【Python初心者向け】waitとsleepの違い・使い方をやさしく解説|コード例付き

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(最終更新月: 2025年07月17日)

✓当記事はこんな方におすすめです

「Pythonのwaitとは何をする関数か知りたい」

「waitとsleepの違いや使い分けを理解したい」

「実践で役立つ具体的なPythonの待機コード例を見たい」

✓当記事で理解できること

  • Pythonにおけるwaitとsleepの基本と用途の違い
  • 代表的な待機処理の書き方と場面ごとのベストプラクティス
  • 実践的なサンプルを使った初心者が間違えやすいポイントの解説

当記事では、Pythonにおけるプログラムの一時停止(待機)方法について、waitやsleepの使い方から応用例まで、やさしく体系的にご説明します。

「なんとなく使っているけど本当の違いがわからない」「同期処理って難しそう…」と感じている方でも、この記事を読めば理解がグッと深まるはずです。

それでは、一緒に見ていきましょう。

運営者プロフィール

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現在はIT企業のプロダクトマネージャーとして、個人向け/社内向けシステムなど、複数のシステム開発・運営に携わっています。

Webサイト構築やECサイトの開発経験に加えて、PythonなどのプログラミングやSalesforceなどのクラウドアプリケーションに関する幅広い知識・経験を活かして「プログラミング初心者がスムーズに学べるサイト」を目指しています。

Githubでは、趣味で作成したアプリなどを公開しています。

https://github.com/Yulikepython/

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Pythonで「待つ」ことの基本と重要性

ここでは、Pythonで「待つ」処理がなぜ重要で、どのようなシーンで使わざるを得ないのか、丁寧に説明します。

初心者が「wait」や「sleep」を何気なく使うと、思ったように動かずに混乱しがちです。ITエンジニアを目指す上で、 正しい待機処理を身につけておくことは地味ですが非常に大事です。

  • なぜPythonで「一時停止」が必要なのか
  • 「wait」と「sleep」の根本的な違い
  • 初心者が陥りやすい待機処理の失敗例

なぜPythonで「一時停止」が必要なのか

プログラムで何かの完了を待つ必要がある場面はとても多いです。

例えばWebスクレイピングで連続リクエストを避けたい時、サーバーからのレスポンス待ち、複数スレッドで処理を同期したい時などです。

こうした「待機」は、プログラムの安全性や効率、周囲への配慮(相手のサーバーを攻撃しない等)に直結する重要な要素です。

たとえばforループでWeb API連続叩きをすると、相手サーバーに怒られたり、自身のIPがブロックされる…といった実害もあります。

「wait」と「sleep」の根本的な違い

Pythonでよく混同されるのが「wait」と「sleep」です。

「sleep」はtimeモジュールが提供するもので、プログラムを“指定した秒数だけ”強制停止させるシンプルな命令です。

一方「wait」は、threadingやasyncioなどで「ある状態(条件やイベント)が発生するまで」プログラムやスレッドの処理を止めておく仕組みです。

単純な「時間稼ぎ」ならsleepで十分ですが、スレッドや非同期と絡む複雑な待機ではwaitが必須になります。

初心者が陥りやすい待機処理の失敗例

初学者のよくある失敗は、すべての待機処理にsleepだけを使い続けてしまうことです。

「sleepの間に外からイベントが入っても気づけない」ため、push通知型の処理やスレッドの同期では正しく動きません。

また、sleep(5)のように長い待機時間を不用意に入れると、処理が遅くなったり意図しない遅延が発生します。

実際、私がPythonでWebスクレイピング入門した頃、sleepを多用しすぎてAPIのタイムアウトやエラーに悩まされた経験があります。

Pythonで「待つ」処理の基本パターン(sleep, wait, 他の手法)

このセクションでは、現場でよく使う「待機」処理のバリエーション(sleep/waitの正しい使い方や違い、選び方)をテーマ別に解説します。

コード例を実際に動かしてみたい方にも役立ちます。

  • sleep関数で「一定時間プログラムを止める」方法
  • threading.Event.waitで「特定イベント待ち」する方法
  • asyncioで「非同期IOの待機」を実現する方法

sleep関数で「一定時間プログラムを止める」方法

最もシンプルな待機方法がtime.sleep関数です。

これは「xx秒だけ(または小数点でミリ秒単位も可)一時停止」したいときに手軽に使います。

たとえば次のように書きます。

import time

print("リクエスト送信")
time.sleep(2)  # 2秒間止める
print("レスポンス受信")

