(最終更新日:2023年9月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「PostgreSQLって何だろう?」
「PostgreSQLの基本概念や特徴を知りたい」
「PostgreSQLを実際に使ってみたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- PostgreSQLの概要とは
- PostgreSQLの基本的な機能や利点
- PostgreSQLの実践的な使用方法
当記事では、PostgreSQLの基本概念から、さまざまな機能や利点を活用した実際の使用法まで、具体例を用いてわかりやすく解説しています。
ぜひ最後までお読みいただくことで、PostgreSQLについての理解を深めていただければと思います。
データベースの基本
こちらでは、データベースの基本について詳しく説明します。
PostgreSQLを理解するための前提知識です。
- データベースの役割とデータモデル
- PostgreSQLの歴史
データベースの役割とデータモデル
データベースは、情報を管理し、保存し、取得するためのシステムです。
保存されるデータとしては、単純なエクセルスプレッドシートから企業の営業データ、インターネット上のソーシャルメディアの投稿など、あらゆる種類のものが対象になります。
データモデルとは、データベースの設計を指南し、どのようにデータが構造化され、どのように関連付けられるべきかを示すもの。
代表的なデータモデルには以下のようなものがあります。
- 階層型
- ネットワーク型
- 関係型
- オブジェクト型
PostgreSQLの歴史
PostgreSQLは、長い歴史を持つオープンソースのデータベースソフトウェアです。
この歴史を理解することで、その成熟度と信頼性を理解できます。
- POSTGRES
- Postgres95
- PostgreSQL
1. POSTGRES
PostgreSQLの前身は、1986年にカリフォルニア大学バークレー校で開発が始まったPOSTGRESです。
POSTGRESは、データベースの新しい理論を実践するためのプロジェクトとしてスタートしました。
2. Postgres95
POSTGRESプロジェクトは成功し、その技術は新たなデータベースプロジェクトPostgres95に引き継がれました。
Postgres95はSQLクエリ言語のサポートを追加し、より多くの開発者とユーザーにとって利用しやすい製品となりました。
3. PostgreSQL
Postgres95はその後、PostgreSQLとして再ブランディングされ、現在に至るまで積極的に開発が続けられています。
これにより、PostgreSQLは今日、企業の重要なデータベースソリューションのひとつとして広く認識されています。
PostgreSQLとは
こちらでは、PostgreSQLの基本的な特徴と、ほかの人気のあるデータベースシステムであるMySQLとの違いについて説明します。
- PostgreSQLの特徴
- MySQLとの違い
PostgreSQLの特徴
PostgreSQLは、オープンソースのオブジェクトリレーショナルデータベース管理システム(ORDBMS)です。
リレーショナルデータベースの機能に加えて、オブジェクト指向のデータベースの特徴を組み合わせています。
PostgreSQLは、以下のような高度な機能をサポートしています。
- トランザクション
- ACID準拠
- サブクエリ
- トリガー
- ビュー
- 外部キー
- ストアドプロシージャ
また、大規模なデータベースと高い同時接続ユーザー数を扱う能力があります。
MySQLとの違い
MySQLも人気のあるオープンソースのリレーショナルデータベースですが、PostgreSQLとはいくつかの重要な違いがあります。
- PostgreSQL
オブジェクト指向の特性を持ち、カスタムデータ型の作成やテーブル継承などの機能を提供。また、PostgreSQLは全文検索と地理空間データベースとしての機能を組み込んでいます。 - MySQL
そのシンプルさとスピードで知られていますが、PostgreSQLほどの高度な機能はサポートしていません。
例としては、対応できるデータタイプについてPostgreSQLのほうが多くの種類を扱えます。
ただしMySQLも多数のストレージエンジンとの連携い対応しているので、他サービスとの連携に長けているのが特徴です。
最新版PostgreSQLの機能
こちらでは、最新バージョンのPostgreSQLの特徴と新機能について詳しく説明します。
- 最新バージョンの情報
- 主な新機能と特長
最新バージョンの情報
現時点の最新バージョンは、PostgreSQL 15です。(2023年9月時点)
2022年にリリースされ、その後数回のアップデートがおこなわれています。
このバージョンでは、パフォーマンスの最適化が主な焦点でした。
新たに導入された機能や改善点は、ユーザーの経験をさらに向上させることを目指しています。
主な新機能と特長
PostgreSQL 15で追加された新機能を簡単に見ていきましょう。
- 新たな正規表現関数
- 論理レプリケーション
- ログの出力
新たな正規表現関数
PostgreSQL 15では、文字列検索のための正規表で使われる関数が新たに追加されました。
- regexp_count()
- regexp_instr()
- regexp_like()
