【PostgreSQL】INSERT INTOコマンドの使い方

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(最終更新日:2023年9月)

✔このような方へ向けて書かれた記事となります

「PostgreSQLでINSERT INTO文をどのように使うのか知りたい」
「INSERT INTO文を使ってデータを追加する方法を学びたい」
「PostgreSQLでデータを追加する実例を見たい」

✔当記事を通じてお伝えすること

  • PostgreSQLのINSERT INTO文の基本
  • INSERT INTO文を使ったデータの追加方法やその応用
  • PostgreSQLでデータを追加する実例

当記事では、PostgreSQLのINSERT INTO文の基本だけでなく、データの追加方法や応用技術まで、具体例を用いて丁寧に解説しています。

ぜひ最後までご覧いただき、PostgreSQLでのデータ操作をマスターしましょう。

筆者プロフィール

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「プログラミング × ライティング × 営業」の経験を活かし、30後半からのIT系職へシフト。現在はプロダクトマネージャーとして、さまざまな関係者の間に入り奮闘してます。当サイトでは、実際に手を動かせるWebアプリの開発を通じて、プログラミングはもちろん、IT職に必要な情報を提供していきます。

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PostgreSQLのinsetを理解するための前提知識

“INSERT INTO”はデータベースに新たなデータを追加するための基本的なコマンド。

その使用方法を理解することで、データベース操作が一段とスムーズになります。

  • Postgres(PostgreSQL)とは
  • “INSERT INTO”の重要性

Postgres(PostgreSQL)とは

PostgreSQLは、世界中で広く利用されているオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。

主な特徴は以下のとおり。

  • 高度なSQL標準への準拠
  • 豊富な機能
  • 高い拡張性
  • スケーラビリティ

小規模なアプリケーションから大規模なエンタープライズシステムまで、幅広い用途で利用されています。

“INSERT INTO”の重要性

データベースとは、さまざまなデータを効率的に管理し、必要なときにすばやくアクセスできるようにするもの。

データベースを活用するためには、まずデータをデータベースに追加することが必要です。

そのために最も一般的に使われるSQLコマンドが”INSERT INTO”です。

“INSERT INTO”を理解し、正しく活用できることは、データベース管理の基本ともいえます。

データの追加方法

ここでは、Postgresでデータを追加する基本的な方法について詳しく説明します。

“INSERT INTO”の基本的な構文から一歩一歩、見ていきましょう。

  • INSERTの基本構文
  • デフォルト値を使用してデータを追加
  • 一括追加: 複数データの同時挿入

INSERTの基本構文

“INSERT INTO”コマンドの基本的な構文は次のようになります。

INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2, ...) VALUES (値1, 値2, ...);

例えば、”users”テーブルに新たなユーザーデータを追加する場合、以下のように記述します。

INSERT INTO users (name, email) VALUES ('John Doe', 'john.doe@example.com');

デフォルト値を使用してデータを追加

テーブル定義にデフォルト値を設定すると、便利な場合があります。

なぜなら必要なカラムだけに、データを追加するだけでよくなるからです。

例えば、”users”テーブルの”created_at”カラムにデフォルト値として現在の日時が設定されている場合、次のように記述できます。

INSERT INTO users (name, email) VALUES ('John Doe', 'john.doe@example.com');

上記のSQLを実行すると、”created_at”カラムには現在の日時が自動的に設定されます。

一括追加: 複数データの同時挿入

“INSERT INTO”コマンドは、一度に複数のデータを追加することも可能です。

大量のデータを効率的にデータベースに追加することが可能となります。

INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2, ...)
VALUES (値1_1, 値1_2, ...),
       (値2_1, 値2_2, ...),
       ...

例えば、”users”テーブルに複数のユーザーデータを一度に追加する場合は、以下のように記述します。

INSERT INTO users (name, email)
VALUES ('John Doe', 'john.doe@example.com'),
       ('Jane Smith', 'jane.smith@example.com'),
       ('Richard Roe', 'richard.roe@example.com');

