【環境構築不要】PythonでExcel自動化の第一歩!Pandasでファイルを読み込む3ステップ

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最終更新日: 2025年8月23日

✓当記事はこんな方におすすめです

「毎月のExcel作業をPythonで自動化する第一歩を踏み出したい」

「Pandasという言葉を聞いたことがあるが、何ができるのか知りたい」

「難しい環境構築なしで、すぐにプログラミングを試してみたい」

✓当記事で理解できること

  • ライブラリというプログラミングの便利な概念
  • Excel操作の専門家「Pandas」の基本的な使い方
  • たった数行のコードでExcelファイルを読み込む具体的な方法

当記事では、プログラミング未経験者の方でもつまずかないように、専門用語を極力使わず、比喩を交えながら「Excelファイルを読み込む」という最初の成功体験を目指します。

この記事は、ブラウザ上でPythonコードをすぐに実行できる「Browser Python Runner」を使って進めますので、面倒な環境構築は一切不要です。

最後まで読んでいただければ、「プログラミングって、意外と簡単かも?」と感じていただけるはずです。それでは、一緒に自動化への扉を開きましょう。

運営者プロフィール

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現在はIT企業のプロダクトマネージャーとして、個人向け/社内向けシステムなど、複数のシステム開発・運営に携わっています。

Webサイト構築やECサイトの開発経験に加えて、PythonなどのプログラミングやSalesforceなどのクラウドアプリケーションに関する幅広い知識・経験を活かして「プログラミング初心者がスムーズに学べるサイト」を目指しています。

Githubでは、趣味で作成したアプリなどを公開しています。

https://github.com/Yulikepython/

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便利な道具箱「ライブラリ」とExcel操作の専門家「Pandas」

このセクションでは、いよいよ本日の主役である「Pandas」について解説します。

なぜなら、Pandasがどのようなもので、なぜそれを使うのかを理解することが、Excel作業自動化の最も重要な基礎となるからです。

ここでは、以下の3つのポイントに絞って見ていきましょう。

  • ライブラリとは?便利な道具箱をイメージしよう
  • Excel操作の専門家「Pandas」の正体
  • なぜPandasを使うのか?手作業との圧倒的な差

ライブラリとは?便利な道具箱をイメージしよう

Pythonにおける「ライブラリ」とは、特定の目的のための便利な機能(プログラム)がたくさん詰まった「道具箱」のようなものです。

例えば、料理をするときに、目的に応じて「中華料理セット」や「イタリアン料理セット」といった道具箱を使い分けると便利ですよね。

Pythonの世界にも、Webサイトを作るための道具箱、AIを開発するための道具箱、そして今回使うデータ分析のための道具箱など、様々な専門ライブラリが存在します。

これらの「ライブラリ」を使いこなすことが、Pythonで効率的に作業を進めるための鍵となります。

Excel操作の専門家「Pandas」の正体

Pandas(パンダス)は、数あるライブラリの中でも、特にExcelやCSVのような「表形式のデータ」を扱うことを得意とする、まさにデータ分析界のスーパースターです。

これまであなたが手作業でやっていた、Excelファイルを開く、特定のセルに書き込む、複数のシートを一つにまとめる、といった操作のほとんどを代行してくれます。

私たちはこれから、このPandasという非常に優秀な専門家(ライブラリ)に「お願い」をすることで、面倒なExcel作業を自動化していきます。

プログラミングを「難しい命令を書くこと」と捉えず、「優秀な専門家に作業を依頼すること」とイメージを変えるだけで、ぐっと心理的なハードルが下がるはずです。

なぜPandasを使うのか?手作業との圧倒的な差

では、なぜわざわざPandasを使うのでしょうか?それは、手作業と比較して圧倒的なメリットがあるからです。

手作業の場合、以下のような問題が常に付きまといます。

  • 時間がかかる:ファイルの数が増えるほど、作業時間はどんどん長くなります。
  • ミスが起こりやすい:「コピー&ペースト」の範囲を間違えたり、転記ミスをしたりする可能性があります。
  • 精神的に消耗する:単純作業の繰り返しは、集中力を奪い、創造的な仕事への意欲を削いでしまいます。

一方、Pandasを使えば、これらの問題はすべて解決します。一度コードを書いてしまえば、何百、何千のファイルであろうと、数秒で、かつ100%正確に同じ作業を繰り返してくれるのです。

この「正確性」と「再現性」こそが、プログラムに作業を任せる最大の価値と言えるでしょう。

【実践】3ステップでExcelを読み込む魔法のコード

お待たせしました。いよいよ、実際にコードを書いてExcelファイルを読み込んでみましょう。

ここでは、たった3つの簡単なステップで、あなたの手元にあるExcelファイルの中身をプログラム上に出現させます。

このセクションを終える頃には、プログラミングによる自動化の第一歩を、はっきりと実感できているはずです。

  • ステップ1: 専門家(Pandas)を仕事場に呼ぼう (import)
  • ステップ2: Excelファイルを準備し、Pandasに読んでもらう (read_excel)
  • ステップ3: 読み込んだデータの中身を覗いてみよう (print)

