品発売前のマーケティング資料がブランドガイドラインに沿っているかの確認が必要

承認プロセスで対象のオブジェクトを選択し、ジャンプスタートウィザード画面で適切なトリガーを設定できます。

誤った情報や意図しないアクションがエスカレートされるのを防ぐのに役立つでしょう。

Salesforce内の承認プロセスのコンポーネント

Salesforceで承認プロセスを構成する際には、いくつかのコンポーネントが関わってきます。

  • 「申請時のアクション」
  • 「承認ステップ」
  • 「最終承認時のアクション」
  • 「最終却下時のアクション」
  • 「取り消しアクション」

組織の要件に応じてこれらのコンポーネントを正確に設定することで、承認プロセスを効果的に管理できます。

Salesforceでの承認プロセスの設計

こちらでは、これらのステップごとに必要なアクションとベストプラクティスについて案内します。

Salesforceで承認プロセスを設計する際には、目的の明確化、適切な承認ルールの設定、そして承認ステップの正確な構築が重要です。

  • 承認プロセスの計画: 目的と要件の定義
  • 承認ルールの設定: 条件と基準
  • 承認ステップの構築: 順序と決定ロジック

承認プロセスの計画: 目的と要件の定義

承認プロセスを計画する最初のステップは、プロセスの目的と要件を定義することです。

結局承認プロセスは、そのプロセスが解決しようとしているビジネス上の問題や目標があります。

達成すべき具体的な結果を設定しましょう。

承認ルールの設定: 条件と基準

承認プロセスの次段階は、承認を開始するための条件と基準を設定することです。

ここで定義するルールや基準が、どのレコードが承認プロセスを経るかを判断します。

たとえば、「金額>¥1,000,000」というルールを設定すれば、¥1,000,000を超える金額の取引のみが承認プロセスに進むように設計できます。

これは、不必要な承認プロセスをスキップすることにより、効率の向上とリソースの節約に貢献します。

承認ステップの構築: 順序と決定ロジック

承認プロセスでは、承認ステップを適切な順序で構築し、各ステップでの決定ロジックを策定することが重要です。

各ステップは、レコードが次のフェーズに移行することができる条件を定義します。

「Step 1: マネージャー承認」として最初の承認者を設定し、Approve or Rejectボタンのロジックに沿ってレコードが次のステップに進むかどうかを決めます。

