(最終更新月:2023年3月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「セキュリティに興味があるけど、VPNって具体的に何なのかわからない」
「地域的な制限を回避したいけど、VPNってどんなメリットがあるの?」
「VPNの設定方法や具体例が知りたい」
✔当記事を通じてお伝えすること
- VPNとは?
- VPNのメリット・デメリット
- VPNの全5種類について
当記事では、VPNの基本的なことはもちろん、VPNのメリット・デメリットや具体的な種類まで丁寧に解説しています。
ネットワークに興味がある方で、VPNに知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
VPNの基礎知識
VPNの基礎知識について解説していきます。
VPNの仕組みや利用方法を理解すれば、自分に合ったVPNを選ぶことができるようになるからです。
- VPNとは?
- VPNの必要性
- VPNと専用線の違い
VPNとは?
VPNとは、Virtual Private Networkの略称であり、インターネット上での通信を暗号化し、プライバシーやセキュリティを保護する技術。
VPNを利用することで、以下のようなことが可能になります。
- 自分のIPアドレスを隠せる
- 自分の位置情報や個人情報を保護できる
- 公共のWi-Fiなどのセキュリティが弱いネットワークでも安全に通信できる
例えば、海外旅行中に公共のWi-Fiを利用して銀行口座にアクセスする場合、VPNを利用することで安全なアクセスが実現できます。
法人で活用することで、社員が外出先からでも安全に社内ネットワークにアクセスできるのも一例です。
VPNは、プライバシーやセキュリティを保護するために必要不可欠な技術であり、今後ますます重要性が高まっていくことが予想されます。
VPNの必要性
VPNは、インターネット上でのプライバシーやセキュリティを確保するために必要不可欠なツールです。
インターネット上には、個人情報や機密情報が盗まれたり、ハッキングされたりする危険性があるからです。
VPNを使えば、通信の暗号化により、以下のような具体的なメリットがあります。
- 第三者に情報を盗まれることを防げる
- 地理的な制限を回避できる
- 制限のある海外のウェブサイトにもアクセスできる
VPNを活用すれば、海外旅行中に日本のテレビ番組も視聴できます。
インターネット上での安全な通信を実現するために、VPNを積極的に活用すべきだといえるでしょう。
VPNと専用線の違い
VPNと専用線は、両方ともネットワーク接続を提供する方法ですが、その特徴は大きく異なります。
- 専用線:物理的な回線を使用して、2つの場所を直接接続
- VPN:インターネットを介して暗号化されたトンネルを作成し、2つの場所を仮想的に接続
専用線は、高速で信頼性が高く、セキュリティが強固な反面、高価で設置に時間がかかります。
一方、VPNは、低コストで簡単に設定できますが、インターネットの速度に依存するため、信頼性が低くなる可能性があります。
例えば、企業が2つのオフィスを持っている場合、専用線を使用することで、高速で安全な接続を確保できますが、VPNを使えば、低コストで安全な接続を確保できる特徴があります。
それぞれの状況に応じて、適している方法を使い分けましょう。
VPNを使うメリット3選
VPNを使うメリットについて解説していきます。
VPNを使うメリットを理解すれば、プライバシーやセキュリティの向上、地理的制限の回避など、さまざまな機能を活用できるようになるからです。
- 通信を暗号化できる
- リモートから社内のネットワークへ入れる
- 拠点間で同じネットワークに入れる
通信を暗号化できる
VPNのメリットとして、ユーザーが自身のオンラインアクティビティを第三者から隠せることが挙げられます。
なぜならVPNがユーザーのIPアドレスを隠し、ユーザーの場所やアクティビティを追跡できなくさせるからです。
例えば、海外旅行中に公共Wi-Fiを使用する場合、VPNを使用することで、ユーザーの個人情報やオンラインアクティビティが盗まれることを防げます。
VPNはオンラインプライバシーとセキュリティを保護するために非常に有用なツールであり、ユーザーは常にVPNを使用することをおすすめします。
リモートから社内のネットワークへ入れる
VPNを利用することで、リモートから社内のネットワークへ安全にアクセスできるようになります。
VPNは、インターネット上で暗号化されたトンネルを作成し、社内ネットワークと直接繋げるからです。
例えば、リモートワーカーが自宅から社内のデータベースにアクセスする場合、VPNを利用することで、データのやり取りが暗号化され、外部からの攻撃や盗聴から守られます。
企業や個人が機密情報を保護するために、VPNを導入する企業が増えてきているのです。
拠点間で同じネットワークに入れる