より高度な検索に対応するデータベースとなったのです。
論理レプリケーション
論理レプリケーションに、競合管理を簡素化する機能が追加されました。
具体的には以下のとおり。
- 競合するトランザクションの再生をスキップ
- エラ検出時に自動的にサブスクリプションを無効にする
PostgreSQLの論理レプリケーションは、特定のテーブルやデータベースオブジェクトを別のPostgreSQLインスタンスに複製する機能です。
ログの出力
PostgreSQL 15では、新たなログ記録形式「jsonlog」が導入。
JSON構造でログデータが出力できる機能です。
PostgreSQLのインストールと使い方
こちらでは、PostgreSQLのインストール方法など始めるために必要な情報をお伝えします。
- インストール方法
- 基本的なコマンド
- GUIツールを使った操作
- WindowsユーザーにおすすめのPostgreSQL
インストール方法
PostgreSQLは、多くのプラットフォームで利用可能です。
各オペレーティングシステムに対するインストールガイドは公式ウェブサイトで利用できます。
また、DockerやVagrantなどのコンテナ化技術を用いたインストールも可能です。
基本的なコマンド
PostgreSQLの操作は、主にコマンドラインからおこないます。
日常的な操作はすべてコマンドラインから可能です。
- データベースの作成
- テーブルの作成
- データの挿入・更新・削除
以下はそれぞれを詳しく解説している記事になります。
データベースの作成
テーブルの作成
データの取得:SELECT
データの挿入:INSERT INTO
そのほか重要なコマンドについて
GUIツールを使った操作
コマンドラインが不慣れなユーザーは、PostgreSQLの操作をGUIでおこなうことも可能です。
pgAdminやDBeaverなどのツールがあり、これらはデータベースの視覚的な管理を可能にします。
WindowsユーザーにおすすめのPostgreSQL
Windowsユーザーにとって、PostgreSQLを使用する最も簡単な方法は、公式ウェブサイトからダウンロードできるインストーラを使用することです。
またpgAdminを使用することで、Windows環境でもPostgreSQLの全機能を視覚的に利用できます。
どのようなシチュエーションでPostgreSQLを選ぶべきか
PostgreSQLは多機能かつ高性能なオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。
以下のようなシチュエーションや要件がある場合に、PostgreSQLを選択することが推奨されます。
- 高度なデータ型のサポート
PostgreSQLは、標準的な数値や文字列型に加えて、JSON/JSONB、配列、hstore(キー・バリューストア)、地理空間データ型(PostGISを使用)などの高度なデータ型をサポートしています。 - 拡張性
PostgreSQLは非常にカスタマイズ可能であり、自分の関数やデータ型、アグリゲート、演算子を作成することが可能です。 - 高い信頼性と可用性
ホットスタンバイやWALベースのレプリケーションなど、高可用性とディザスタリカバリの機能が要求される場合。 - 複雑なクエリと性能
高度な最適化が施されたクエリプランナを持つため、複雑なクエリや大量のデータに対する高速な操作が求められる場合。 - ACID特性
トランザクションの一貫性やデータの耐久性が求められるアプリケーションに適しています。 - オープンソース
ライセンス費用を気にせず、コミュニティのサポートやソースコードのカスタマイズが可能です。 - 複数のプラットフォーム対応
さまざまなOS上で動作する柔軟性が必要な場合。 - 外部データソースとの統合
PostgreSQLのForeign Data Wrappers(FDW)を使用して、他のデータベースや外部のデータソースと統合する必要がある場合。 - セキュリティ
Row-level securityやLDAP、SSPI、Kerberos等の認証オプションが要求される場合。 - 開発コミュニティ
アクティブな開発コミュニティがあり、継続的な機能追加やパフォーマンス改善が期待できます。 - オンプレミスとクラウドの両方での利用
オンプレミスだけでなく、AWS RDSやGoogle Cloud SQLなどのクラウドサービスとしても利用可能です。
上記のような要件やシチュエーションがある場合、PostgreSQLは非常に強力で信頼性の高い選択肢となります。
実際の要件やインフラ、チームの経験などに基づいて、最適なデータベース技術を選択しましょう。
まとめ
PostgreSQLがさまざまなシチュエーションで使えわれる理由は以下のとおり。
- その高度な機能性
- 強力なパフォーマンス
- 優れたセキュリティ
- 広範なオープンソースコミュニティによるサポート能です。
先に示した具体的な成功事例も、PostgreSQLが提供する多様なソリューションと適応性を物語っています。
PostgreSQLの開発は日々進行しています。
公式Webサイトや公式コミュニティを通じて新機能の情報をチェックし、最新バージョンへのアップデートを維持することは重要です。
また、新しいデータ管理ニーズに対応するための拡張機能やプラグインも頻繁にリリースされています。
そのため、PostgreSQLは今後もデータベースソリューションとしての地位を強化し続けると予想されます。