(最終更新月:2023年5月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「yumについて詳しく知りたい」
「yumコマンドでは何ができるの?」
「yumの実例が見てみたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- yumコマンドとは?
- yumコマンドでできること
- yumコマンドの実例
当記事では、Yumコマンドの基本はもちろん、その具体的な使い方を、実例を用いて丁寧に解説しています
ぜひ最後までご覧ください。
yumコマンドを使うための基礎知識
yumコマンドを使うための基礎的な知識を確認していきます。
応用した使い方をマスターするためにも、必ず目を通しましょう。
- yumコマンドとは?
- yumコマンドの重要性
- yumコマンドの歴史
yumコマンドとは?
yum(Yellowdog Updater Modified)コマンドは、RPMベースのLinuxディストリビューション(Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedoraなど)で利用されているコマンドで、以下のようなことができます。
- パッケージのインストール
- アップデート
- 削除
- 依存関係の解決
システム管理者は、簡単なコマンド操作でソフトウェアの追加や更新がおこなえるようになるのです。
yumコマンドの重要性
yumコマンドは、Linuxシステムでソフトウェアのインストールやアップデートを簡単におこなえるため、システム管理者にとって重要なツールです。
パッケージの依存関係を自動的に解決する機能があるため、手動で複数のパッケージをインストールする手間が省けます。
さらに、yumコマンドを使うことで、システム全体のアップデートやセキュリティパッチの適用も容易になり、システムの安全性と安定性を維持する上で役立ちます。
yumコマンドの歴史
yumコマンドは、もともとYellowdog Linuxディストリビューションのために開発されたパッケージ管理ツールです。
後にRPMベースのディストリビューションに広く採用され、FedoraやCentOSなどの有名なディストリビューションでも標準的なパッケージ管理ツールとして利用されるようになったのです。
yumコマンドで必須の用語
yumコマンドで覚えるべき用語を紹介します。
必ず出てくるものなので、ここで確実に覚えましょう。
- リポジトリ
- パッケージ
- 依存関係
リポジトリ
リポジトリは、インターネット上に配置されたパッケージの集まる場所のこと。
リポジトリを通じて、ユーザーは最新のパッケージ情報やソフトウェアを取得できるのです。
Linuxディストリビューションごとにデフォルトのリポジトリが設定されており、追加のリポジトリも利用可能。
リポジトリにより、さまざまなソフトウェアを簡単にインストールすることが可能になっています。
パッケージ
パッケージは、ソフトウェアやライブラリ、設定ファイルなどがまとめられた圧縮ファイルのことです。
Linuxシステムでは、パッケージを使ってソフトウェアのインストールやアップデートをおこないます。
yumコマンドは、そのパッケージのインストールや管理を簡単におこなえるツールです。
依存関係
依存関係とは、あるソフトウェアが他のソフトウェアやライブラリに依存している状態を指します。
yumコマンドを使うと、依存関係を自動的に解決し、必要なパッケージをインストールすることが可能。
ユーザーは手間をかけずに必要なソフトウェアを一回のコマンドでインストールできるのです。
yum コマンドのインストールと設定
もしインストールがされていない場合や設定が必要な場合は、以下のとおり事前準備をおこないましょう。
- インストール方法
- リポジトリの設定
- 設定ファイルの概要と主な設定項目
インストール方法
RPMベースのLinuxディストリビューションでは、通常yumコマンドがデフォルトでインストールされています。
もしインストールされていない場合は、以下のコマンドでインストールできます。
sudo rpm -ivh https://yum.package-url.com/package.rpm
リポジトリの設定
デフォルトのリポジトリ以外にも、追加のリポジトリを設定できます。
リポジトリを追加するには、/etc/yum.repos.dディレクトリに.repoファイルを作成し、以下のような形式でリポジトリの情報を記述します。
[repository-name]
name=Repository Name
baseurl=http://example.com/path/to/repo
enabled=1
gpgcheck=1
gpgkey=http://example.com/path/to/key
リポジトリの名前、URL、GPGキーの場所などを指定します。
設定が完了したら、`yum clean all`コマンドでキャッシュをクリアし、`yum repolist`コマンドでリポジトリの一覧を表示して設定を確認しましょう。
設定ファイルの概要と主な設定項目
yumコマンドの設定ファイルは、/etc/yum.confにあります。
このファイルを編集することで、yumコマンドの挙動をカスタマイズ可能。
主な設定項目には以下のようなものがあります。
- cachedir:キャッシュディレクトリの場所を指定
- keepcache:キャッシュを削除するかどうかを指定(0:削除、1:保持)。
- exclude:特定のパッケージをアップデート対象から除外
- proxy:プロキシサーバーを指定する場合に使用
yumコマンドの基本的な使い方
yumコマンドの基本的な使い方を見ていきます。
- パッケージの検索
