(最終更新月:2023年5月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「exportコマンドって何ができるの?」
「exportコマンドの使い方が知りたい」
「exportコマンドのいろいろなパターンを実例で見たい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- exportコマンドでできること
- exportコマンドの応用した使い方・書き方
- exportコマンドの実例
当記事では、exportコマンドの基本構文から実用例、関連コマンド、注意点まで網羅的に説明しています。
ぜひ最後までご覧ください。
exportコマンドとは
exportコマンドの基本からお伝えしていきます。
こちらの基本を理解した上で、応用や実例へ進みましょう。
- exportコマンドとは?
- exportコマンドの書き方
- 環境変数の設定と確認方法
- 環境変数の削除方法
exportコマンドとは?
exportコマンドは、Linuxで環境変数を設定、変更、または削除するために使用されるもの。
環境変数は、シェルやプログラムが参照する設定値。
例えば実行可能ファイルの検索パスやデフォルトのエディタなど、システムの動作に影響を与えるものが含まれます。
exportコマンドの書き方
exportコマンドの基本構文は以下の通りです。
export VARIABLE_NAME=VALUE
VARIABLE_NAMEは環境変数名、VALUEは設定したい値を表します。
環境変数の設定と確認方法
環境変数を設定するには、exportコマンドを使用します。
例えば、環境変数「TEST_VARIABLE」に値「hello」を設定するには以下のようにします。
export TEST_VARIABLE=hello
設定した環境変数を確認するには、echoコマンドと環境変数名を組み合わせます。
例えば、「TEST_VARIABLE」の値を確認するには以下のようにします。
echo $TEST_VARIABLE
環境変数の削除方法
環境変数を削除するには、unsetコマンドを使用します。
例えば、環境変数「TEST_VARIABLE」を削除するには以下のようにします。
unset TEST_VARIABLE
exportコマンドのオプション一覧
exportコマンドのオプションは少ないですが、以下のとおり。
オプション | 説明 |
---|---|
-p | エクスポートされた環境変数の一覧を表示します。 |
-h | 環境変数一覧を表示 |
exportコマンドの実用例
exportコマンドの実践例をご覧ください。
使用例を見ることで、イメージがわきやすいです。
- PATH変数への追加
- プログラムの実行時に環境変数を設定する方法
- 複数の環境変数を一度に設定する方法
- 実践的な開発シーンでの例
PATH変数への追加
PATH変数は、実行可能ファイルの検索パスを設定する環境変数です。
新しくインストールしたプログラムの実行ファイルを追加するには、以下のようにexportコマンドを使用します。
export PATH=$PATH:/path/to/new/program
プログラムの実行時に環境変数を設定する方法
プログラムを実行する際に、一時的に環境変数を設定できます。
例えば、以下のコマンドでは、環境変数「DEBUG_MODE」を設定して、my_programを実行します。
DEBUG_MODE=1 ./my_program
複数の環境変数を一度に設定する方法
複数の環境変数を一度に設定するには、exportコマンドに続けて環境変数名と値を指定します。
例えば、以下のように2つの環境変数を設定できます。
export VAR1=value1 VAR2=value2
実践的な開発シーンでの例
開発環境において、データベースの接続情報やAPIキーなど、機密性の高い情報を環境変数として設定することがあります。
これにより、機密情報がコードに直接記載されることを避けることができます。
よくある質問 (Q&A)
こちらはexportコマンドにおけるQ&Aです。
ほかの人が抱えている疑問を事前に知っておけば、トラブル回避につなげられます。
- exportコマンドに関する一般的な質問
- 環境変数に関する一般的な質問
exportコマンドに関する一般的な質問
Q: exportコマンドで設定した環境変数はどの程度の範囲で有効ですか?
A: exportコマンドで設定した環境変数は、現在のシェルセッションと、その子プロセスに対して有効です。
環境変数に関する一般的な質問
Q: 環境変数の設定を永続化する方法はありますか?
A: 環境変数を永続化するには、シェルの設定ファイル(例:.bashrcや.zshrc)にexportコマンドを追加します。
設定ファイルに追加した環境変数は、新しいシェルセッションが開始されるたびに読み込まれ、永続化されます。
関連コマンドやツールの紹介
eportコマンドに関連するコマンドをご紹介します。
余力があれば、ほかのコマンドについても理解しておきましょう。
- envコマンド
- setコマンド
- unsetコマンド
envコマンド
envコマンドは、環境変数の一覧を表示したり、環境変数を設定した上でコマンドを実行するために使用されます。
例えば、次のコマンドでは、DEBUG_MODEを設定してmy_programを実行します。
env DEBUG_MODE=1 ./my_program
setコマンド
setコマンドは、シェル変数と環境変数の両方を一覧表示するコマンドです。
ただし、exportコマンドと異なり、setコマンドで設定した変数は環境変数として子プロセスに引き継がれません。
unsetコマンド
unsetコマンドは、環境変数やシェル変数を削除するためのコマンドです。
exportコマンドで設定された環境変数を削除する場合にも使用できます。
exportコマンドの注意点
exportコマンドを使用する際に注意すべきことお伝えします。
以下の3つです。
- シェルの種類と環境変数
- セッションと環境変数の永続化
- 環境変数名の命名規則
シェルの種類と環境変数
環境変数の設定方法は、使用しているシェルによって異なる場合があります。
bashやzshではexportコマンドが使用できますが、cshやtcshではsetenvコマンドを使用する必要があります。
セッションと環境変数の永続化
exportコマンドで設定した環境変数は、現在のシェルセッション内でのみ有効です。
永続化するには、シェルの設定ファイルに記述しましょう。
環境変数名の命名規則
環境変数名は、アルファベット、数字、アンダースコア(_)を使用できますが、先頭文字に数字は使用できません。
また、環境変数名は大文字で表記することが慣習とされています。
他OSとの比較
Linux以外のOSを見ていきましょう。
OSにより扱い方が異なります。
- Windowsの環境変数
- macOSの環境変数
Windowsの環境変数
Windowsでは、環境変数を設定するために「システムのプロパティ」ウィンドウを使用します。
コマンドラインで環境変数を設定する場合は、「setx」コマンド(永続的な設定)や「set」コマンド(一時的な設定)を使用します。
PowerShellでは`$env:`プレフィックスを使って環境変数を操作できます。
macOSの環境変数
macOSでも、Linuxと同様にexportコマンドを使って環境変数を設定できます。
macOSのデフォルトシェルはzshですが、bashや他のシェルも利用可能です。
チュートリアルと実践練習
exportコマンドの操作を確認するために、練習問題などを用意しました。
簡単ではありますが、上から順番にやってみてください。
- exportコマンドの基本操作チュートリアル
- 実践的な練習問題
exportコマンドの基本操作チュートリアル
1. ターミナルを開きます。
2. 環境変数「TEST_VARIABLE」に値「hello」を設定します。
export TEST_VARIABLE=hello
3. 設定した環境変数を確認します。
echo $TEST_VARIABLE
実践的な練習問題
以下が練習問題です。
わからない場合は、もう一度当記事を読んでみましょう。
練習問題
1. 環境変数「API_KEY」に任意の値を設定してみましょう。
2. 設定した環境変数「API_KEY」を削除してみましょう。
3. 複数の環境変数(例:VAR1、VAR2、VAR3)を一度に設定してみましょう。
まとめ
当記事では、Linuxのexportコマンドについて、基本概念から実用例まで解説しました。
環境変数の操作は、システム設定やアプリケーションの動作制御に欠かせないスキルです。
当記事を参考に、exportコマンドを使いこなして効率的な開発をおこないましょう。