(最終更新月:2023年3月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「ディスクの容量を確認したい」
「df コマンドとは何か?」
「df コマンドの使い方について知りたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- dfコマンドとは何か
- dfコマンドの使い方
- dfコマンドで表示される情報の意味
当記事では、dfコマンドの基本についてはもちろん、初心者にもわかりやすくファイルシステムを細かく理解するためのオプションついても詳しく解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
dfコマンドで知っておくべきこと
dfコマンドで知っておくべきことについて解説していきます。
dfコマンドは、ディスク使用状況を確認するための重要なコマンドであるため、知っておくべきことを解説することが必要である。
- dfコマンドとは?
- Linuxにおけるファイルシステムとは?
- dfコマンドの基本的な書き方
- dfコマンドを使うべき場面とは?
- dfコマンドでディレクトリごと容量を確認する方法
- dfコマンドでファイルシステムのディスク詳細を表示する方法
- dfコマンドでマウントされているファイル種類を調べる方法
dfコマンドとは?
dfコマンドは、ディスク使用量を確認できるコマンド。
dfは「disk free(ディスクフリー)」の略称で、ファイルシステムの使用状況を表示します。
またオプションを使えば、各ファイルシステムの使用状況を表示するだけでなく、どのような情報を表示するかも指定可能です。
Linuxにおけるファイルシステムとは?
Linuxのファイルシステムとは、データを保存するための方法を定義する仕組みです。
主なファイルシステムは以下のとおり。
- ext4:高速で信頼性が高く、大容量のデータを扱える
- XFS: 大容量のファイルを扱える
- Btrfs: ファイルシステムのスナップショットをサポート
- ZFS: データの圧縮や暗号化、スナップショットなどの高度な機能を備えている
dfコマンドの基本的な書き方
dfコマンドの基本的な書き方は以下のとおり。
df [オプション]
オプションを使えば表示方法を変えられます。
- df -h:ディスク使用量を人間が読みやすい形式で表示
- df -i:inodeの使用量を確認
dfコマンドは、ディスクの使用量を確認するために必要な基本的なコマンドです。
dfコマンドを使うべき場面とは?
dfコマンドが使えるのは以下のような場面です。
- 容量が不足していて、どのファイルやディレクトリの占有率が高いかを見たい
- 容量を増やす計画を立てるために現状を把握したい
例えばWebサーバーなどでは容量不足により、サイトが正常に表示されなくなることがあります。
dfコマンドで定期的にディスクの使用状況を確認すれば、問題を事前に察知・対処できるのです。
dfコマンドでディレクトリごと容量を確認する方法
以下コマンドを入力することで、ディレクトリごとの容量を確認することができます。
df -h
-hオプションを使用することで、人間が読みやすい形式で表示できるのです。
dfコマンドでファイルシステムのディスク詳細を表示する方法
dfコマンドでファイルシステムのディスク詳細を表示したい場合も以下のコマンドで表示できます。
$df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
udev 3.8G 0 3.8G 0% /dev
tmpfs 785M 2.3M 782M 1% /run
/dev/sda2 457G 124G 311G 29% /
tmpfs 3.9G 284M 3.6G 8% /dev/shm
tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock
tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /sys/fs/cgroup
...続く
hオプションにより、わかりやすい表示となるのです。
dfコマンドでマウントされているファイル種類を調べる方法
dfコマンドのTオプションでマウントされているファイル種類を調べられます。
$ df -T
Filesystem Type 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev devtmpfs 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs tmpfs 802828 2328 800500 1% /run
/dev/sda2 ext4 479079112 129103752 325565968 29% /
tmpfs tmpfs 4014128 284192 3729936 8% /dev/shm
tmpfs tmpfs 5120 4 5116 1% /run/lock
tmpfs tmpfs 4014128 0 4014128 0% /sys/fs/cgroup
Tオプションで表示したときの「Type」の箇所がファイル種類です。
dfコマンドのオプション一覧を徹底解説
dfコマンドのオプション一覧を徹底解説について解説していきます。
オプションを理解すれば、より高度な表示方法により必要な情報を取得しやすくなります。
- 全てのファイルシステムを表示: -a, –all
- ブロックサイズを指定:-B, –block-size=SIZE
- 人間が読みやすい形式で表示:-h, –human-readable
- 1000を基準とした単位で表示:-H, –si
- inode情報を表示:-i, –inodes
- キロバイト単位で表示:-k
- ローカルファイルシステムのみ表示:-l, –local:
- POSIXに準拠した出力形式で表示:-P, –portability
- 指定したファイルシステムのみ表示:-t, –type=TYPE
- ファイルシステムの種類を表示:-T, –print-type
- 指定したファイルシステムを除外して表示: -x, –exclude-type=TYPE
- 同期モードで表示:–sync
- 合計値を表示:–total
全てのファイルシステムを表示: -a, –all
dfコマンドの-aオプションは、全てのファイルシステムを表示するためのオプション。
隠しファイルシステムも含めて、全てのファイルシステムの情報を確認できるのです。
例えば以下は、-aオプションにより、表示できるファイルシステムです。
- sysfs
- proc
- devpts
- securityfs
-aオプション無しでは、表示できないファイルシステムもあることを覚えておきましょう。
ブロックサイズを指定:-B, –block-size=SIZE
dfコマンドの-Bオプションは、ブロックサイズを指定するためのオプションです。
例えば、-B 2048と指定すると、dfコマンドが表示する使用状況のブロックサイズが2KBになります。
