(最終更新日:2023年8月)
✔以下のような疑問をお持ちの方へ向けた記事です
「docker commitの機能って具体的に何ができるの?」
「docker commitの正しい使い方やコマンドがわからない」
「docker commitの実行例を見て学びたい」
✔当記事を通して伝えたい内容
- docker commitの基本概念
- docker commitの使用方法や応用テクニック
- docker commitの実行例
当記事では、docker commitの基本的な使い方から、さらに深く理解するためのオプションの使用方法まで、具体的な例を交えながら丁寧に解説しています。
ぜひ最後まで目を通していただき、docker commitの理解を深めてみてください。
Dockerとその必要性
まずは、Dockerについての基本的な説明とその必要性をお伝えします。
Dockerとその必要性について理解することは、DevOpsやモダンな開発環境において重要なスキルセットとなります。
- Dockerについて
- Dockerの必要性
Dockerについて
Dockerは、オープンソースのコンテナ化プラットフォームです。
Dockerを用いることで、開発環境やテスト環境、本番環境を切り替えることなく、同一の動作を保証しながらアプリケーションを実行できます。
コンテナは、軽量で効率的な資源の利用が可能。
大規模なアプリケーションの運用やマイクロサービスのアーキテクチャにおいて、とくに重要な技術となっています。
Dockerの必要性
Dockerが必要とされる理由は、そのポータビリティと効率性。
アプリケーションを完全に独立した環境へコンテナ化し、開発環境と本番環境の間での不整合を防げるからです。
またDockerコンテナは非常に軽量であり、数のコンテナを一台のマシン上で稼働させられます。
違う環境間でアプリケーションの挙動が異なるという「それは私のマシンでは動く」問題を解決できる方法です。
Docker操作の基本
ここでは、Dockerの基本的な概念であるイメージとコンテナを理解するとともに、基本操作を解説します。
Dockerを使いこなすためには、その基本的な操作を理解することが欠かせません。
- Dockerイメージとコンテナを理解する
- Docker基本操作:run, startなど
Dockerイメージとコンテナを理解する
Dockerの世界では、「イメージ」と「コンテナ」が二つの中心的な概念です。
Dockerイメージは、アプリケーションが実行するために必要なすべてのファイルをパッケージ化したもので、これを基にDockerコンテナを作成します。
Dockerコンテナとは、Dockerイメージから起動した実行環境のことを指します。
イメージは静的な存在であり、コンテナは動的な存在と理解するとわかりやすいでしょう。
Docker基本操作:run, startなど
Dockerを操作するためには、いくつかの基本的なコマンドを理解する必要があります。
- docker run:新たなコンテナを作成し、それを起動するためのコマンド
- docker start:既に存在するが停止しているコンテナを起動する
- docker exec:コンテナの中でコマンドを実行する
これらのコマンドを使いこなすことで、Dockerの全ての可能性を引き出せます。
Docker Commitとその作業過程
こちらでは、docker commitについて詳しく見ていきましょう。
特定の状態を保存し、再利用したい場合に使える方法です。
- Docker Commitとは
- Docker Commitの構文と例示
Docker Commitとは
Docker Commitとは、現在動作中のコンテナの状態を新しいイメージとして保存する機能です。
イメージ化することで、開発者がコンテナ内でおこなった変更(ソフトウェアのインストールや設定の変更等)を永続化できます。
一度作成した環境を何度も利用することができ、作業効率が大幅に向上させられるのがメリットです。
Docker Commitの構文と例示
Docker Commitの基本的な構文は次のようになります。
docker commit [OPTIONS] CONTAINER [REPOSITORY[:TAG]]
以下が各パーツの説明です。
- CONTAINER:CommitしたいコンテナのID
- REPOSITORY:新しく作成されるイメージの名前
- TAG:そのバージョンを指定
具体的な使用例を見てみましょう。
まず、ubuntuイメージからコンテナを作成し、その中でファイルを作成します。
docker run -it ubuntu bash
root@1234567890ab:/# touch example.txt
root@1234567890ab:/# exit
上記操作により、example.txtというファイルが作成された状態のコンテナができました。
次に、この状態を新しいイメージとして保存します。
docker commit 1234567890ab my-image:version1
これにより、example.txtが存在する状態のイメージが作成され、それを基に新たなコンテナを作成できます。
起動中コンテナのIDを取得する方法はこちらです。
docker ps
Docker Commitの活用
ここでは、実際にDocker Commitを活用する場面と、その具体的な操作方法をご紹介します。
Docker Commitは、特定の状態を保存し再利用するという点で非常に便利な機能です。
- Docker Commitの実際的な使い方
- Docker Commitの各段階的な例示
Docker Commitの実際的な使い方
Docker Commitの主な用途は、アプリケーションの特定の状態を保存し、それを再利用することです。