VPNを利用することで、拠点間で同じネットワークに入れるのも、メリットといえます。
インターネット上で暗号化されたトンネルにより、異なる場所にある複数の拠点が、同じネットワークに接続されたかのように通信できるのです。
例えば企業が複数の拠点を持っている場合でも、VPNを利用すれば、社員は自宅や別の拠点からも、本社と同じネットワークに接続できます。
VPNは、拠点間で同じネットワークに接続するための効果的な手段であり、セキュリティ上のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
VPNを使うデメリット3選
VPNを使うデメリット3選について解説していきます。
VPNを使うことにはメリットがある一方で、デメリットも存在するのです。
- 情報漏洩のリスクがある
- 通信速度が遅くなる可能性がある
- VPNサービスの料金が高い場合がある
情報漏洩のリスクがある
VPNを使ったとしても必ず情報漏洩のリスクがないわけではありません。
リスクの原因としては、VPNで設定するパスワードやアクセス先のネットワーク自体に脆弱性があるなどが考えられます。
VPNで情報漏洩のリスクを軽減できるのも事実ですが、ほかのセキュリティ対策も同時におこないましょう。
通信速度が遅くなる可能性がある
VPNを利用することで通信速度が遅くなる可能性があるのもデメリットといえるでしょう。
遅くなる理由は、VPNを利用することで通信経路が複雑になり、通信の遅延が生じるから。
また、VPNサーバーの帯域幅が限られている場合も、通信速度が低下する可能性があります。
対策としては、サーバーの選択やプロトコルの設定を適切に行うこと
もし遅いと感じるのであれば、サーバーのスペックやVPNの設定などを確認しながら、安全で高速な通信を実現することが大切です。
VPNサービスの料金が高い場合がある
VPNのデメリットとして、VPNサービスの料金が高い場合があることも挙げられます。
高品質のサービスを提供するために必要なコストがかかるためです。
例えば、高速で安定した接続を提供するためには、高性能なサーバーを設置する必要があります。
また、セキュリティ機能を強化するためには、専門的な技術者を雇用する必要があるでしょう。
コストとセキュリティ強化のバランスを考えて、どれだけ投資すべきなのかを検討してください。
VPN接続全5種類を徹底解説
VPN接続全5種類を徹底解説について解説していきます。VPN接続には、それぞれ異なる特徴があり、用途によって最適な接続方法が異なるため、全5種類を徹底解説することで、読者が自分に最適な接続方法を選ぶことができるようになるからです。
- Ipsec-VPN
- SSL-VPN
- PPTP-VPN
- L2TP-VPN
- MPLS-VPN
Ipsec-VPN
IPsec-VPNとは、インターネットプロトコルセキュリティ(IPsec)を使用して、仮想プライベートネットワーク(VPN)を構築する技術のこと。
IPsecでできることは以下のとおり。
- 暗号化
- 認証
- データの整合性を提供
具体的には、IPsec-VPNは、リモートアクセスVPNやサイト間VPNなど、さまざまな種類のVPNに使用されます。
IPsec-VPNは、セキュリティに優れたVPNの一種であり、企業や個人のプライバシー保護に役立つものといえるでしょう。
SSL-VPN
SSL-VPNとは、Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルを使用して、リモートアクセスやサイト間VPN接続を提供する仮想プライベートネットワーク(VPN)の一種です。
主にWebブラウザからアクセスするので、IPsec VPNと比較して、より柔軟で簡単に設定できる特徴があります。
この技術は、以下のような場面で使われます。
- 企業や組織がリモートアクセスを提供する
- 従業員が自宅や外出先から企業のネットワークにアクセスする
- オンラインバンキングやオンラインショッピングなどのウェブサイトにアクセスする
SSL-VPNを使って、ユーザーの個人情報やクレジットカード情報を保護することができるのです
SSL-VPNは、インターネット上での安全な通信を実現するために非常に重要な技術であり、企業や個人がセキュリティを確保するために積極的に活用すべきVPNのひとつといえるでしょう。
PPTP-VPN
PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)は、VPN(Virtual Private Network)接続を確立するためのプロトコルのひとつです。
WindowsやMac OS Xなどのオペレーティングシステムで利用でき、暗号化されたトンネルを作成し、インターネット上での通信を保護するとされています。
しかし現在では、セキュリティ上の問題が見つかったため、より高度なセキュリティが必要な場合は、他のVPNプロトコルを利用するケースが多いです。
L2TP-VPN