適切に設計された承認ステップは、プロセス全体の透明性と効率を高めるのに役立ちます。

Salesforceでできる承認プロセスの実装とテスト

設計した承認プロセスをSalesforceに実装し、その動作をテストすることで、プロセスが実際のビジネスシナリオで正確に機能することを保証します。

実装からテストまでのステップを明確にし、プロセスがスムーズに運用できるようにしましょう。

  • 承認プロセスの作成: Salesforceセットアップ
  • ユーザーインターフェイスと通知のカスタマイズ
  • テストとデバッグ: 承認プロセスの検証

承認プロセスの作成: Salesforceセットアップ

Salesforceで新しい承認プロセスを作成するには、以下に進みます。

設定 > プロセスの自動化 > 承認プロセス

ここから「承認プロセスの新規作成」選択し、利用するオブジェクトを指定します。

ウィザードに従ってプロセス名、基準、承認ステップを設定しましょう。

正しく設定されると、このプロセスは指定された条件にマッチするレコードに自動的に適用されるようになります。

ユーザーインターフェイスと通知のカスタマイズ

ユーザーインターフェイスのカスタマイズは、承認プロセスが使いやすく直感的であることを保証するために重要です。

  • ページレイアウトをカスタマイズして、承認者が必要な情報に容易にアクセスできる
  • メールアラートを設定して、必要なステップで関係者に通知

これにより、承認プロセスが迅速かつ効率的に進行するように流れを作ります。

テストとデバッグ: 承認プロセスの検証

承認プロセスを実装した後、それが意図した通りに機能しているかを確認するためにテストが必要です。

テストには以下の方法があります。

  • Sandbox環境でさまざまなシナリオをシミュレート
  • デバッグログを使用して、プロセス内の問題点を特定して修正

これにより、実稼働環境にデプロイする前に、問題やエラーを未然に防げます。

Salesforceでの承認プロセスの運用と管理

プロセスが機能していると確認されたら、運用と継続的な管理が重要です。

適切なトレーニング、監査、およびプロセスの継続的な最適化により、承認プロセスが組織にとって常に価値を提供し続けられます。

  • ユーザートレーニングとサポート
  • 承認プロセスの監視とパフォーマンス評価
  • 承認プロセスの調整と最適化

ユーザートレーニングとサポート

承認プロセスを新たに導入したり変更したりした場合、関連するユーザーに適切なトレーニングをおこなうことが必要です。

トレーニングセッションやドキュメントを提供することで、承認者やリクエスターが新しいプロセスを理解し、効果的に使用できるようになります。

サポートデスクやFAQも用意し、ユーザーが直面するかもしれない問題や疑問に答えられるようにするのもおすすめです。

承認プロセスの監視とパフォーマンス評価

承認プロセスを効果的に管理するには、それがどのように機能しているかを定期的に監視し評価することが重要です。

レポートやダッシュボードを活用し、承認プロセスのパフォーマンスに関するメトリクスを収集します。

これには、平均承認時間や、承認プロセスによる改善の程度などが含まれるでしょう。

これにより、必要に応じてプロセスの改善と効率化が可能となります。

承認プロセスの調整と最適化

承認プロセスは、常に見直して、柔軟に変更を加える必要があります。

その理由は、ビジネスのニーズは常に、変化するから。

  • プロセスに対するフィードバックを評価
  • プロセスの各コンポーネントを定期的に見直す
  • 新しいビジネス要求に合わせて調整

フロービルダなどのツールを使用して、変更を容易に実施できます。

プロセスの持続的な最適化により、組織の効率性を高め、長期的な成功に必要な柔軟性を維持できるのです。

承認プロセスのベストプラクティスと一般的な落とし穴

承認プロセスを成功させるためには、試行錯誤を通じて学んだベストプラクティスを適用し、一般的な落とし穴を避けることが重要です。

以下では、そのような実践的なアドバイスと、避けるべきミスに関する洞察を提供します。

  • 効果的な承認プロセスの設計原則
  • 避けるべき一般的なミスと解決策
  • 進化するビジネスニーズへの適応

効果的な承認プロセスの設計原則

効果的な承認プロセスを設計するためには、明確な目的と透明性を持たせることが必要です。

プロセスを単純明快に保ち、必要なすべてのユーザーがプロセスのどの段階にいるかを把握できるようにします。

また、過度の複雑性は避け、各ステップに必要な最低限の情報のみを要求することで、ユーザーの負担を減らせるのです。

避けるべき一般的なミスと解決策

承認プロセスにおいてよくあるミスは、過度に複雑なルールの作成や、曖昧な承認基準の設定です。

解決策として、シンプルなビジネスルールを設定すること、承認者がプロセスをよりよく理解しやすいように具体的かつ明確なガイドラインを提供することが挙げられます。

不明瞭なステップあるいは不要な待機時間を避けるため、「拒否」時のアクションプランも設けることが重要です。

進化するビジネスニーズへの適応

ビジネスは常に進化しており、承認プロセスもそれに応じて適応させる必要があります。

ビジネス変化に対する迅速な対応を保証するために、定期的にプロセスのレビューをし、実務部門のフィードバックを取り入れることがおすすめ。

また、技術的な進歩を利用して、プロセスの自動化により処理速度を向上させることもひとつの手段です。

まとめ

Salesforceにおける承認プロセスは従業員、管理者、そして企業全体の生産性向上に寄与する重要なツールです。

プロセスを計画し、効率的に設計し、正しく実装してテストすることで、組織のプロセス管理を改善できます。

また、運用のフェーズでは、継続的なトレーニング、監視、最適化が必要です。

きちんと理解することで、効果的に活用することで大きなメリットを享受できるでしょう。


タイトルとURLをコピーしました