(最終更新月: 2025年07月17日)
✓当記事はこんな方におすすめです
「PythonでPDFを読み書きしたいけど、何から始めればいいか分からない」
「業務や学習でPDFファイルのテキスト抽出や編集を自動化したい」
「具体的なサンプルコードを見ながらPDF操作スキルを身につけたい」
✓当記事で理解できること
- PythonでPDFファイルを扱う基本概念とできること
- 代表的なPDF操作ライブラリ(PyMuPDF, PyPDF2, PDFMiner)の特徴と活用場面
- 初心者でも真似できる具体的なサンプルコード
この記事では、PythonでPDFファイルを「読む」「書く」「結合する」「パスワードをつける」など、自動化・業務効率化にも直結するテクニックを、実例コードと一緒に分かりやすく解説します。
最後まで読めば、実務現場でもすぐに使えるPDF操作スキルがきっと身につきます。
それでは、一緒に始めていきましょう!
PythonでPDFを操作する目的と記事の全体像
このセクションでは、PythonでPDFファイルを操作する理由と、これから学ぶ内容の全体像を説明します。
なぜなら、多くの業務や学習現場でPDFを自動処理できるスキルは今後ますます重宝されるからです。
- PythonならではのPDF自動操作のメリット
- 実際にできることの具体例
- 本記事の流れ
PythonならではのPDF自動操作のメリット
Pythonは、難しいツールを使わずに誰でもプログラムでPDFを自在に扱えるのが魅力です。
たとえば、手作業だと面倒な「大量のPDFからテキストだけを抜き出す」「特定ページをまとめて抽出」「複数のPDFを一発でまとめる」なども、Pythonなら一行のコードで自動化できます。
また、無料で使えるライブラリが豊富なため追加の費用も必要ありません。
エンジニアはもちろん、未経験の方でも「業務DX」や「効率化」を武器にできます。
実際にできることの具体例
PythonでPDFを操作すると、どんなシーンで役立つのでしょうか?
たとえば、経費レポートの一括抽出や履歴書データ作成、授業資料のまとめ・分割、請求書の暗号化・送付など、ビジネスでも学習でもとても便利です。
作業の自動化で「人手によるミス」や「単純作業による時間ロス」を減らすことができます。
一度スクリプトを書けば、何度でも再利用可能なのでコスパも抜群です。
本記事の流れ
このあと、初学者でも迷わないよう「Python×PDF」の基本と応用を順を追って解説します。
まずPython・PDFそれぞれの概要を整理し、主要なライブラリの特徴を詳しく比較します。
さらに、インストールから実際のサンプルコードまで、現場目線でお届けします。
最後に、セキュリティや業務応用の“ワンランク上のテクニック”も紹介します。
PythonとPDFの基礎知識をおさえよう
このセクションでは、PDF操作に入る前の「Pythonの強み」と「PDFファイルの正体」について説明します。
なぜなら、基礎をしっかり理解することで、後のコード実装やライブラリ選定が驚くほどスムーズになるからです。
- Pythonはなぜ人気?PDF操作との相性の理由
- PDFファイルってどんなもの?特徴と課題
- 実務でよくある「PDF自動化」活用例
Pythonはなぜ人気?PDF操作との相性の理由
Pythonは「シンプルな文法」と「強力なライブラリ」がセットで、初学者にも現場のプロにも選ばれている言語です。
たとえば、print(“Hello World”)ひとつでプログラムが始められ、複雑だったファイル処理やデータ分析も一行の命令で実現できます。
PDF操作も例外ではなく、公式パッケージ(pip)からすぐに追加モジュールをインストールして使うことができます。
Pythonはドキュメントやコミュニティも充実しており、「困った時にすぐ調べて試せる」のが大きな武器です(参考: Python公式ドキュメント)。
PDFファイルってどんなもの?特徴と課題
PDF(Portable Document Format)は、紙の資料と同じ見た目をどの環境でも保てる便利な形式です。
見積書・請求書、論文、契約書など、「内容・レイアウトが崩れては困る場面」でよく使われます。
しかし、実は「テキスト/画像の自由な抽出や編集」は意外に難しいという課題も…。
専用ソフトが不要な分、プログラムでまとめて処理(自動化)したい時にPythonが活躍します。
実務でよくある「PDF自動化」活用例
実務の現場で「PythonによるPDF自動処理」はどう役立っているか見てみましょう。
