(最終更新月: 2025年7月15日)
✓当記事はこんな方におすすめです
「Ubuntuのバージョン確認方法を知りたい」
「コマンドやGUIでの確認手順を実例付きで理解したい」
「LTSなどバージョンによる違いやサポート期間も把握したい」
✓当記事で理解できること
- Ubuntuバージョン確認の基本と最新のベストプラクティス
- コマンドライン/GUIを用いた具体的なバージョン確認手順
- リリース体系・サポート期間の仕組みと活用アドバイス
当記事では、未経験や初学者でも分かりやすいよう、Ubuntuのバージョン確認の最新テクニックとシステム管理に不可欠な背景知識まで徹底的に解説します。
この記事を最後まで読めば、どんなUbuntu環境でも迷わずバージョンを特定でき、システム運用やトラブル対応まで一歩進んだITスキルが身につくはずです。
それでは、一緒に見ていきましょう。
Ubuntuバージョン確認の基礎知識
このセクションでは、Ubuntuバージョン確認の重要性やリリース体系など、知っておくべき全体像を分かりやすく解説します。
なぜなら、「自分のUbuntuがどのバージョンか」を理解することは、システム運用やトラブル対応の第一歩だからです。
- Ubuntuとは?バージョン番号の持つ意味
- LTS/通常リリースの違い
- バージョン管理とサポート期間の基本
Ubuntuとは?バージョン番号の持つ意味
Ubuntuとは、世界で最も広く使われているオープンソースLinuxディストリビューションの一つです。
特徴は、扱いやすいインターフェイスと企業向けも視野に入れた安定性、そして2年ごとのLTS(長期サポート)リリースなどの明快なリリース体系です。
Ubuntuのバージョン番号は”24.04″(2024年4月リリースの意味)のように、「年.月」で表され、これによってリリース時期と世代が一目で分かる仕組みとなっています。
バージョン番号を知ることは、ソフトウェア互換性やセキュリティ、安全なシステム運用の基礎となります。
LTS/通常リリースの違い
Ubuntuバージョンには、「LTS(Long Term Support)」と「通常リリース」の2種類があり、この違いを知ることが重要です。
LTSは企業やサーバー利用など安定運用を求める場合の標準選択肢で、5年(Pro利用なら最長10年)の長期サポートが提供されます。
一方で、通常リリース(例:24.10など)は最新機能をいち早く試したい方向けで、サポート期間は9ヶ月と短くなっています。
自分の目的や活用シーンに合わせ、どちらのリリースを選ぶべきかを意識して選択しましょう。
バージョン管理とサポート期間の基本
バージョンごとに「標準サポート」「拡張サポート(ESM)」「終了(EOL)」の日付が定められている点も、システム運用では絶対に外せません。
例えば、24.04 LTSは2029年6月まで標準サポート、2034年4月まで延長サポートが提供されます。
この期間を過ぎたバージョンの利用は、深刻な脆弱性リスクが付きまとうため、必ず公式のサポートページやUbuntu公式リリースサイクルで最新情報を確認しましょう。
詳細は当サイトのUbuntuアップデート方法と注意点の記事でも詳しくまとめています。
Ubuntuバージョンの調べ方【GUI・画面操作編】
このセクションでは、初心者でも安心して実践できる「画面操作(GUI)」によるバージョン確認方法を詳しくご案内します。
なぜなら、多くのUbuntu Desktopユーザーにとって、コマンドの知識がなくてもシステム情報を素早くチェックできる点は大きな安心材料だからです。
- GUIでのバージョン確認ステップ
- 「このシステムについて」パネルを活用するコツ
- 表示される情報の意味と注意点
GUIでのバージョン確認ステップ
Ubuntuデスクトップ(GNOME標準)の場合、画面操作だけで簡単にバージョン情報を見つけられます。
まず、画面左下のグリッドアイコンや左上「アクティビティ」からアプリ一覧を開き、「設定」アプリ(歯車アイコン)を選んでください。
設定ウィンドウが表示されたら、左側メニューから「このシステムについて(About)」をクリックします。
ここに「OS名: Ubuntu 24.04 LTS」といった表記があれば、それが現在稼働しているバージョンです。
「このシステムについて」パネルを活用するコツ
この画面では、バージョン以外にもアーキテクチャ(例: 64ビット)やメモリ、CPUなど、システム全体の概要も一覧できます。
特に初めてのトラブル相談時やサポート要請時、「この画面の内容を丸ごと伝える」だけで、相手も状況を正確に把握しやすくなるのがメリットです。
また、GUI表示は内部的に/etc/os-releaseファイルの情報を参照しているため、コマンド派ユーザーと同じ情報基盤を共有できています。
日常のトラブル対応やソフト導入の際、まずこのパネルを確認してみましょう。
表示される情報の意味と注意点
「OS名」に注目すればバージョンとLTSかどうかが即座に分かり、その他のハードウェア情報は用途やトラブル診断時に活きてきます。
ただし、まれにGUI表示が更新されていない場合もあるため「アップデート直後」はコマンドの併用確認もおすすめします。
なお、日本語表記で「このシステムについて」、英語環境では「About」と表示される点も混乱防止のため知っておくと役立ちます。
より詳しいUbuntuデスクトップの使い方は、Ubuntu Serverとの違いまとめもご参照ください。
Ubuntuバージョンの調べ方【コマンドライン編】
このセクションでは、サーバーやリモート管理現場で必須となる「コマンドライン(CLI)」による複数のバージョン確認手法を丁寧に解説します。
なぜなら、GUIが使えない場面や自動化対応には、正確かつ再現性の高いCLI利用が必須となるためです。
- lsb_releaseコマンドの詳細
- cat /etc/os-releaseでの確認
