(最終更新月:2023年5月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「suコマンドでできることが知りたい」
「suコマンドの書き方は?」
「suコマンドの実例が見てみたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- suコマンドとは?
- suコマンドの基本やその書き方
- suコマンドを使ったコマンド実例
当記事では、suコマンドの基本はもちろん、suコマンドの応用した使い方の実例まで丁寧に解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
suコマンドの基本
suコマンドで知っておくべき基礎事項についてご紹介します。
詳しいやり方を知る前に、こちらに必ず目を通しましょう。
- suコマンドとは
- suコマンドの機能
- suコマンドの利点
uコマンドとは
su(substitute user)コマンドは、現在のユーザーから別のユーザーに切り替えるためのもの。
このコマンドを使用することで、他のユーザー権限でコマンドを実行したり、環境設定を変更したりすることができます。
具体的な場面としてはこちらです。
- システム管理者がほかのユーザーとして作業する
- 通常のユーザーが一時的に管理者権限を持って作業する
suコマンドの機能
suコマンドの機能をまとめると以下のとおりです。
- ユーザー切り替え:現在のユーザーから別のユーザーへの切り替え
- スーパーユーザーへの切り替え:rootユーザーになることで、システム全体を管理する権限が持てる
- コマンドの実行:別のユーザーとして特定のコマンドを実行できる
suコマンドの利点
suコマンドは、権限管理やユーザーの切り替えができる重要なツール。
suコマンドを使用する利点はこちらです。
- システム管理の効率:ユーザーごとの問題の特定や解決が効率的におこなえる
- 権限の一時的な昇格:権限が必要な作業で戸惑わない
- セキュリティの向上:システムへの不正アクセスや権限の悪用を防げる
- 環境設定の引き継ぎ:切り替え先のユーザーの設定や環境に応じた作業が容易になる
- ユーザー間の強力作業:複数のユーザーから作業用のユーザーへ切り替えられる
suコマンドの使い方
suコマンドの使い方をご覧いただきます。
こちらの内容を理解すれば、即実践で使えるようになるでしょう。
- 基本構文
- ユーザーの切り替え
- スーパーユーザーへの切り替え
- 環境変数の引き継ぎ
- コマンドの実行
基本構文
suコマンドの基本構文は次の通りです。
su [ユーザー名]
ユーザーの切り替え
別のユーザーに切り替えるには、次のようにコマンドを実行します。
su itcuser
ユーザー名「itcuser」へ切り替える場合です。
スーパーユーザーへの切り替え
スーパーユーザー(rootユーザー)に切り替えるには、次のようにコマンドを実行します。
su
スーパーユーザーへ切り替える時は、rootなどと記載する必要がありません。
環境変数の引き継ぎ
環境変数を引き継ぐには、`-`オプションを使用します。
su - itcuser
コマンドの実行
別のユーザーとしてコマンドを実行するには、次のようにコマンドを実行します。
su itcuser -c "コマンド"
suコマンドのオプション一覧
suコマンドのオプション一覧をまとめました。
実例付きなので、いろいろと試してみてください。
オプション | 説明 | 実例 |
---|---|---|
– | ユーザー環境を新しいユーザーのものに完全に切り替える。 | su – username |
-c | コマンドを指定して、新しいユーザーとしてそのコマンドを実行した後、元のユーザーに戻る。 | su -c “command” username |
-l | 別のユーザーとしてログインし、そのユーザーの環境設定を読み込む。 | su -l username |
-m | 現在のユーザーの環境設定を保持しながら、別のユーザーに切り替える。 | su -m username |
-p | 現在の環境変数を保持したまま、別のユーザーに切り替える。 | su -p username |
-s | 新しいユーザーとしてシェルを起動する。 | su -s /bin/sh username |
ユーザー名 | 切り替えたいユーザーアカウントを指定する。 | su username |
よくあるsuコマンドのエラーと対処方法
suコマンドにおいて、よくあるエラーやその対処法について詳しく見ていきましょう。
今問題が起こっていなくても、目を通しておけば、エラーの回避に役立ちます。
- 誤ったパスワードの入力
- 存在しないユーザー名の指定
- 権限が不足している場合
誤ったパスワードの入力
パスワードが間違っている場合、「su: Authentication failure」と表示されます。
正しいパスワードを入力し直してください。
存在しないユーザー名の指定
存在しないユーザー名を指定した場合、「su: user [ユーザー名] does not exist」と表示されます。
正しいユーザー名を確認して入力し直してください。
権限が不足している場合
権限が不足している場合、「su: Permission denied」と表示されます。
必要な権限を持つユーザーでコマンドを実行するか、システム管理者に相談してください。
suコマンドと似たコマンド
suコマンドと似たコマンドをご紹介します。
その違いを理解することで、適切に使い分けられるようになるでしょう。
- sudoコマンド
- suとsudoの違い
- いつsuを使い、いつsudoを使うべきか
sudoコマンド
sudo(substitute user and do)コマンドは、指定したユーザーとしてコマンドを実行するもの。
ユーザーを変えることなく、スーパーユーザーとしてコマンドを実行する際に使用されます。
suとsudoの違い
suコマンドはユーザーの切り替えが主な目的で、sudoコマンドはコマンドの実行が主な目的です。
また、sudoは、実行時に一時的に権限を昇格させるのに対し、suは完全に別のユーザーになります。
いつsuを使い、いつsudoを使うべきか
単発のコマンド実行や一時的な権限昇格が必要な場合は、sudoを使用します。
長期間にわたる作業やユーザー間の切り替えが頻繁に必要な場合は、suを使用すると便利です。
実践的な例:suコマンドの応用
ここまでの内容が理解できたら、suコマンドの応用した使い方も見ていきましょう。
具体例を見ることで、実践ではどのように使うかが明確になります。
- システム管理での使用例
- ユーザー管理での使用例
- データベースへのアクセス
- セキュリティ対策での使用例
システム管理での使用例
システム管理では、rootユーザーとしてログインしてパッケージのインストールやサービスの管理をおこなうことがあります。
suコマンドを使ってrootユーザーに切り替えて、必要な作業しましょう。。
ユーザー管理での使用例
ユーザー管理では、他のユーザーのホームディレクトリやファイルにアクセスする場合にsuコマンドを使用します。
これにより、ユーザーごとの権限設定を遵守しながら作業が可能です。
データベースへのアクセス
データベースの設定によっては、システムのユーザー名とデータベースのユーザー名が一致してなければならない場合があります。
初期設定を変更するためにも、suコマンドでユーザーを変更しなければならない場合があるでしょう。
セキュリティ対策での使用例
セキュリティ対策では、特定のユーザーに権限を限定することで、システムへの不正アクセスや権限の悪用を防ぎます。
suコマンドを使用して、必要なユーザーのみが特定の作業をおこなえるように設定します。
まとめ:suコマンドを活用し、作業効率をあげよう
当記事で解説したことは以下のとおり。
- suコマンドの基本と使い方
- suコマンドでよくあるエラーと対処方法
- suコマンドと似たコマンドを使い分けよう
本記事では、suコマンドの基本的な使い方やオプションの使用方法を解説し、効率的なシステム管理や権限管理ができることを示しました。また、suコマンドで発生する可能性のあるエラーとその対処方法を紹介しました。さらに、suコマンドと類似した機能を持つsudoコマンドについても触れ、どのように使い分けるべきかを説明しました。