例えば、営業レポートPDFを日付ごとに分割して保存、請求PDFに自動パスワードを設定して一斉送信、アンケートPDFをまとめて1つのファイルに結合…などがあります。
手作業を自動化することで、大幅な工数削減・ヒューマンエラーの防止が実現できます。
こうしたノウハウを単体ツールだけでなくPythonスクリプトで再現できるようになると、希少なスキルとして確かな価値があります。
PDF操作で使われる代表的ライブラリ3選と選び方
このセクションでは、PythonでPDFを扱う上で定番となっている3つの主要ライブラリと、その使い分けポイントを紹介します。
目的別に最適なライブラリを選ぶことで、作業の効率や精度がグッと高まるからです。
- PyMuPDF:スピードも出力精度も優れた万能選手
- PyPDF2:編集や結合・分割に特化した老舗
- PDFMiner:高精度なテキスト抽出ならコレ
PyMuPDF:スピードも出力精度も優れた万能選手
PyMuPDF(fitz)は、PDFの高速な読み込み・テキスト/画像抽出・ページ編集まで幅広く対応する万能型ライブラリです。
他にもEPUBやXPSなど多彩なファイル形式にも対応。
業務で重たいファイルを処理するときや、画像やテキストの抜き出しをバランスよく行いたいときに最適です。
ドキュメントも見やすく、海外・国内の現場で幅広く活用されています(参照: PyMuPDF公式GitHub)。
PyPDF2:編集や結合・分割に特化した老舗
PyPDF2は「PDFの結合・分割」「ページ編集」「パスワード設定」など編集系の機能に特化したライブラリです。
テキスト抽出の精度はやや劣る面がありますが、「ファイル操作自動化」の入門用途には最適です。
実際に企業の現場でも、「PDFを複数枚まとめて一つにしたい」「ページを分割したい」といった用途で活躍しています。
無料で使えるため、習得コストゼロで編集処理の自動化を叶えられます。
PDFMiner:高精度なテキスト抽出ならコレ
PDFMinerは「文章・レイアウト込みのテキスト抽出」が強みの特化型ライブラリです。
図表や複雑な段組PDF、文字コードの細かい違いも正確に取り出せるため、データ解析や文書AI前処理でも多用されます。
ライブラリ自体は編集機能なしですが、「より精度の高いテキストデータ化」が課題の方には特におすすめです。
多言語のPDFや日本語ドキュメントにも強く、「レイアウト崩れを防ぎたい人」は必見です。
PDFファイルの基本操作(読む・テキスト抽出・画像抽出)
このセクションでは、上で紹介したライブラリごとにPDFの「読み込み」「テキスト抽出」「画像抽出」の基本的な手順を実例と一緒にまとめます。
具体的なコードが理解できれば、現場ですぐに応用できるからです。
- PyMuPDFの使い方 – 読み込みから画像抽出まで
- PyPDF2の使い方 – ページ操作・結合・分割まで
- PDFMinerの使い方 – テキスト抽出の最速パターン
PyMuPDFの使い方 – 読み込みから画像抽出まで
PyMuPDFでは、pipで簡単にインストールし、「読み込み→テキスト抽出→画像抽出」まで一気通貫で実装できます。
以下、PDFからテキストと画像を抜き出すサンプルです。
pip install PyMuPDF
import fitz # PyMuPDF
doc = fitz.open('sample.pdf')
for page in doc:
print(page.get_text())
# 画像抽出例
for i in range(len(doc)):
for img in doc.get_page_images(i):
xref = img[0]
pix = fitz.Pixmap(doc, xref)
if pix.n < 5:
pix.save(f"page{i}-{xref}.png")
else:
pix1 = fitz.Pixmap(fitz.csRGB, pix)
pix1.save(f"page{i}-{xref}.png")
pix1 = None
pix = None
このように、難しい文法なしでサクッと試せるのが魅力です。
PyPDF2の使い方 – ページ操作・結合・分割まで
PyPDF2は「ページ分割」「結合」などによく使われます。
例えば、2つのPDFを1つにまとめる例:
pip install PyPDF2
from PyPDF2 import PdfReader, PdfWriter
reader1 = PdfReader('a.pdf')
reader2 = PdfReader('b.pdf')