開発環境やテスト環境を構築する際、一度設定した環境を保存しておけば、その環境を必要なときにすぐに再現できます。
また一度作成したイメージは、Docker Hubなどのレジストリにアップロードし、ほかの開発者との共有も可能です。
Docker Commitの各段階的な例示
では、Docker Commitの具体的な活用例を見てみましょう。
まず、ubuntuイメージからコンテナを作成し、その中でPythonをインストールします。
docker run -it ubuntu bash
root@1234567890ab:/# apt update
root@1234567890ab:/# apt install -y python3
root@1234567890ab:/# exit
この状態を保存し、新たなイメージとしてCommitしましょう。
docker commit 1234567890ab ubuntu-python:latest
PythonがインストールされたUbuntuの環境をすぐに作り出せます。
新たなコンテナを作成する際には、以下のコマンドを実行してください。
docker run -it ubuntu-python:latest bash
Pythonがすでにインストールされた環境で作業を開始できます。
Docker Commitにおける注意事項
docker commitの注意事項について見ていきましょう。
Docker Commitは便利な機能ですが、適切に使用しないと予期しない問題を引き起こす可能性もあります。
- Docker Commit設定のベストプラクティス
- Commit操作中のエラーハンドリング
Docker Commit設定のベストプラクティス
docker commitの設定におけるベストプラクティスは以下のとおり。
- 複数の変更は可能な限り分ける
- Commitメッセージを記述する
- Dockerfileを使用することを検討する
複数の変更は可能な限り分ける
複数の変更を一度にCommitすると、エラーや問題が発生した際に、その原因を特定しづらくなります。
なぜならdocker commitでは、コンテナ内のすべての変更がイメージに反映されてしまうからです。
変更をひとつずつCommitすることで、そのような問題を避けられるでしょう。
Commitメッセージを記述する
-m
オプションを使用して、Commitメッセージの記述をおすすめします。
あとからそのCommitが何を意味するのかを理解できるからです。
例えば、次のように使用します。
docker commit -m "Installed Python3" 1234567890ab ubuntu-python:latest
Dockerfileを使用することを検討する
Docker Commitは特定の状態を保存するのに便利な機能ですが、一般的に推奨されるのは、Dockerfileを使用して環境をコード化する方法です。
Dockerfileを使用すると、環境構築の過程を明確にし、再現性と移植性を向上させられます。
Commit操作中のエラーハンドリング
Docker Commit操作中にエラーが発生した場合、その原因と対処法を理解することが重要です。
一般的に、以下のようなエラーが発生する可能性があります。
- コンテナIDが存在しない
CommitしようとしたコンテナIDが存在しない場合、Dockerはエラーメッセージを出力します。存在するコンテナIDを指定するか、docker ps -a
コマンドを使用して存在するコンテナのリストを確認します。 - イメージ名またはタグが不適切
イメージ名またはタグに無効な文字が含まれている、または名前が長すぎる場合、Dockerはエラーを出力します。この場合、無効な文字を取り除き、名前を短くすることで解決します。
Docker CommitとDockerfileの用途比較
Dockerの環境を保存し再利用するための2つの主な方法は、Docker CommitとDockerfileです。
これらの違いと、どちらをいつ使うべきかについて詳しく見ていきましょう。
- CommitとDockerfileの違い
- いつ、どのように使用するか
CommitとDockerfileの違い
Docker Commitは、現在のコンテナの状態を新しいイメージとして保存します。
これにより、同じ状態のコンテナを再び作成できるのが特徴です。
一方Dockerfileはテキストファイルで、その中にイメージの作成手順を記述するもの。
Dockerfileからイメージを作成すると、その手順に従った結果の状態のコンテナが作成されます。
いつ、どのように使用するか
一般的に、環境のセットアップには、Dockerfileの使用が推奨されます。
なぜならDockerfileは再現性と可搬性が高く、コードで環境構築の手順を明示的に記述できるからです。
一方Docker Commitは特定の状態を瞬時に保存できるため、デバッグやテストなど一時的な状態を保存するために使えます。
まとめ
Docker Commitは、現在のコンテナの状態を新しいイメージとして保存する機能。
コンテナの一時的な状態を保持したいときやデバッグ時に使える方法です。
ただし再現性や可搬性を考慮すると、環境の設定をコード化するDockerfileがおすすめです。
Commitの際には、イメージ名やタグ名の命名規則に注意して、コミットメッセージを活用し、その変更内容を後で確認しやすくしましょう。
Docker Commitの理解と利用が、あなたのDockerスキルを一段階向上させることを願っています。
Dockerは開発の現場で広く用いられており、その理解は開発者としてのスキルを大いに向上させることでしょう。
この知識を元に、さらなる学習に励んでください。