(最終更新日:2023年6月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「Pythonで平均を計算する方法って何だろう?」
「Pythonを使った平均の計算方法を知りたい」
「Pythonで平均を求める実用的な例が見たい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- Pythonによる平均計算の基本
- Pythonを使った平均計算の方法やその応用
- Pythonで平均を求める実例
当記事では、Pythonを用いて平均を計算する基本的な方法から、応用的な手法まで、具体的な例を交えて丁寧に解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
平均値の基本計算方法
まずはPythonを用いた平均値の基本的な計算方法をご紹介します。
- 手計算で平均値を求める方法
- サンプルコード
手計算で平均値を求める方法
Pythonで平均値を手計算で求めるには、すべての数値を足し合わせ(合計)て、数値の数(要素数)で割ります。
この方法は、データが少ない場合や特定のライブラリを使用せずに平均値を求めたい場合に便利です。
numbers = [3, 6, 9, 12, 15] # 数値のリスト
# 合計を計算
total = sum(numbers)
# 要素数を取得
count = len(numbers)
# 平均値を計算
average = total / count
# 結果を出力
print("平均値:", average)
関数化して、いつでも使えるようにしてみました。
def calculate_average(numbers):
total = sum(numbers) # 合計を計算
count = len(numbers) # 要素数を取得
average = total / count # 平均値を計算
return average
numbers = [3, 6, 9, 12, 15] # 数値のリスト
# 平均値を計算
result = calculate_average(numbers)
# 結果を出力
print("平均値:", result)
サンプルコード
こちらも平均値を求めるシンプルな例です。
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
average = sum(numbers) / len(numbers)
print(average) # 出力:3.0
このコードでは、sum()
関数でリストnumbers
の合計を求め、len()
関数で要素数を求めています。
これらを割ることで平均値を計算しています。
統計モジュール(statistics)を使った平均値計算
Pythonの組み込みライブラリであるstatisticsを使用すると、より簡単に平均値を計算できます。
- statisticsモジュールの概要
- statistics.mean()関数の使い方
- サンプルコード
statisticsモジュールの概要
statistics
モジュールはPythonの標準ライブラリの一部であり、基本的な統計演算を提供します。
平均値の計算だけでなく、中央値やモードなどの統計値も計算できるモジュールです。
import statistics
numbers = [3, 6, 9, 12, 15] # 数値のリスト
# 平均値を計算
average = statistics.mean(numbers)
# 結果を出力
print("平均値:", average)
statistics.mean()関数の使い方
このモジュールのmean()
関数は、引数として数値のリストを取り、その平均値を返します。
average = statistics.mean(numbers)
サンプルコード
以下に、statistics.mean()
関数を使用した平均値の計算例を示します。
import statistics
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
average = statistics.mean(numbers)
print(average) # 出力:3.0
このコードでは、statistics.mean()
関数を用いて一行で平均値を計算しています。
numpyモジュールで平均値を計算する
次に、numpy
モジュールを用いた平均値の計算方法について紹介します。
numpy
は数値計算を効率的に行うためのライブラリで、特に大量のデータに対する統計処理に適しています。
- numpyモジュールの概要
- numpy.mean()関数の使い方
- サンプルコード
numpyモジュールの概要
numpy
はPythonの数値計算ライブラリで、高速な配列処理や数学関数などを提供します。
特にデータ分析や機械学習の分野で広く使われています。
import numpy as np
# リストからnumpy配列を作成
numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
arr = np.array(numbers)
# 配列の要素に2を掛ける
result = arr * 2
# 結果を出力
print(result)
numpy.mean()関数の使い方
numpy
のmean()
関数は、数値の配列を引数に取り、その平均値を返します。
average = np.mean(numbers)
サンプルコード
以下に、numpy.mean()
関数を使用した平均値の計算例を示します。
import numpy as np
numbers = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
average = np.mean(numbers)
print(average) # 出力:3.0
このコードでは、numpy.array()
で数値の配列を作成し、np.mean()
関数を用いて平均値を計算しています。
pandasモジュールで平均値を計算する
次に、データ分析ライブラリであるpandasを用いた平均値の計算方法について解説します。
pandasは大量のデータを効率的に扱うためのライブラリで、特に表形式のデータ処理に強いです。
- pandasモジュールの概要
