(最終更新日:2023年10月)
✔当記事がお役立てる方
「Apache License 2.0とは何なのだろう?」
「Apache License 2.0の要点を知りたい」
「Apache License 2.0の具体的な内容を確認したい。」
✔当記事を通じて伝える情報
- Apache License 2.0の概要
- Apache License 2.0の主なポイントとその詳細
- Apache License 2.0の具体的な内容
当記事は、Apache License 2.0の基本的な理解から、その詳細な内容まで、実例を交えて解説していきます。
ぜひ、最後までお読みください。
Apache License 2.0の基本理解
こちらでは、Apache License 2.0の基本的な内容と、それに出会う具体的な状況について説明します。
- Apache License 2.0とは
- どこでApache License 2.0に出会うか?
Apache License 2.0の詳細解説
Apache License 2.0は、Apacheソフトウェア財団が作成したフリーソフトウェアライセンスです。
他人が自由に使用、修正、配布できるように、オリジナルの作品を保護します。
つまり、あなたが作成したソフトウェアにApache License 2.0を適用すると、そのソフトウェアは「オープンソースソフトウェア」として他人の使用を許可することになります。
どこでApache License 2.0に出会うか?
Apache License 2.0は、多くのオープンソースプロジェクトで使用されています。
例えば、Apache Software Foundationが開発したApache HTTP ServerやApache Luceneなどがこれに該当します。
また、GitHubで公開されている多くのリポジトリでも、このライセンスが利用されています。
Apache License 2.0の使用条項
こちらでは、Apache License 2.0の具体的な使用条項について、その許諾事項、禁止事項、使用上の警告と注意点を中心に説明します。
- 利用状況:許諾事項
- 利用の制限:禁止事項
- 必読:使用上の警告と注意点
利用状況:許諾事項
Apache License 2.0は、以下の行為を許諾します。
- 商用利用
- 修正
- 配布
- 特許クレームへの利用
- プライベート利用
これは、Apache License 2.0を適用したソフトウェアを自由に使用・変更・再配布が許されることを意味します。
利用の制限:禁止事項
Apache License 2.0は、使用者に対して以下の行為を制限します。
- ライセンスと著作権表記の削除
- Apacheソフトウェア財団の商標使用
つまり、再配布時や変更時には、オリジナルのライセンスと著作権表記を保持する必要があります。
必読:使用上の警告と注意点
Apache License 2.0は、そのソフトウェアを使用することで発生するいかなる損害に対しても、作者や著作権者が責任を負わないことを明示しています。
またソフトウェアは「現状有姿」で提供され、明示的または黙示的な保証は一切ありません。
これらのことを理解することは、オープンソースソフトウェアを安全に使用し、また他人に提供する際の法的リスクを減らすために非常に重要です。
Apache License 2.0を活用するときのステップ
Apache License 2.0の理解が進んだところで、次はその活用方法について見ていきましょう。
具体的には、ソフトウェアを再配布する際の実施要項と、Apache License 2.0の適用方法について詳しく説明します。
- 再配布する際の実施要項
- Apache License 2.0の適用方法
再配布する際の実施要項
Apache License 2.0に基づいてソフトウェアを再配布する場合、以下のステップを遵守する必要があります。
- 「LICENSE」ファイルをそのまま同梱
- NOTICEファイルの作成
1. 「LICENSE」ファイルをそのまま同梱
これにより、ライセンスを適用することをユーザーに明示します。
# ファイルをコピーするコマンド
cp /path/to/original/LICENSE /path/to/distribution
2. NOTICEファイルの作成
あなたが改変した部分が分かるように、「NOTICE」ファイルを作成します。
このファイルには、変更した日付や内容を記載してください。
# NOTICEファイルの作成
echo "Changes made on (date) : (description of changes)" > /path/to/distribution/NOTICE
Apache License 2.0の適用方法
自分が作成したソフトウェアにApache License 2.0を適用するには、以下のような手順を踏みます。
- LICENSEファイルの作成
- ライセンスヘッダーの追加
1. LICENSEファイルの作成
プロジェクトのルートディレクトリに「LICENSE」ファイルを作成し、その中にApache License 2.0の全文をコピーします。
Apacheソフトウェア財団の公式サイトからライセンスの全文を取得できます。
# Apache License 2.0の全文をダウンロードするコマンド
curl https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0.txt > /path/to/your/project/LICENSE
2. ライセンスヘッダーの追加
プロジェクトの各ファイルに、短いライセンスヘッダーを追加します。
これにより、そのファイルがApache License 2.0によってライセンスされていることを明示します。
例えば、Pythonファイルの場合、以下のようなヘッダーをファイルの先頭に追加します。
"""
Copyright [year] [name of copyright owner]
Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
you may not use this file except in compliance with the License.
You may obtain a copy of the License at
http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
"""
これにより、Apache License 2.0の適用が完了です。
ソフトウェアの利用者は、これらの情報からそのソフトウェアがApache License 2.0に基づいて使用可能であることを理解できます。
比較:Apache License 2.0とほかのライセンス
ここでは、Apache License 2.0と他の主要なオープンソースライセンスとの比較をしていきます。
それぞれの特性を理解することで、どのライセンスが自分のプロジェクトに最適なのか考えられるようになるでしょう。
- MIT License
- GNU General Public License (GPL)
MIT Licenseとの比較
ポイントは以下の3つです。
- 自由度
MIT Licenseは、非常にシンプルで制約の少ないライセンスです。これに対して、Apache License 2.0も同様にフレキシブルですが、特許に関する条項が追加されています。 - 特許
Apache License 2.0は、特許に関する明確な条項を持ち、コントリビューターが自らの貢献に関する特許をライセンスに付与することを明確にします。MIT Licenseにはこのような条項はありません。 - 表示
どちらのライセンスも、著作権表示やライセンスの内容を保持することが必要です。
GNU General Public License (GPL)との比較
以下の3つの視点から比較してみます。
- コピーレフト
GPLはコピーレフトの性質を持つライセンスで、GPLのコードを使用したり、変更したりする場合、派生作品もGPLで公開する必要があります。Apache License 2.0にはこのような要求はありません。 - 互換性
GPLとApache License 2.0は完全に互換性があるわけではありません。Apache License 2.0のコードをGPLのプロジェクトに組み込むことは可能ですが、逆は難しい場面が多いです。 - 特許
Apache License 2.0の特許に関する条項は、GPLv3と似たものがありますが、GPLv2とは異なる点が多いです。
まとめ
Apache License 2.0は、Apacheソフトウェア財団が作成したフリーのソフトウェアライセンス。
自由に使用、修正、配布できるように、もとの作品を保護するものです。
ほかのライセンスと比較しながら、ご自身のプロダクトに適したものを選びましょう。