(最終更新日:2023年8月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「Ubuntu上でPythonをどのように使うのか知りたい」
「UbuntuにPythonをインストールする方法が分からない」
「UbuntuでPythonを活用した実例が見たい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- Ubuntu上でのPythonの基本
- Pythonのインストール方法や設定手順
- Ubuntuを使用したPythonの実例
当記事では、Ubuntu上でのPythonの基本からインストールや設定方法、さらには具体的な実例まで詳細に解説しています。
最後までお付き合いいただき、ぜひUbuntuでのPython活用をマスターしてください。
UbuntuとPythonの基礎知識
次に、UbuntuとPythonの基礎知識について説明します。
- Ubuntuとは
- Pythonのバージョンについて
- Pythonが選ばれる理由
- UbuntuとPythonの相性
Ubuntuとは
Ubuntuは、使いやすさを重視したLinuxディストリビューションのひとつです。
コミュニティによって開発され、企業によるサポートも充実しています。
そのため、初めてLinuxを使う人でも安心して利用可能です。
著者も自身のPCは、Ubuntuです。
開発をするには、サーバー環境などとも同じなので、とても便利。
Pythonのバージョンについて
Pythonには、2.x系と3.x系の2つの主要なバージョンが存在します。
現在は3.x系が主流であり、こちらは、3.x系のPythonを前提とした記事です。
$ python --version
Python 3.8.10
Pythonが選ばれる理由
Pythonが多くの開発者に選ばれている理由はいくつかあります。
ひとつはその簡潔で読みやすいコードです。
例として、以下が”Hello, World!”を出力するコード。
print("Hello, World!")
一見して何をおこなうコードか理解できますね。
また、Pythonは豊富な標準ライブラリと強力なサードパーティのライブラリも人気の理由です。
Pythonは幅広い分野で、活躍しています。
- ウェブ開発
- データ分析
- AI開発
さらにPythonは非常にコミュニティが活発で、質問や問題があった際には多くの情報がインターネット上に公開されています。
これらの情報により、困ったときにすぐに解決策を見つけることが可能です。
UbuntuとPythonの相性
UbuntuとPythonは、非常に相性が良いです。
Ubuntuには、デフォルトでPythonがインストールされていて、新たにインストールする必要がありません。
さらにUbuntuもPythonもオープンソースであり、共にコミュニティが活発で情報が豊富に見つかります。
Ubuntu環境でのPython準備
Pythonを使い始める前に、Ubuntu環境での準備について説明します。
- ターミナルを起動
- Pythonのインストール確認
- Pythonバージョン確認方法
ターミナルを起動
Ubuntuでは、ターミナルでコマンドを実行します。
Desktop版のUbuntuであれば、以下の方法で起動可能です。
- 左上の「アクティビティ」から検索
- 「Ctrl + Alt + T」のショートカットキー
もしショートカットキーが上手くいかないようであれば、設定 > キーボードショートカット、で変更しましょう。
ターミナルは、Linuxの操作を行うための重要なツールですので、まずはこのターミナルの使い方に慣れていきましょう。
Pythonのインストール確認
UbuntuにはデフォルトでPythonがインストールされています。
インストールされているかを確認するには、ターミナルで次のようなコマンドを実行しましょう。
python3 --version
これにより、Pythonのバージョンが表示されれば、Pythonが正しくインストールされていることが確認できます。
インストールができていない方はこちらの記事を参考に用意してください。
Pythonバージョン確認方法
Pythonのバージョンは、ターミナル上で以下のコマンドを実行することで確認できます。
python3 --version
このコマンドを実行すると、Pythonのバージョンが表示されます。
例えば、「Python 3.8.10」などと表示される場合、インストールされているPythonのバージョンは3.8.10であることを示します。
Pythonを導入してみよう
次に、Pythonの導入方法について説明します。
- ライブラリ等のインストール
- ソースコードダウンロードと展開
- ビルドとインストール
ライブラリ等のインストール