L2TP-VPNは、Layer 2 Tunneling Protocolを通じて、安全な通信を実現するために使用されるプロトコル。
多くの場合、IPSecと組み合わせて使用され、IPSecで暗号化されたトンネルを作成したうえで、L2TPでトンネル内の通信をルーティングします。
多くのプラットフォームでサポートされているため、利用者にとっても使いやすいというのがメリットです。
現在ではL2TP-VPNを採用している企業や個人が多くなってきているといえるでしょう。
MPLS-VPN
MPLS-VPNは、企業や組織が安全かつ効率的にデータ通信を行うための技術です。
Multiprotocol Label Switching Virtual Private Networkの略で、企業や組織がインターネットを介して安全に通信するための技術といえます。
MPLS-VPNには以下のようなメリットが存在します。
- セキュリティが高い
- 高速
- 異なるプロトコルやネットワーク機器間でも総合的なネットワークが作れる
MPLS-VPNは、企業や組織が安全かつ効率的にデータ通信を行うための重要な技術であり、今後ますます需要が高まることが予想できます。
VPNでセキュリティ上気を付けるべきこととその対策
VPNでセキュリティ上、気を付けるべきこととその対策について解説していきます。
VPNを使用する際の注意事項として頭に入れておきましょう。
- VPNプロバイダーの信頼性を確認すること
- VPN接続時に使用するプロトコルを確認すること
- パスワードの強度を確認すること
- マルウェア対策を実施すること
- 公共の場ではVPNを利用すること
VPNプロバイダーの信頼性を確認すること
VPNプロバイダーを選ぶ際には、その信頼性を確認することが重要です。
信頼性が低いVPNプロバイダーを利用すると、個人情報が漏洩する可能性があるからです。
信頼性の高いVPNプロバイダーは、セキュリティに関する専門知識を持ち、プライバシー保護に力を入れています。
例えば、NordVPNは2008年から運営されており、5000万人以上のユーザーに利用されていることからも、比較的信頼性が高いと言って良いでしょう。
VPNプロバイダーを選ぶ際には、信頼性を確認することが重要であり、運営期間やユーザー数、評価などを参考にすることが大切です。
VPN接続時に使用するプロトコルを確認すること
VPN接続時に使用するプロトコルを調べることも重要だといえます。
なぜならプロトコルは、データの暗号化や認証に関わる重要な役割を果たしているからです。
具体的には、プロトコルが弱いことで以下のようなことが想定できます。
- 暗号化されたデータが解読される
- 認証情報が盗まれる
- VPN接続が妨害・ブロックされる
パスワードの強度を確認すること
VPNを利用する際には、パスワードの強度を確認することが重要です。
理由としては、パスワードが簡単なものであれば、第三者による不正アクセスのリスクが高まるから。
例えば、「password」や「123456」などのような簡単なパスワードは、簡単に解読されてしまいます。
そのため、パスワードは、大文字小文字や数字、記号を組み合わせた複雑なものにすることが望ましいです。
VPNを利用する際には、パスワードの強度を確認し、セキュリティを高めることが重要であると言えます。
マルウェア対策を実施すること
マルウェア対策を実施することは、VPNを利用する上で非常に重要なことです。
VPNを利用しているからといって、マルウェアに感染するリスクが完全になくなるわけではありません。
例えば、ウイルス対策ソフトを導入することや、不審なメールやファイルを開かないようにすることが挙げられます。
VPNを利用することで、インターネット上での通信を安全に行うことができますが、マルウェア対策も併せて実施することで、より安全なオンライン環境を実現することができます。
公共の場ではVPNを利用すること
公共のWi-Fiスポットなど、セキュリティが不十分な場所ではVPNを利用しましょう。
VPNを使えば、ユーザーのオンラインアクティビティが盗聴されたり、ハッキングされたりすることを防げます。
公共のWi-Fiスポットで銀行口座にアクセスする場合など、通信を盗み見ている悪意のあるユーザーがいる可能性があるのです。
VPNはオンラインセキュリティを強化するために必要なツールであり、公共の場所での使用を強くお勧めします。
まとめ:VPNを活用すれば安全な通信が確保できる
当記事の内容をまとめます。
- VPNとは、ネットワーク間の通信を暗号化する記述
- VPNを使えば公共のWi-Fiでも安心して使える
- VPNにも種類があり、どのプロトコルを使うかが大切
ネット上の危険がましていく中、VPNを取り入れている企業も増えています。
さまざまなVPNについて理解を深めれば、あなたを必要とする企業も増えてくるはず。
ぜひこれを機会にVPNについてさまざまな知識を身につけていきましょう。