- pandas.DataFrame.mean()関数の使い方
- サンプルコード
pandasモジュールの概要
pandasはPythonのデータ分析ライブラリで、データフレームという表形式のデータを効率的に処理するための機能を提供します。
データの読み込み、加工、分析などに広く用いられています。
import pandas as pd
# 辞書からデータフレームを作成
data = {'Name': ['John', 'Emily', 'Ryan', 'Jessica'],
'Age': [25, 30, 35, 28],
'City': ['Tokyo', 'New York', 'Paris', 'London']}
df = pd.DataFrame(data)
# データフレームの表示
print(df)
pandas.DataFrame.mean()関数の使い方
pandasのデータフレームに対してmean()
関数を適用することで、各列または各行の平均値を計算できます。
average = df.mean()
サンプルコード
以下に、pandasのDataFrame.mean()
関数を使用した平均値の計算例を示します。
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
'A': [1, 2, 3, 4, 5],
'B': [2, 3, 4, 5, 6],
'C': [3, 4, 5, 6, 7]
})
average = df.mean()
print(average)
# 出力:
# A 3.0
# B 4.0
# C 5.0
# dtype: float64
このコードでは、pandasのデータフレームを作成し、df.mean()
関数を用いて各列の平均値を計算しています。
辞書データの平均値計算
Pythonの辞書型データから、平均値を計算する方法も見てみましょう。
辞書型はキーと値のペアを保持するデータ構造で、一部のキーに対応する値の平均値を求める際に便利です。
- 辞書データとは
- Pythonで辞書データの平均値を求める方法
- サンプルコード
辞書データとは
辞書データとは、Pythonのデータ構造の一つで、キーと値のペアを要素として保持します。
辞書のキーは一意でなければならず、そのキーを使って対応する値にアクセスできます。
# 辞書の作成
student_scores = {
'John': 85,
'Emily': 92,
'Ryan': 78,
'Jessica': 90
}
# 辞書の操作
print(student_scores['John']) # キーを指定して値を取得
student_scores['Ryan'] = 80 # キーを指定して値を更新
del student_scores['Emily'] # キーを指定して要素を削除
# 辞書の表示
print(student_scores)
# 辞書の作成
student_scores = {
'John': 85,
'Emily': 92,
'Ryan': 78,
'Jessica': 90
}
# 辞書の操作
print(student_scores['John']) # キーを指定して値を取得
student_scores['Ryan'] = 80 # キーを指定して値を更新
del student_scores['Emily'] # キーを指定して要素を削除
# 辞書の表示
print(student_scores)
Pythonで辞書データの平均値を求める方法
辞書の値から平均値を計算する場合、辞書のvalues()メソッドを使って値のリストを取得し、その上で平均値を計算します。
average_score = sum(辞書名.values()) / len(辞書名)
サンプルコード
以下に、Pythonの辞書データから平均値を計算するサンプルコードを示します。
student_scores = {
'John': 85,
'Emily': 92,
'Ryan': 78,
'Jessica': 90
}
average_score = sum(student_scores.values()) / len(student_scores)
print("平均値:", average_score)
このコードでは、辞書の全ての値の合計を求めて要素数で割ることで平均値を計算しています。
重み付け平均の計算方法
重み付き平均の計算について解説します。
重み付き平均は各値が重み(または確率)に基づいて平均化されるため、全ての値が等しい重要性を持たない場合に使われる方法です。
- 重み付け平均とは
- Pythonで重み付け平均を求める方法
- サンプルコード
重み付け平均とは
重み付き平均は、各値に対する重みを考慮に入れて計算される平均値です。
これは、全ての値が等しい重要性を持たない場合や、値の出現確率が異なる場合に用いられます。
例はこちら。
- 複数の指標や要素の重要度が異なる場合: 商品の評価や評価指標の重み付け平均
- 出現確率が異なる場合: 商品の売り上げにおいて、高価な商品と低価格な商品の売上割合が異なる場合
Pythonで重み付け平均を求める方法
Pythonで重み付き平均を求めるには、各値をその重みで乗算し、その合計を重みの合計で割ります。
weighted_avg = weighted_average(values, weights)
サンプルコード
以下に、Pythonのリストデータから重み付き平均を計算するサンプルコードを示します。
def weighted_average(values, weights):
total = 0
weight_sum = 0
for i in range(len(values)):
total += values[i] * weights[i]
weight_sum += weights[i]
if weight_sum == 0:
return 0
return total / weight_sum
# サンプルデータ
values = [4, 5, 6] # 各要素の値
weights = [0.3, 0.5, 0.2] # 各要素の重み
# 重み付き平均を計算
weighted_avg = weighted_average(values, weights)
print("重み付き平均:", weighted_avg)
このコードでは、各値とその重みを掛け合わせて合計し、その合計を重みの合計で割って重み付き平均を求めています。