$ df -B 2048
Filesystem 2K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 1985774 0 1985774 0% /dev
tmpfs 401414 1168 400246 1% /run
/dev/sda2 239539556 64553414 162781446 29% /
tmpfs 2007064 136350 1870714 7% /dev/shm
tmpfs 2560 2 2558 1% /run/lock
tmpfs 2007064 0 2007064 0% /sys/fs/cgroup
デフォルトでは、dfコマンドは1024バイトのブロックサイズを使用します。
人間が読みやすい形式で表示:-h, –human-readable
dfコマンドの-hオプションを使うと、ディスク使用量を人間が読みやすい形式で表示できます。
以下がその違いです。
dfコマンド
df
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs 802828 2336 800492 1% /run
df -h コマンド
df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
udev 3.8G 0 3.8G 0% /dev
tmpfs 785M 2.3M 782M 1% /run
サイズ表記などがわかりやすくなっています。
1000を基準とした単位で表示:-H, –si
-Hオプションを使うと、1024ではなく、1000を基準とした単位で表示します。
$ df -H
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
udev 4.1G 0 4.1G 0% /dev
tmpfs 823M 2.4M 820M 1% /run
inode情報を表示:-i, –inodes
-iオプションとは、inode情報を表示するためのもの。
inodeとは、以下のようなメタデータを格納するために使用されています。
- ファイルの所有者
- パーミッション
- タイムスタンプ
- ファイルサイズ
- ファイルのブロックアドレス
$ df -i
Filesystem Inodes IUsed IFree IUse% Mounted on
udev 992887 725 992162 1% /dev
tmpfs 1003532 1458 1002074 1% /run
/dev/sda2 30498816 1459715 29039101 5% /
キロバイト単位で表示:-k
-kオプションでは、キロバイト単位で表示できます。
$ df -k
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs 802828 2336 800492 1% /run
ローカルファイルシステムのみ表示:-l, –local:
-lオプションは、ローカルファイルシステムのみ表示するためのもの。
$ df -l
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs 802828 2336 800492 1% /run
一般のPC内で使うには、出力内容はdfコマンドとほぼ変わりません。
POSIXに準拠した出力形式で表示:-P, –portability
-Pオプションは、POSIXに準拠した出力形式で表示します。
$ df -P
Filesystem 1024-blocks Used Available Capacity Mounted on
udev 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs 802828 2336 800492 1% /run
POSIXとは、Portable Operating System Interfaceの略語で、UNIX系オペレーティングシステムの標準化を目的とした規格のこと。
指定したファイルシステムのみ表示:-t, –type=TYPE
dfコマンドの-tオプションは、指定したファイルシステムのディスク容量を表示できるもの。
-tオプションを使用してext4ファイルシステムの使用中ディスク容量を表示する方法はこちらです。
$ df -t ext4
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda2 479079112 129118328 325551392 29% /
このコマンドにより、ext4ファイルシステムの使用中ディスク容量が表示されるのです。
ファイルシステムの種類を表示:-T, –print-type
dfコマンドの-Tオプションは、指定したファイルのディスク使用量など詳細を表示するものです。
df -T [詳細を表示したいファイル名]
例としては以下のとおり。
$ df -T /dev/sda2
Filesystem Type 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda2 ext4 479079112 129118448 325551272 29% /
指定したファイルシステムを除外して表示: -x, –exclude-type=TYPE
dfコマンドの-xオプションは、指定したファイルシステムを除外して表示します。
df -x ext4
ext4以外のファイルシステムが一覧で表示されます。
同期モードで表示:–sync
–syncオプションは、dfコマンドを同期モードで表示できるオプションです。
同期モードとは、ファイルシステムが正しく同期されていることを確認するためのものです。同期モードであれば、書き込みが完了するまで待機されます。
合計値を表示:–total
dfコマンドの–totalオプションを使えば、ディスク使用量の合計を表示できます。
ディスク内で複数のパーティションを使用している場合、それぞれの使用量に加えて、全体の使用量が表示できるのです。
df --total
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
udev 3971548 0 3971548 0% /dev
tmpfs 802828 2336 800492 1% /run
(中間省略)
total 3427489332 1508767380 1894312560 45% -
まとめ:dfコマンドを使えばディスク使用状況を把握できる
当記事の内容をまとめます。
- dfコマンドとは、ディスクの使用状況を把握するためのもの
- dfコマンドの使い方は、ターミナルでdfから始めればOK
- dfコマンドのオプションを使いこなせばさらに詳細も知れる
dfコマンドは、ディスクの使用状況が一覧で取得できるコマンド。
使い方は簡単で、ターミナルでコマンドを打ち込むだけです。
オプションも理解すれば、余計な状況を非表示にし、必要なものだけ得られます。