ステップ1: 専門家(Pandas)を仕事場に呼ぼう (import)

まず最初のステップとして、私たちの仕事場に専門家であるPandasを呼び出す必要があります。そのための呪文が import です。

本来、自分のPC環境にPythonをインストールして使う場合、新しいライブラリ(道具箱)は pip install pandas というコマンドを使って最初にインストールする必要があります。(※pipについては、こちらの記事で詳しく解説しています。pip installの解説記事へのリンク

しかし、今回私たちが使っている「Browser Python Runner」のようなブラウザ実行環境には、Pandasのような有名なライブラリは最初から用意されています。そのため、私たちはインストール作業を完全にスキップして、いきなり専門家を呼び出すことから始められます。

以下のコードをコピーして、実行環境に貼り付けてみましょう。

# Excel操作の専門家であるPandasライブラリを呼び出します。
# 今後は「pd」という短い名前で呼び出せるようにします。
import pandas as pd

以下のリンクで、上記のコード入りのブラウザ環境が開きます。

browser-python-runner

これは、「pandasというライブラリを import (輸入/導入) します。ただし、毎回 pandas と書くのは長いので、今後は pd というあだ名 (alias) で呼びますね」という意味になります。これで、いつでも pd さんに仕事をお願いできる準備が整いました。

ステップ2: Excelファイルを準備し、Pandasに読んでもらう (read_excel)

次に、Pandasに読み込ませるためのExcelファイルを準備します。

まず、「Browser Python Runner」の画面にある「ファイルアップロード」ボタンから、チュートリアルの準備で作成したサンプルファイル(例: 売上データ_4月.xlsx)を選択してください。

**Pythonにファイルを正しく認識させるには、実行するコードと同じ場所にファイルを置いてあげることが最も簡単な方法です。**ファイルが準備できたら、いよいよPandasにファイルを読んでもらうコードを書きます。

以下のコードは、「pdさん、このExcelファイルを読んで、その中身を df という名前の箱に入れておいてください」というお願いをしています。

import pandas as pd

# pdさん(Pandas)に、指定したExcelファイルを読んでもらいます。
# 読み込んだデータは「df」という名前の変数(箱)に保管します。
df = pd.read_excel('/tmp/売上データ_4月.xlsx')

`df` とは「データフレーム(DataFrame)」の略で、Pandasで扱う表形式のデータを入れるための、慣習的によく使われる変数名です。これで、Excelの中身が丸ごと `df` という箱に保管されました。

Browser Python Runnerでは、読み込んだファイルは/tmp/ディレクトリ内に一時保存されます。

こちらでコード入り環境を開けます。

ステップ3: 読み込んだデータの中身を覗いてみよう (print)

最後のステップです。本当にExcelの中身が `df` という箱に入っているのか、その中身を覗いて確認してみましょう。

データの中身を表示するには `print()` という命令を使います。これは、プログラミングの世界で最も基本的かつ重要な、中身を確認するための命令です。

さあ、以下のコードを実行して、魔法が起こる瞬間を目撃してください。

# dfという箱の中身を表示します。
print(df)

どうでしょうか。あなたの画面に、Excelで見ていたはずの表データが表示されたはずです!

これが、プログラミングで「データをオブジェクトとして扱えている」という何よりの証拠であり、自動化への記念すべき第一歩です。おめでとうございます!

まとめ

今回は、PythonでExcel作業を自動化するための最初のステップとして、Pandasライブラリを使って1つのExcelファイルを読み込む方法を学びました。

難しく感じたかもしれませんが、重要なポイントはたったの3つです。

  • ライブラリとは便利な機能が詰まった「専門家の道具箱」であり、PandasはExcel操作の専門家であること。
  • import pandas as pd という呪文で、いつでも専門家を仕事場に呼び出せること。
  • pd.read_excel('ファイル名') という「お願い」をするだけで、簡単にExcelの中身をプログラムで扱えるようになること。

たったこれだけの知識で、あなたは「手作業でファイルを開く」という段階から卒業しました。これは、単なる作業の効率化ではなく、あなたの働き方そのものを変える、とてつもなく大きな一歩です。

次回は、今回学んだことを応用して、フォルダ内に溜まった大量のExcelファイルを一気に処理する方法を学びます。毎月の定型作業が過去のものになる瞬間は、もうすぐそこです。ぜひ次の記事に進んで、完全自動化の世界を体験してみてください。

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