writer = PdfWriter()
for page in reader1.pages:
writer.add_page(page)
for page in reader2.pages:
writer.add_page(page)
with open("combined.pdf", "wb") as f:
writer.write(f)
これで煩雑なPDF編集が一気にシンプルにできます。
細かい制御やパスワード設定も後述します。
PDFMinerの使い方 – テキスト抽出の最速パターン
PDFMinerは日本語PDFのテキスト抽出にも強いです。
以下、「全文テキストをPythonスクリプトで一括取得する」例です。
pip install pdfminer.six
from pdfminer.high_level import extract_text
text = extract_text('sample.pdf')
print(text)
エラーにも強く、細かく設定を変えられるのも特徴です。
詳細なチューニング方法も公式ドキュメント(PDFMinerドキュメント)で確認できます。
業務で役立つ!PDFの分割・結合・パスワード保護まで
このセクションでは、業務自動化や情報保護の現場でとくに出番の多い「PDFの分割・結合・パスワード設定」についてまとめます。
なぜなら、これらのテクニックは仕事の品質・効率化に直結するからです。
- PyPDF2で分割・結合を一括自動化
- PDFにパスワードをかけて情報漏洩リスクを下げよう
- その他の活用ノウハウ(実務TIPS)
PyPDF2で分割・結合を一括自動化
たとえば10ページあるファイルを2ページごとに分割したい時には、ループと条件分岐で簡単に自動化できます。
複数PDFをまとめる場合も、先ほどのadd_pageで順番に追加するだけです。
Excelやメールの自動連携とも組み合わせて使えば、月100件でも“ボタン一つ”で完了できます。
活用イメージは【PyScript】PythonでHTMLを操作する|実例付も参考にしてください。
PDFにパスワードをかけて情報漏洩リスクを下げよう
PyPDF2なら、出力時にワンフレーズ加えるだけでPDFのパスワード保護ができます。
例えば以下のコードで“password123”というパスワードを設定できます。
from PyPDF2 import PdfReader, PdfWriter
def add_password(input_pdf, output_pdf, password):
reader = PdfReader(input_pdf)
writer = PdfWriter()
for page in reader.pages:
writer.add_page(page)
writer.encrypt(password)
with open(output_pdf, 'wb') as f:
writer.write(f)
add_password('input.pdf', 'protected.pdf', 'password123')
「情報流出が怖い、でも人に頼らず自分でセキュリティ制御したい」という方にも安心です。
その他の活用ノウハウ(実務TIPS)
「業務で使えるPDF処理のコツが知りたい」「Pythonスキルをもっと現場で活かしたい!」という方は、次の記事もぜひご参照ください。
たとえば、【Python】メモリを開放する方法全5選|すべて実例付きで解説や【Python】findメソッドの基本|文字列検索の具体例付きなど、関連技術の社内自動化との連携にも応用できます。
自分専用の“自動処理ロボット”をPythonで作る、という発想でどんどんチャレンジしてみてください。
まとめ
PythonでPDFを操作する技術は、IT現場はもちろん、未経験・初学者の方にも強くおすすめできるスキルです。
この記事で解説したポイントのうち、特に大事なのは下記の3つです。
- 主要ライブラリ(PyMuPDF, PyPDF2, PDFMiner)の役割と選び方
- テキスト抽出や分割・結合、パスワード設定などの具体的なサンプルコード
- 実務DXやセキュリティ対応まで見据えた現場応用のヒント
PDF自動処理スキルは、学習・転職・副業のどれでも強い武器になり得ます。
「理解できた!」「もっと便利に使いたい!」と感じた方は、ぜひPythonのさらなる活用にチャレンジしてみましょう。
また、開発や自動化スキルをもう一歩伸ばしたい方は DigitalOceanのクラウド環境 なども活用し、実践力に磨きをかけてください。