(最終更新月: 2025年07月15日)
✓当記事はこんな方におすすめです
「routeコマンドでできることを知りたい」
「routeコマンドの使い方のイメージが持てない」
「実際のコマンド例や注意点まで幅広く学びたい」
✓当記事で理解できること
- routeコマンドの基礎知識と用途
- routeコマンドの表示内容と見方
- 主なオプションや実践例、トラブル回避のコツ
この記事では、routeコマンドの基本構成や用途から、筆者が初心者時代に直面した「なぜうまくいかない?」といった疑問、使いこなす上で押さえたい便利オプションの具体例まで、実体験に基づくノウハウを交えて詳しく説明します。
コマンド初心者やITインフラを始めたての方でも、これを読めばrouteコマンドの本質や使いどころが「バッチリ!」分かるはずです。
それでは、一緒に見ていきましょう。
routeコマンドとは?基礎から丁寧に解説
このセクションでは、routeコマンドとは何か、どんな構成で動作するか、その際の注意点は何かまでをまとめて解説します。
なぜなら、ネットワークのルート設定は一見難しそうですが、基本を押さえれば「なるほど!」と理解でき、現場のトラブルにも強くなれるからです。
- routeコマンドは何をする?
- 基本構成と主な使い方
- 使う上で気を付けること
routeコマンドは何をする?
routeコマンドは、LinuxやUNIX系OSでネットワークの「経路情報=ルーティングテーブル」を表示・編集するためのツールです。
目的のネットワークへの通信が「どの経路・ゲートウェイ」を通るのか、OSに伝える役目を持っています。
たとえば家庭のWi-Fiと有線LANが同時につながっている際、「ネット通信はどちらを優先するか」を決められるイメージです。
実際の現場では、VPNやDockerコンテナなど複数のネットワークを使うとき、自分の意図通りに通信させるために必須の知識となります。
基本構成と主な使い方
routeコマンドの基本構文は下記のようになります。
route [add|del|change|append|replace|monitor] [宛先ネットワーク] [オプション]
例えば新しいネットワーク経路を追加したい時は、
route add -net 192.168.100.0/24 gw 192.168.11.1
という形で使います。
それぞれのサブコマンドは以下の通り。
- add:ルートを追加
- del:既存のルートを削除
- change:経路情報の更新
- monitor:ルートの変化を監視
もし「インターフェースやIPの表記にはどんな決まりがある?」と悩んだら、ifconfigコマンドの基礎 も参考にしてみてください。
使う上で気を付けること
routeコマンドを使う際のポイントは「IPアドレスやネットマスクの表記ミス」「ルートの順序・優先度」など細かな設定が、通信トラブルの原因になりやすいことです。
筆者の失敗談ですが、ゲートウェイの指定を誤って、社内の一部端末だけインターネットが繋がらなくなったこともあります。
対策として、まずは変更前に「routeコマンド単独」で現在の経路を確認してから編集すると安全です。
またUbuntuでは近年「route」コマンドよりも新しい ipコマンド が主流になっていますが、古いサーバーや教材でrouteが出てきた時にも本知識は役立ちます。
routeコマンドの出力例と各項目の読み方を解説
このセクションでは、routeコマンドの実際の出力(ルーティングテーブル)と、その各列の意味・ポイントについて解説します。
なぜなら、routeコマンドの出力をパッと見て「今ネットワークがどうなっているか」読み取れると、実運用やトラブル対応に格段に強くなるからです。
- routeコマンドの出力サンプル
- 各項目の意味とポイント
- 読めるようになるとどんな場面で役立つ?
routeコマンドの出力サンプル
実際に「route」コマンドを入力すると、下記のようなテーブルが表示されます。
$ route
カーネルIP経路テーブル
受信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ Metric Ref 使用数 インタフェース
default 192.168.11.1 0.0.0.0 UG 100 0 0 eth0
192.168.11.0 0.0.0.0 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0
この表示を「なんとなく見る」のではなく、「どこからどこへの通信が、どの経路を使うか」瞬時に判断できるとベストです。
各項目の意味とポイント
テーブルの主な列の意味は「どのネットワークが、どのゲートウェイを通って、どのようなインタフェースで扱われているか」を示しています。
- Destination:通信先(ネットワークやアドレス)
- Gateway:ゲートウェイ(通常デフォルト経路の場合はルータのIP)
- Genmask:ネットマスク(アドレス範囲を決める)
- Flags:UGなど属性情報(Uは有効、Gはゲートウェイ経由)
- Metric:優先度を決める数字
- Iface:利用されるネットワークインターフェース(例 eth0)
「default」の行がある=ここがインターネットへの標準出入口、と覚えておくとわかりやすいです。
読めるようになるとどんな場面で役立つ?