上記のコマンドを実行すると、3人分のユーザーデータが一度に”users”テーブルに追加されます。

このような一括追加は大量のデータを取り扱う際に特に有用で、効率的なデータ操作を実現します。

より効率的なデータ追加

次に、より効率的にデータを追加するためのテクニックについて紹介します。

すべてのカラムのデフォルト値を活用する方法から、PostgreSQLの拡張機能を利用したデータ追加の方法まで、具体的に見ていきましょう。

  • すべてのカラムのデフォルト値を活用
  • PostgreSQLの拡張機能を利用したデータ追加

全カラムのデフォルト値を活用

“INSERT INTO”コマンドでカラム名を指定しない場合、以下のような動作となります。

  • 全カラムが選択される
  • それぞれのカラムに設定されたデフォルト値が使用される

これにより、特定の値を設定したいカラムだけを指定し、他のカラムはすべてデフォルト値を使用するというデータ追加が可能になります。

例えば、”users”テーブルの全カラムにデフォルト値が設定されている場合、次のように記述できます。

INSERT INTO users DEFAULT VALUES;

上記のコマンドを実行すると、全てのカラムがデフォルト値で新たな行が作成されます。

PostgreSQLの拡張機能を利用したデータ追加

PostgreSQLには、データ追加を助ける多数の拡張機能があります。

ここでは、”UUID”や”JSON”型を用いたデータ追加について触れてみましょう。

  • UUID型
  • JSON型

UUID型

全世界で一意の識別子を生成するためのデータ型。

主に主キーやユニークな識別子を生成するもの。

“UUID”を使用したデータ追加は以下のようにおこないます。

INSERT INTO users (uuid, name, email)
VALUES (uuid_generate_v4(), 'John Doe', 'john.doe@example.com');

この例では、uuid_generate_v4()関数を使用して新しいUUIDを生成し、そのUUIDを持つ新しいユーザーデータを”users”テーブルに追加しています。

JSON型

“JSON”型を使用すると、構造化されたデータを一つのカラムに保存することが可能となります。

例えば、ユーザーの属性情報をひとつの”attributes”カラムにJSON形式で保存可能です。

INSERT INTO users (name, email, attributes)
VALUES ('John Doe', 'john.doe@example.com', '{"age": 30, "city": "Tokyo"}'::json);