Pythonを導入する前に、必要なライブラリをインストールします。
以下のコマンドをターミナルで実行しましょう。
sudo apt update
sudo apt install -y build-essential zlib1g-dev libncurses5-dev libgdbm-dev libnss3-dev libssl-dev libreadline-dev libffi-dev wget
これらのライブラリはPythonのビルドに必要なもので、これらをインストールすることでPythonをUbuntuに導入する準備が整います。
ソースコードダウンロードと展開
次に、Pythonのソースコードをダウンロードします。
Python 3.9.1をダウンロードする場合、以下のようなコマンドをターミナルで実行しましょう。
wget https://www.python.org/ftp/python/3.9.1/Python-3.9.1.tgz
tar xvf Python-3.9.1.tgz
これにより、Python 3.9.1のソースコードがダウンロードされ、展開されます。
ビルドとインストール
ダウンロードしたPythonのソースコードをビルドし、Pythonをインストールします。
以下のコマンドをターミナルで実行してください。
cd Python-3.9.1
./configure --enable-optimizations
make
sudo make alt install
これにより、Python 3.9.1がUbuntuにインストールされます。
Pythonバージョン切り替え
Pythonを使用する際には、使用するバージョンを切り替えることがしばしばあります。
バージョン切り替えの方法について説明します。
- 使用中バージョン確認
- バージョン登録と切り替え
- リスト・バージョン確認方法
使用中バージョン確認
使用中のPythonのバージョンは、以下のコマンドで確認できます。
python3 --version
このコマンドを実行すると、現在使用中のPythonのバージョンが表示されます。
バージョン登録と切り替え
Pythonのバージョン切り替えは、pyenvというツールを使うのが一般的です。
pyenvを使用すれば、複数のPythonのバージョンを簡単に切り替えられます。
pyenvのインストールは以下のコマンドです。
sudo apt install -y pyenv
インストール後、以下のコマンドでPythonのバージョンを登録し、切り替えます。
pyenv install 3.8.5 # Python 3.8.5をインストール
pyenv global 3.8.5 # デフォルトのPythonバージョンを3.8.5に設定
これにより、Pythonのバージョンを自由に切り替えることができます。
リスト・バージョン確認方法
pyenvを使ってインストールしたPythonのバージョン一覧を表示するには、以下のコマンドを実行します。
pyenv versions
このコマンドを実行すると、インストールしたPythonのバージョン一覧が表示され、現在使用中のバージョンにはアスタリスク(*)が表示されます。
Pythonの基本操作
Pythonの基本的な操作方法について説明します。
- print関数と数値型
- インタラクティブシェルでの操作
- スクリプトファイル作成と実行
print関数と数値型
Pythonでは、print関数を使ってコンソールに文字列や数値を出力できます。
以下はその例です。
print("Hello, World!")
print(123)
これにより、”Hello, World!”と123が出力されます。
Pythonの数値型には、整数型(int)と浮動小数点型(float)があります。以下はその例です。
print(10) # 整数型
print(3.14) # 浮動小数点型
インタラクティブシェルでの操作
Pythonのインタラクティブシェルを起動するには、ターミナルでpython3
と入力しましょう。
Pythonのプロンプト(>>>
)が表示され、ここでPythonのコードを一行ずつ実行できます。
例えば、簡単な計算をしてみましょう。
python3
>>> 2 + 2
4
>>> 10 * (5 + 2)
70
>>> quit()
quit()
を実行すると、インタラクティブシェルを終了できます。
スクリプトファイル作成と実行
Pythonでより大きなプログラムを作成する際には、スクリプトファイル(.pyファイル)を作成します。
“Hello, World!”を出力するPythonのスクリプトを作成し、それを実行する手順です。
1.nano
コマンドで、新しいPythonファイルを作成
nano hello.py
2.コードを入力
print("Hello, World!")