sleepは単純ですが、“時間で待つだけ”なので外部イベントや条件発生を待つのには向きません

初心者のうちはWebスクレイピング時の連続アクセス防止など、まずはsleepから慣れてみるのがおすすめです。

threading.Event.waitで「特定イベント待ち」する方法

複数スレッドで「条件が揃うまで動かしたくない」場合に使うのがEvent.waitです。

これはスレッド間制御やマルチタスク処理の基本です。

例として、3つのワーカーを一斉スタートさせたい場合のパターンは次のようになります。

import threading
import time

def worker(start_event):
    print("待機中...", threading.current_thread().name)
    start_event.wait()  # イベントがset()するまでここでストップ
    print("開始!", threading.current_thread().name)

start_event = threading.Event()

threads = [threading.Thread(target=worker, args=(start_event,), name=f"worker{i}") for i in range(3)]
for t in threads:
    t.start()

print("3秒後に全ワーカースタート")
time.sleep(3)
start_event.set()

Event.waitは「条件成立までずっとブロックし続ける」ためsleepとは性格が異なります。

同期処理や並列処理では必ず知っておきたいメソッドです。

asyncioで「非同期IOの待機」を実現する方法

Python3.5以降でよく使われるのがasyncioモジュールです。

千本ノックのような非同期処理や並行ダウンロード、チャットボット開発などでは必須の仕組みです。

例えば「一定時間だけ非同期で待つ」なら以下のように書きます。

import asyncio

async def my_async_func():
    print("非同期処理開始")
    await asyncio.sleep(2)  # 2秒待ち
    print("非同期処理終了")

asyncio.run(my_async_func())

await asyncio.sleep(xx)は、「他の非同期タスクを邪魔せず自分だけ待機」したい時に大活躍です。

非同期処理のイメージをつかみたい方は、 Pythonの待機方法まとめ記事 も参考にしてみてください。

「wait」と「sleep」の実践的な使い分け方

このセクションでは、「実務でどう使い分けるのが良いか」について解説します。

混同しやすいこの2つの違いを整理し、現場で「どちらを選ぶ?」という判断力が身につくようになるのが最終的なゴールです。

  • sleepは「時間の制御」に特化した方法
  • waitは「条件待ち」「同期」が必要なときに有効
  • 混ぜてはいけない!ありがちなNGパターン

sleepは「時間の制御」に特化した方法

sleepは「何秒間休む」「定期的な処理」のように単純な時間調整に最適です。

タイマー的な用途や、API呼び出し間のインターバル制御には無駄なく使えます。

たとえばWebサイトから複数データを順番に取得したい場合、次の例のようにリクエスト間でsleepを挟みます。

import time
import requests

urls = ["https://example.com/page1", "https://example.com/page2"]
for url in urls:
    resp = requests.get(url)
    print(url, len(resp.text))
    time.sleep(2)  # 2秒待つ

このように「ひたすら決まった秒数だけストップしたい」ケースではsleep以外まず使いません。

waitは「条件待ち」「同期」が必要なときに有効

waitはスレッド制御や複雑な処理条件が絡む場合に生きてきます。

例として、「複数の非同期タスクが全部終わるまで待つ」や「外部信号(イベント)が来るのを待つ」といった制御が可能です。

以下のようなコードがベースになります。

import threading

flag = threading.Event()
def task():
    print("task: イベント待機中")
    flag.wait()
    print("task: イベント受信!")

threading.Thread(target=task).start()

import time; time.sleep(1)
flag.set()  # 1秒後イベント発生

sleepとは違い「何かが起こるまで」無限に待つのがwaitの美点です。

非同期やマルチスレッドプログラミングでは欠かせません。

混ぜてはいけない!ありがちなNGパターン

sleepとwaitを混乱して使うことで、意図しないバグにつながることが多いです。

特に、「本当は条件待ちしたいのにsleepだけで済ませてしまい、タイミングずれやデータ競合が発生する」といったトラブルをたびたび見かけます。

私も初めてスレッド処理に挑戦したとき、sleepだけで“なんとなく間を持たせた”つもりが、「後でイベントが届いても対応できなかった」という痛い経験があります。

この区別は、一度本質をしっかり掴んでおくことが肝心です。【再チェック推奨】

Webスクレイピングや実務での待機(wait/sleep)活用術

ここからは、waitやsleepが「現場で本当に役立つのはどんなシーンか?」にフォーカスし、実践例を交えて紹介します。

ぜひ初心者の方も手を動かしながら理解してみてください。

  • Webスクレイピング時に必須の待機テクニック
  • サーバや外部APIへの配慮―なぜ「sleep」が重要なのか
  • 学習のはじめに押さえるべき注意点

Webスクレイピング時に必須の待機テクニック

Webスクレイピングで複数ページを高速にアクセスすると、相手サイトからブロックされたり最悪法的トラブルの原因にもなりかねません。

sleepを使ってリクエスト間隔を1秒以上空けるのが基本です。

実務では以下のような処理が標準です。

import requests
import time
urls = ["https://example.com/a", "https://example.com/b"]
for url in urls:
    resp = requests.get(url)
    print("取得成功: ", url)
    time.sleep(1)  # 1秒待つ