routeコマンドの出力が読めることは、ネットワークトラブル時の「現状把握」や、複数NIC・VPN環境など複雑な状況下で真価を発揮します。
たとえば「通信できない」時に、経路が意図と違う(別のインターフェースを通っていた、ゲートウェイの設定ミスなど)ことを即座に発見できます。
またDockerや仮想環境で意図しないネットワーク接続となった際の「見える化」にも役立ちます。
IPアドレスの操作に不慣れな場合は、UbuntuでIPアドレスを調べる方法 の記事も合わせてどうぞ。
routeコマンドの主要オプションと実例をマスターしよう
ここではrouteコマンドでよく使うオプションや実践例をまとめて紹介します。
なぜなら、オプションを知っているだけで「情報が見やすい→トラブル時の解決や経路検証が爆速で進む」からです。
- IPアドレスを数値で表示する(-n)
- 詳細な出力を表示(-v)
- IPv6等のアドレスファミリ指定(-A)
- マルチパスルーティング(-M)の使いどころ
IPアドレスを数値で表示する(-n)
「-n」オプションを付けると「DNS解決せずIPアドレスをそのまま数値で表示」できます。
大規模ネットワークや、ホスト名変換が遅いor失敗するときにも一発で読めて極めて便利です。
$ route -n
この表示では「default」などが全てIPアドレスで把握可能となり、誤解や名前解決の遅延がなくなります。
詳細な出力を表示(-v)
-vを付けると、routeコマンドの出力が詳細化されます。
例えばトラブル調査時に「この経路はなぜこの属性なのか?」など深堀したくなる場面で有効です。
$ route -v
直感的なエラー原因の調査や、変更作業前後の比較検証にも役立ちます。
IPv6等のアドレスファミリ指定(-A)
「-A」オプションでIPv4/IPv6などのアドレスファミリを明示できます。
IPv6対応が必須な環境や、サーバーマイグレーション時の検証(旧サーバはv4固定だったが新環境はv6混在、など)で確実な制御が可能です。
$ route -A inet6
経路表示・編集時どちらにも使える上級者向け機能ですが、ネットワーク基礎力が高まると「チームで一歩先をいく」便利さを実感できます。
マルチパスルーティング(-M)の使いどころ
「-M」オプションは1つの宛先に対し複数経路(インタフェース)を用意できる“マルチパス”設定です。
負荷分散や冗長化ネットワークといった上級ネットワーク設計時に使われます。
通常は一つのNICしか使わない場合が多いですが、例えば複数回線で高速・安定・冗長な通信を確保したいとき、この技術が活躍します。
こうした使い分けは、AWSやクラウドVPSのサービス設定、企業内ネットワークインフラ設計でも必須となってきています。
まとめ
routeコマンドの基礎やオプション、出力の読み解き方まで、現場感のある視点から解説してきました。
- routeコマンドはネットワーク経路の表示・編集に不可欠なツール
- コマンドの出力やオプションの意味が瞬時に分かることで、トラブル解決や複雑なネットワーク設計にも対応できる
- 基本を押さえておくことで、より実践的なコマンド活用力が身に付く
Networkトラブルやサーバー設計、またクラウドインフラなどに携わるなら、本記事で紹介した「routeコマンドの基礎」を体験しながら、学びを深めてみてください。
ほかにもネットワーク管理コマンドやトラブルシューティングのテクニックを知りたい方は、IPコマンドの基本から応用した使い方や、ifconfigコマンドなどの記事もぜひご覧ください。
より実践的に学ぶなら、安定したVPSや高品質なクラウド環境で自分時間にじっくりコマンド練習をしてみるのもおすすめです。例えば、DigitalOcean などは初心者〜中級者の開発・学習用途にも最適です。
ぜひ、ネットワークコマンドの達人を目指して一歩ずつ学んでみてください!