浮動小数点数での平均値計算
こちらでは、Pythonで浮動小数点数の平均値を計算する方法について解説します。
- 浮動小数点数とは
- Pythonで浮動小数点数の平均値を求める方法
- サンプルコード
浮動小数点数とは
浮動小数点数とは、実数を表現するための数値型の一つです。
浮動小数点数は、整数部と小数部を持ち、非常に大きな数値や非常に小さな数値を表現することが可能です。
- 3.14 – 円周率 π を表現した浮動小数点数
- 2.71828 – 自然対数の底 e を表現した浮動小数点数
- 1.23456789012345 – 長い小数部を持つ浮動小数点数
- 1000000.0 – 大きな数値を表現した浮動小数点数
- 0.0000001 – 小さな数値を表現した浮動小数点数
Pythonで浮動小数点数の平均値を求める方法
Pythonで浮動小数点数の平均値を求める方法は整数の平均値を求める方法と基本的には同じです。
すべての数値を足し合わせて、その合計を数値の数で割ります。
numbers = [3.5, 6.2, 9.8, 12.1, 15.3] # 浮動小数点数のリスト
# 合計を計算
total = sum(numbers)
# 要素数を取得
count = len(numbers)
# 平均値を計算
average = total / count
# 結果を出力
print("平均値:", average)
サンプルコード
以下に、Pythonの浮動小数点数のリストから平均値を計算するサンプルコードを示します。
float_list = [1.0, 2.2, 3.3, 4.4, 5.5]
average = sum(float_list) / len(float_list)
print(average)
# 出力:3.28
このコードでは、sum()
関数を使用して浮動小数点数のリストの合計を計算し、その後、len()
関数を使用してリストの長さ(つまり、要素の数)を求め、合計を要素数で割ることにより、平均値を計算しています。
応用例
最後に応用例を見ていきましょう。
具体的な使い方がわかれば、より使いこなすのが簡単になります。
- 各方法の使い分けと選択基準
- 平均値を利用したデータ分析の例
各方法の使い分けと選択基準
ここまで、Pythonで平均値を計算するためのさまざまな方法について学びました。
それぞれの方法は異なる状況やデータタイプに対して最適です。
どの方法を選択するかは、あなたの特定のニーズや状況によるところが大きいです。
シンプルな平均値計算(整数型リスト)
numbers = [5, 10, 15, 20, 25] # 整数のリスト
# シンプルな平均値計算
average = sum(numbers) / len(numbers)
print("シンプルな平均値:", average)
この方法は、整数のリストの平均値を求める際に使用します。リストの要素を全て足し合わせ、要素数で割ることで平均値を計算します。
加重平均値計算(浮動小数点数型リスト)
numbers = [3.5, 6.2, 9.8, 12.1, 15.3] # 浮動小数点数のリスト
weights = [0.1, 0.2, 0.3, 0.2, 0.2] # 各数値の重みのリスト
# 加重平均値計算
weighted_average = sum(num * weight for num, weight in zip(numbers, weights)) / sum(weights)
print("加重平均値:", weighted_average)
この方法は、各数値に対して重みがある場合に使用します。リストの数値と重みを要素ごとに掛け合わせ、それらの合計を重みの合計で割ることで加重平均値を計算します。
統計モジュールを使用した平均値計算
import statistics
numbers = [5, 10, 15, 20, 25] # 整数のリスト
# 統計モジュールを使用した平均値計算
average = statistics.mean(numbers)
print("統計モジュールを使用した平均値:", average)
この方法は、Pythonの統計モジュールを使用して平均値を計算します。統計モジュールには、平均値を求めるためのmean()
関数が用意されています。
平均値を利用したデータ分析の例
平均値は、データの集中傾向を理解するための基本的な統計指標です。
たとえば、販売データの平均値を計算することで、一定期間にわたる売上の平均レートを把握できます。
また、ユーザーのWebサイト滞在時間の平均値を計算することで、ユーザーエクスペリエンスの理解を深めることも可能です。
以下に、それぞれ販売データとWebサイト滞在時間の平均値を計算する例を示します。
販売データの平均値計算
sales_data = [1000, 2000, 1500, 3000, 2500] # 販売データのリスト
# 販売データの平均値計算
average_sales = sum(sales_data) / len(sales_data)
print("販売データの平均値:", average_sales)
この例では、販売データのリストを使って平均値を計算しています。リストの要素を足し合わせ、要素数で割ることで平均値を求めます。
ユーザーのWebサイト滞在時間の平均値計算
time_on_site = [120, 180, 90, 150, 200] # ユーザーのWebサイト滞在時間のリスト
# ユーザーのWebサイト滞在時間の平均値計算
average_time = sum(time_on_site) / len(time_on_site)
print("ユーザーのWebサイト滞在時間の平均値:", average_time)
この例では、ユーザーのWebサイト滞在時間のリストを使って平均値を計算しています。リストの要素を足し合わせ、要素数で割ることで平均値を求めます。
まとめ
Pythonで平均値を計算する方法についての基本的な知識を身につけたことで、より高度な統計分析やデータ解析が可能になります。
この基本的なスキルをベースに、データの集約、分析、可視化の技術を学ぶと、さらに広範なデータ分析の知識を身につけられるでしょう。
また、Pythonでデータ分析を行うためのライブラリであるPandasやNumPyの公式ドキュメントも参考になります。
これらのライブラリを使いこなすことで、より複雑なデータ分析や処理が可能です。