各サイトの利用規約やAPI仕様も必ずチェックしましょう。守らないとアクセス禁止や損害賠償請求リスクも…があります。

関連: BeautifulSoupなどPythonでのHTML操作

サーバや外部APIへの配慮―なぜ「sleep」が重要なのか

リクエストにsleepを挟む理由は「サーバーへの迷惑行為」を防ぐためです。

たった一行のsleepがサービス停止やブラックリスト化の防止策になります。

例えば、誤ってforループだけで1,000回アクセスを送信し(sleep無し)、自社や顧客の開発本番APIがダウン…という事故は珍しくありません。

このリスクはプログラマーの「配慮・倫理観」にも直結する視点です。

学習のはじめに押さえるべき注意点

Waitやsleepを学ぶ際、何でもsleepで片付けてしまうのではなく、「どんな待ち方が正しいのか?」を常に意識しましょう。

また、sleepに長すぎる値を付けるとユーザー体験が悪化したり、waitで条件が成立しないまま処理が「永久に止まってしまう」場合もあります。

設計の段階で「このタイミングで何を待ちたいのか?」を必ず整理してからコードを書くことが、ミスの少ない開発のカギです。

参考: Pythonの待機方法(まとめ)

【FAQ・トラブル対応】Pythonのwait/sleepで困ったときの対処法

学習や現場導入でよくある質問・トラブルシューティングもまとめておきます。

迷ったらこのセクションを見返してください。

  • 「wait」や「sleep」でプログラムが動かないときの原因
  • よくある誤解・混乱とその解消法
  • wait/sleepはCPUを消費する?効率の観点から

「wait」や「sleep」でプログラムが動かないときの原因

sleepしているつもりが「ずっと動かない」場合、コードのどこかで条件が成立しない・イベントがセットされないことが多いです。

waitの場合は必ず適切なタイミングで「set」や「notify」を行う必要があります。

sleepは秒数指定ミスやimport忘れもありがちポイントです。

困ったら「今どこで止まっているかprintなどでデバッグ」「ドキュメント(公式ドキュメント)」に立ち返りましょう。

よくある誤解・混乱とその解消法

waitとsleepは「同じように見えて役割はぜんぜん違う」ので、使いどころの判断を間違えないようにしましょう。

引数の単位(sleepは秒)や、waitのタイムアウト設定(wait(timeout=秒)で指定)にも注意が必要です。

不安なときは公式リファレンスや実例を必ず一度は動かしてみるのが確実です。

参考: 初心者向けPythonサンプル集

wait/sleepはCPUを消費する?効率の観点から

sleepやwait中は原則的にPythonの実行スレッドはブロック状態となり、待機処理が走る間はCPU資源が無駄に消費されることはありません

ただし、自作でループを回し続けて条件待ちを実装する「ポーリング方式」はCPUを浪費するのでご注意ください。

Wait/sleepは適切に使えばエコな処理につながります。

(参考: Real Python: sleepについて

まとめ

今回は、Pythonの「wait」と「sleep」を中心とする「待機処理」について、初心者向けにやさしく解説しました。

・プログラムを「止める」にはsleep/「条件を待つ」にはwaitと使い分けるのが基本です。

・Webスクレイピングやスレッド処理など、シーンに応じて正しく使うことで、安全で効率的なコードが書けます。

・sleepとwaitは「違い」を一度具体例とともに掴んでしまうのが、上達の近道です。

もし今後、本格的なWebスクレイピングやAPI連携に挑戦する場合は、PythonでHTMLを操作する方法や、PythonでAPIを使いこなすなどの関連記事もぜひ参考にしてください。

Python学習を効率的に進めたい方は、オンライン学習講座や実践的なサンプル集を活用するのもおすすめです。

さあ、理解した内容を実際のコードで試してみてください。わからない点は何度でも見返してOKです。
一歩ずつ着実にスキルアップしていきましょう!

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