- hostnamectl, /etc/issue他の便利ワザ
lsb_releaseコマンドの詳細
Ubuntuのディストリビューション情報を表示する代表的コマンドがlsb_release -aです。
このコマンドは標準でインストールされていますが、最小構成やカスタムサーバーではlsb-releaseパッケージを事前に
sudo apt update && sudo apt install lsb-release
で導入する必要があります。
実例:
$ lsb_release -a
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 24.04 LTS
Release: 24.04
Codename: noble
特定の項目だけを抜き出したい場合、”-d”(説明のみ)や”-r”(リリース番号のみ)オプションも活用できます。
cat /etc/os-releaseでの確認
現代的で最も確実なバージョン確認法が、cat /etc/os-releaseによるファイル内容の直接確認です。
このテキストファイルには、PRETTY_NAME、VERSION_ID、ID_LIKEなど詳細なOS識別情報が整然と記載されています。
$ cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Ubuntu 24.04 LTS"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="24.04"
VERSION="24.04 LTS (Noble Numbat)"
VERSION_CODENAME=noble
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
...(以下省略)...
この手法は最小限の依存性で機械処理にも適しており、バージョン確認の事実上の標準です。
hostnamectl, /etc/issue他の便利ワザ
より手軽な確認にはhostnamectlも便利です。コマンド1つでOSバージョン・カーネル情報・アーキテクチャなどシステムの全体像が得られます。
$ hostnamectl
Operating System: Ubuntu 24.04 LTS
Kernel: Linux 6.8.x
Architecture: x86-64
さらにcat /etc/issueは、出力がシンプルかつ素早く確認できる点で役立ちますが、/etc/issueの内容は管理者が変更している場合もあるため信頼度はやや低い点に注意しましょう。
トラブル時やコマンド操作をさらに身につけたい方はLinux主要コマンドまとめ(基礎編)もチェックしてください。
トラブルシューティングとバージョンに関するQ&A
このセクションでは、Ubuntuのバージョン管理にまつわる現場での疑問・ありがちなトラブルの対処法をまとめます。
なぜなら、単なる確認手順だけでなく「動かない時」にこそ知っておくべき知識が、多くの場面で役立つからです。
- lsb_release: command not found時の対応
- アップグレード後の情報反映トラブル
- バージョン番号とカーネル番号の違い
lsb_release: command not found時の対応
サーバーや軽量インストール環境ではlsb_releaseコマンドが使えない場合もあります。
その時は「sudo apt update && sudo apt install lsb-release」を実行して、パッケージを手動インストールしてください。
サポートの現場でも、まずlsb_release実行でエラーとなった場合にこのインストール作業を習慣化すると安心です。
どうしてもパッケージ導入が難しければ、/etc/os-releaseファイルの直接参照も試してみましょう。
アップグレード後の情報反映トラブル
Ubuntuのアップグレード直後に表示バージョンが古いままになる・情報が不整合になる…このようなケースも度々発生します。
その場合sudo apt update && sudo apt full-upgradeを実行し、全パッケージのアップグレード完了を確認しましょう。
さらにシステム再起動も必ず行い、それでもおかしい場合はbase-filesの再インストールなど高度な対応が必要です。
詳細なUbuntuアップデート手順や注意はアップデート方法の記事で解説しています。
バージョン番号とカーネル番号の違い
バージョン確認で混乱しやすい「Ubuntuバージョン」と「Linuxカーネルバージョン」の違いについても整理しましょう。
Ubuntuバージョン(例: 24.04)はシステム全体の世代やサポート日数を示し、lsb_releaseや/etc/os-releaseで確認します。
これに対してカーネルバージョン(例: 6.8.x)は「uname -r」コマンドで個別に調べられ、ハードウェア認識やドライバ課題のトラブル時に使います。
特定のソフト導入やトラブル相談では、両者の情報が必要となる場合もあるので要注意です。
まとめ
Ubuntuのバージョン確認は、GUI(”このシステムについて”)、コマンド(lsb_release, cat /etc/os-release, hostnamectl等)を状況に応じて使い分けることがベストプラクティスです。
サポート期間や種類(LTS/通常リリース)も必ず意識し、必要に応じてアップグレード計画を立てましょう。
トラブル時の基本的な確認フローやコマンド復旧策も押さえ、自信を持ってUbuntuを使いこなしてください。
さらに「Linuxの基礎コマンドを学びたい方」は当サイトのコマンドまとめやアップデート解説記事もあわせてご活用ください。
もし自分専用のクラウドサーバー環境を使ってUbuntuを本格的に学びたい方には、DigitalOceanなどの外部サービスもおすすめです。