- パッケージのインストール
- パッケージのアップデート
- パッケージの削除
- システム全体のアップデート
- パッケージ情報の確認
パッケージの検索
パッケージを検索するには、`yum search`コマンドを使用します。
例えば、`vim`というパッケージを検索する場合は、以下のように実行します。
yum search vim
パッケージのインストール
パッケージをインストールするには、`yum install`コマンドを使用します。
例えば、`vim`をインストールする場合は、以下のように実行してください。
sudo yum install vim
パッケージのアップデート
パッケージをアップデートするには、`yum update`コマンドを使用します。
nanoというパッケージをアップデートする場合は、以下のように実行しましょう。
sudo yum update nano
パッケージの削除
パッケージを削除するには、`yum remove`コマンドを使用します。
例えば、nanoを削除する場合は、以下のように実行します。
sudo yum remove nano
システム全体のアップデート
システム全体のアップデートを行うには、`yum update`コマンドを使用します。
特定のパッケージを指定せずに実行すると、システム上の全てのパッケージがアップデートされるのです。
sudo yum update
パッケージ情報の確認
パッケージの情報を確認するには、`yum info`コマンドを使用します。
例えばnanoというパッケージの情報を確認する場合は、以下のように実行します。
yum info nano
応用編:便利なyumコマンドオプション
これまでの内容が理解できたら、応用的な使い方をご覧いただきます。
より実践で使える内容なので、手を動かしながら進めていきましょう。
- パッケージの履歴管理
- インストール済みパッケージの一覧表示
- 依存関係の自動解決
パッケージの履歴管理
パッケージの履歴を管理するには、`yum history`コマンドを使用します。
履歴の一覧を表示するには、以下のように実行します。
yum history list
特定の履歴を詳細表示する場合は、以下のように実行します(`<ID>`は履歴ID)。
yum history info <ID>
履歴IDは、yum history listコマンドで確認できます。
インストール済みパッケージの一覧表示
インストール済みのパッケージ一覧を表示するには、`yum list installed`コマンドを使用します。
yum list installed
依存関係の自動解決
yumコマンドは、パッケージの依存関係を自動的に解決します。
例えばあるパッケージをインストールする際に他のパッケージが必要な場合、一緒にインストールされます。
またパッケージを削除する際に、そのパッケージに依存している他のパッケージがあれば、警告が表示される仕組みです。
yumコマンドのオプション一覧
以下がyumコマンドのオプション一覧です。
オプションを使うことでしかできないこともありますので、確認しておきましょう。
オプション | 説明 |
---|---|
-y | すべてのプロンプトで自動的に「yes」を回答します。 |
–nogpgcheck | GPG署名のチェックを無効にします。 |
–exclude=<package> | 指定したパッケージをアップデートやインストールの対象から除外します。 |
–skip-broken | 依存関係の問題を回避し、問題のないパッケージのみをインストールまたはアップデートします。 |
–showduplicates | 同じ名前のパッケージの複数のバージョンを表示します。 |
–disablerepo=<repo> | 指定したリポジトリを無効にします。 |
–enablerepo=<repo> | 指定したリポジトリを有効にします。 |
–downloadonly | パッケージをダウンロードのみ行い、インストールやアップデートは行いません。 |
–security | セキュリティアップデートのみを適用します。 |
–quiet | 実行時の詳細な出力を抑制します。 |
–verbose | 実行時の詳細な出力を表示します。 |
トラブルシューティング
yumコマンドでよく起こるトラブルについても知っておきましょう。
事前に知っておけば事前に問題への対処ができるものもあります。
- よくあるエラーと対処法
- ヘルプとサポート
リポジトリが見つからない
リポジトリのURLが正しいか確認し、必要に応じて修正します。
GPGキーが無効
GPGキーのURLが正しいか確認し、必要に応じて修正します。また、`–nogpgcheck`オプションを使用して一時的にGPGチェックを無効にすることもできますが、セキュリティ上のリスクがあるため注意が必要です。
依存関係の解決ができない
パッケージが正しいリポジトリから取得できるように設定を確認し、必要に応じて修正します。
ほかのパッケージと競合している場合は、競合するパッケージを削除することを検討しましょう。
ヘルプとサポート
`yum help`コマンドを使用すると、コマンドの使い方やオプションに関するヘルプが表示されます。
また、公式ドキュメントやフォーラムを参照して、より詳しい情報やサポートを得ることができます。
まとめ
yumコマンドは、RPMベースのLinuxディストリビューションにおいてパッケージ管理を行う重要なツールです。
依存関係の解決やリポジトリの管理が容易になるため、ソフトウェアのインストールやアップデートが効率的におこなえます。
yumコマンドの基本的な使い方を理解したら、公式ドキュメントやチュートリアルを参照し、さらに高度な機能やオプションを学んでいくことがおすすめです。