この例では、”attributes”カラムに年齢と都市を表すJSONデータを保存しています。

これらの拡張機能を活用することで、より柔軟かつ効率的なデータ追加が可能になります。

エラー対策とトラブルシューティング

“INSERT INTO”コマンドを使う際には、さまざまなエラーに遭遇することがあります。

ここでは、よくあるエラーメッセージとそれに対する対処法について見ていきましょう。

  • よくあるエラーメッセージと対処法
  • ログ確認でトラブルを解決

よくあるエラーメッセージと対処法

“INSERT INTO”コマンドを使用する際によく見かけるエラーメッセージのひとつはこちら。

column "xxx" of relation "yyy" does not exist

このエラーは、存在しないカラム名を指定した場合に発生します。

対処法としては、以下のようなことをチェックし、正しいカラム名を指定することです。

  • カラム名のスペルミス
  • 大文字小文字の違い
  • アンダースコアの有無

もうひとつの一般的なエラーメッセージとして、以下のようなものもあります。

null value in column "xxx" violates not-nullconstraint

このエラーは、NULLが許可されていないカラムに対してNULLを挿入しようとした場合に発生します。

対処法は、以下のとおり。

  • NULLではなく適切な値を指定する
  • カラムの定義を変更してNULLを許容する

ログ確認でトラブルを解決

エラーメッセージだけでは対処法がわからない場合は、Postgresのログを確認しましょう。

ログにはSQLコマンドの実行結果だけでなく、以下のような情報が含まれているからです。

  • エラーメッセージ
  • 実行時間
  • その他のシステム情報

ログは通常、Postgresがインストールされているサーバの特定のディレクトリに保存されます。

そのディレクトリはPostgresの設定ファイルで定義されており、その場所を確認することでログファイルにアクセス可能です。

ログの情報を元に、エラーの原因を特定し、適切な対策を講じることができます。

実践編・”INSERT INTO”活用ガイド

ここでは、”INSERT INTO”を実際のアプリケーションでどのように活用するか、またその最適化のテクニックやパフォーマンス向上のポイントについて解説します。

理論だけでなく、実践的なスキルも身につけていきましょう。

  • アプリケーションでのデータ挿入
  • “INSERT INTO”の最適化テクニック
  • パフォーマンス向上のポイント

アプリケーションでのデータ挿入

アプリケーション開発におけるデータベース操作では、”INSERT INTO”コマンドを使ってデータを追加するシーンが頻繁にあります。

例としては以下のような場面です。

  • ユーザーの登録情報の保存
  • ユーザーの行動履歴の記録
  • 顧客の注文データの保管

例えば、Pythonのpsycopg2ライブラリを使用してPostgresにデータを挿入する場合は、以下のように記述します。

import psycopg2

# データベースに接続
conn = psycopg2.connect("dbname=test user=postgres password=secret")

# カーソルを取得
cur = conn.cursor()

# SQLコマンドを実行
cur.execute(
"INSERT INTO users (name, email) VALUES (%s, %s)", ('John Doe', 'john.doe@example.com')
)

# 変更をコミット
conn.commit()

# カーソルと接続を閉じる
cur.close()
conn.close()

このスクリプトはPythonプログラムからPostgreSQLデータベースに接続し、”users”テーブルに新しいユーザーデータを追加するものです。

エラーハンドリングは省略していますが、実際のアプリケーションでは適切なエラーハンドリングを行うことが重要です。

“INSERT INTO”の最適化テクニック

大量のデータを追加する場合、”INSERT INTO”コマンドの性能を向上させるためのテクニックがいくつか存在します。

以下はその一部です。

  1. 一括挿入
  2. UNLOGGED テーブル
  3. WAL (Write-Ahead Logging) の調整
  4. インデックスの一時的な無効化
  5. COPY コマンドの使用
  6. メンテナンスワーク
  7. パーティショニング
  8. ハードウェアの最適化

1. 一括挿入

複数の行を一度に挿入することで、トランザクションのオーバーヘッドを減少させることができます。

   INSERT INTO table_name (column1, column2, column3, ...)
   VALUES
   (value1, value2, value3, ...),
   (value1, value2, value3, ...),
   ...
   ;

2. UNLOGGED テーブル

一時的にログを無効にすることで、挿入のパフォーマンスを向上させられます。

ただし、クラッシュ時のデータの耐久性が低下することへの考慮が必要です。

3. WAL (Write-Ahead Logging) の調整

commit_delaycommit_siblings などの設定を調整することで、WALの書き込みのパフォーマンスを向上させられます。

commit_delaycommit_siblings は、PostgreSQLのトランザクションコミットの振る舞いを調整するための設定。

commit_delay

この設定は、他のトランザクションがコミットを待っている場合に、WALの書き込みを遅延させる時間(マイクロ秒単位)を指定するもの。

ほかのトランザクションとのWALの書き込みをグループ化することで、ディスクI/Oのオーバーヘッドを減少させられます。

commit_delay を 5000(5ミリ秒)に設定する方法はこちら。

sql ALTER SYSTEM SET commit_delay = 5000;
commit_siblings

この設定は、commit_delay が有効になる前に、どれだけのトランザクションがコミットを待っている必要があるかを指定します。

例えば、commit_siblings を 5 に設定した場合、5つのトランザクションがコミットを待っていると、commit_delay が有効になります。

commit_siblings を 5 に設定する場合はこちら。

sql ALTER SYSTEM SET commit_siblings = 5;

4. インデックスの一時的な無効化

大量のデータを挿入する際に、インデックスの更新がボトルネックとなる場合があります。

インデックスを一時的に無効化し、データの挿入後に再度有効化することで、パフォーマンスが向上するのです。

5. COPY コマンドの使用

大量のデータを挿入する場合、COPY コマンドを使用することで、高速にデータをテーブルにロードできます。

6. メンテナンスワーク

VACUUMANALYZE などのメンテナンスワークを定期的に実行することで、データベースの健全性を保ち、パフォーマンスを向上させられます。

7. パーティショニング

テーブルのパーティショニングを使用することで、全体のパフォーマンスを向上させられます。

なぜなら特定のパーティションにのみデータを挿入できるからです。

8. ハードウェアの最適化

SSDの使用や、十分なRAMの確保、適切なCPUの選択など、ハードウェアの最適化も挿入のパフォーマンス向上に寄与します。

これらの方法を適切に組み合わせることで、PostgreSQLの”INSERT INTO”コマンドのパフォーマンスを大幅に向上させられます。

まとめ

当記事で解説してきたことは以下のとおりです。

  • PostgreSQLの”INSERT INTO”コマンドの基本的な使い方
  • INSERT INTOの応用的な利用法
  • エラーハンドリングやパフォーマンス向上のテクニック

これらの知識をもとに、データベース操作を行う際の理解とスキルを深めていただければと思います。

データベース操作はアプリケーション開発において重要なスキルです。

特にデータの追加は、ユーザーの情報を保存したり、アプリケーションの利用履歴を記録するなど、多くの場面で必要とされます。

そのため、”INSERT INTO”コマンドの使い方を理解し、適切に活用することが重要です。

本ガイドがあなたの学習に役立つことを願っています。

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