Ctrl + X
を押してからY
を押し、Enter
を押すことでファイルを保存します。
3.Pythonスクリプトの実行
以下のコマンドを入録してください。
python3 hello.py
このコマンドを実行すると、”Hello, World!”が出力されます。
開発環境と仮想環境
効率的なPython開発のために、開発環境の選択と仮想環境の利用について説明します。
- おすすめエディタ
- 仮想環境の利用
- pipを活用する
おすすめエディタ
Pythonのコードを書くにあたり、適切なテキストエディタを選択することが重要です。
高機能なテキストエディタには、以下のような機能が備わっています。
- 自動補完
- デバック
- リファクタリング
多機能なIDE(Integrated Development Environment)から、シンプルなテキストエディタまで選択肢は広範にわたります。
ここではUbuntuでよく用いられる、VSCodeとPyCharmを紹介します。
VSCode
Microsoftが開発した無料のエディタで、多言語に対応しています。
Pythonの拡張機能をインストールすれば、自動補完やデバッグ、リファクタリングなどPython開発に必要な機能が利用できます。
必要に応じて、機能を増やしたり、減らしたりできるので、これからも言語やおこなうことの幅を広げていきたい方にピッタリといえるツールです。
PyCharm
Python専用のIDEで、無料版のCommunity Editionと有料版のProfessional Editionがあります。
Python開発に特化しているため、豊富な機能が利用可能。
ただしその分リソースを消費するため、PCの性能によっては動作が重くなることがあります。
自身のPCスペックと相談し、活用してみるのも良いでしょう。
仮想環境の利用
Pythonの開発では、プロジェクトごとに使用するライブラリやバージョンを管理すべきです。
開発の時期や環境により、バージョンなどが異なってしまうと、同じコードで動作しない場合があります。
ただしプロジェクトごとに全てグローバルな環境で管理するのは、ほぼ不可能といって良いでしょう。
実践では、仮想環境の構築がおすすめです。
まず、以下のコマンドで新しい仮想環境を作成します。
python3 -m venv myenv
次に、以下のコマンドで仮想環境をアクティブにします。
source myenv/bin/activate
この状態でPythonパッケージをインストールすると、それらはこの仮想環境内にインストールされます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
pipを活用する
Pythonのパッケージ(ライブラリ)をインストールする際には、pipというツールを使います。
これはPythonの公式パッケージ管理ツールで、Pythonのさまざまなライブラリを簡単にインストールできます。
またPythonのプロジェクトで、各パッケージのバージョンを管理するのにも役立ちます。
pipを使ってパッケージをインストールする以下のコマンドを入力してください。
pip install パッケージ名
例えば、データ分析用ライブラリのpandasをインストールしたい場合は、以下のようにします。
pip install pandas
プロジェクトで使用するパッケージとそのバージョンを一覧化したい場合には、requirements.txt
というファイルを作成します。
このファイルを使えば、他の開発者が同じ環境を再現することが容易になります。
以下のコマンドで現在の環境のパッケージとそのバージョンをrequirements.txt
に出力できます。
pip freeze > requirements.txt
そして、requirements.txt
に記述されたパッケージをインストールするには以下のようにします。
pip install -r requirements.txt
これらのpipの基本操作を理解しておくと、Pythonのプロジェクトでパッケージを効率的に管理することができます。
Pythonプロジェクトの紹介
Pythonは多くのプロジェクトで活用されており、その用途はウェブ開発からデータ分析、機械学習まで幅広いです。
初心者がPythonの力を理解するために、いくつかのプロジェクトを紹介します。
- サンプルプロジェクト
- オープンソースプロジェクト
- コミュニティとフォーラム
サンプルプロジェクト
サンプルプロジェクトとしては、Pythonの公式サイトに掲載されているチュートリアルがおすすめです。
例えば、Pythonの基本的な文法を学ぶためのチュートリアルや、より高度な機能を利用するためのチュートリアルがあります。
また、GitHubなどのコードホスティングサイトには、実際のPythonプロジェクトのソースコードが公開されています。
これらを見ることで、Pythonが実際にどのように使われているのかを理解することができます。
オープンソースプロジェクト
Pythonを使ったオープンソースプロジェクトは多種多様。
それらを調査することで、実世界のコードを理解し、自身のスキルを向上させられるでしょう。
例えば、DjangoとFlaskはPythonで開発された人気のあるウェブフレームワークで、ソースコードはGitHubで公開されています。
これらのプロジェクトを通じて、実際の開発フローを理解したり、コードの読み方を学んだりすることができます。
当サイトでは、DjangoのWebアプリを一から構築し、公開するまで解説したチュートリアルを用意しています。ぜひ一緒に手を動かして、自身のアプリを公開しましょう。
コミュニティとフォーラム
Pythonには活発なコミュニティがあり、初心者からエキスパートまでが情報交換をおこなっています。
Python公式サイトのメーリングリストやフォーラム、またStack OverflowなどのQ&Aサイトは、Pythonの学習にとって有用なリソースです。
自分一人で解決できない問題が生じた時には、これらのコミュニティに質問を投げかけることで、他のPythonユーザーからの助けを借りましょう。
まとめ
Python学習の最初のステップは、Pythonの基本的な文法と構造を理解すること。
加えて、プロジェクト管理や、パッケージ管理、仮想環境の設定など、開発環境全体を理解することも重要です。
Pythonの学習リソースは豊富にあります。
自分の学習スタイルに合ったリソースを活用してください。
新しいテクノロジーやフレームワークが登場し続けるため、常に学び続けましょう。