(最終更新月:2023年2月)
✔このような方へ向けて書かれた記事となります
「Webサーバって何だろうか?」
「Webサーバの種類についてい知りたい」
「Webサーバはどれを選べば良いの?」
✔当記事を通じてお伝えすること
- Webサーバについての基礎知識
- Webサーバの種類
- Webサーバの選び方
当記事では、実際にWebサーバを構築してアプリを公開している筆者が、Webサーバの基本的なことはもちろん、その選び方について丁寧に解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
✔YouTube解説動画
当記事の内容は動画を見ながら進めると、約15分程度で完了します。
動画ならではの情報も解説しているので、記事と一緒にご覧ください。
動画の概要欄には、単元ごとのコードを紹介しているgithubページも載せています。
Webサーバの基礎知識5選
Webサーバについての知っておくべきことをご紹介していきます。
なぜなら、Webサーバとはよく聞くものの、具体的にはイメージしにくいものだからです。
- Webサーバとは?
- レンタルサーバとWebサーバの違い
- 専用サーバ・共有サーバって何だろうか?
- VPSとは?
- WebサーバとAPサーバの違い
Webサーバとは?
Webサーバを理解するために、「Web」「サーバ」という単語に分けて、その意味を説明します。
- Web:インターネット上のコンテンツを見るためのシステム
- サーバ:コンテンツを提供するコンピューター
Webサーバとは、インターネット上のコンテンツを提供するためのコンピューターのことです。
具体的には以下のとおり。
ユーザーのリクエスト(URL)に応じて、対象のファイル(ページ)を探しだし、提供します。
レンタルサーバとWebサーバの違い
レンタルサーバとは、Webサーバの一部を借りられるサービスのこと。
上の図でいえば、特定のフォルダを借りることにより、サーバ側の設定をおこなわずに利用できます。
各フォルダごとにドメイン(例:example.comなど)が割り振られるので、自分の好きなドメインでホームページが公開できるのです。
Webサーバの一部を借りるので、安価で済む反面、Webアプリなど高度な仕組みは構築できません。
✔おすすめのレンタルサーバ一覧はこちら
専用サーバ・共有サーバって何だろうか?
専用サーバと共有サーバの違いとは、サーバのどの部分を借りられるかにより定義されます。
共用サーバとは、サーバを複数人で共有するレンタルサーバとほぼ同じものと考えて良いでしょう。
対して専用サーバとは、サーバを丸ごと持てたり、サーバそのものは持てなくても、それに等しい環境を持てたりするもののことです。
具体的には次のVPSも専用サーバのひとつといえます。
VPSとは?
VPSとは、コンピューター内に仮想の環境を作り、その環境を貸し出すサービスです。
レンタルサーバがフォルダ一つを貸し出すイメージなのに対して、パソコン丸ごと借りられるイメージを持って良いでしょう。
具体的なイメージとしては、大きなサーバの中にいくつもコンピューターの環境があるものがVPSといえます。
自由度が高いのがメリットといえますが、その分細かい設定などが必要になります。
WebサーバとAPサーバの違い
WebサーバとAPサーバ(アプリケーションサーバ)の違いについては、その役割が異なることがポイントです。
Webサーバは直接ユーザーとのやり取りをおこなうことに対して、APサーバはそのWebサーバーとデータベースの間を手伝います。
とくにECサイトなど、コンテンツが多く、動的な場合に使用されるケースが多いです。
個人で作るサイトやWebアプリでは、Webサーバーがその役を担うことがほとんどです。
Webサーバの種類
Webサーバを構築するために必要なソフトを見ていきます。
Webサーバーソフトには以下のような種類があり、シェアは以下のとおりです。
Webサーバの種類 | 2023年2月16日時点のシェア | 読み方 |
Nginx | 34.2% | エンジンエックス |
Apache | 32.6% | アパッチ |
Cloudflare Server | 20.2% | クラウドフレア |
LiteSpeed | 11.6% | ライトスピード |
Microsoft-IIS | 5.7% | マイクロソフト アイアイエス |
(出典:Historical trends in the usage statistics of web servers|W3Techs)
それぞれの簡単な特徴をご紹介します。
Nginx
Nginxは、2002年に登場した比較的新しいWebサーバソフトです。
その特徴は以下のとおり。
- メモリを効率的に使用するため、処理速度が早い
- キャッシュサーバがなくても、HTMLや画像をキャッシュできる
- 高負荷に強い
新しいサーバーソフトでありながらも、次のApacheと並び、多くのシェアを得ています。
とくに初心者の方はNginxかApacheのどちらかを使うのが良いでしょう。
Apache
Apacheの主な特徴はこちらのとおりです。
- 汎用性が高い
- 無料で使える
- 機能・モジュールが豊富
歴史が長いApacheは、幅広く使われています。
ドキュメントも多いので、導入が比較的簡単なところもメリットです。
詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
Clourdflare Server
Cloudflareとは、Webサイトの負荷を軽減できるCDNなどを提供するサービスといえます。
Cloudflareを使うことで、以下のようなメリットが期待できます。
- セキュリティ強化
- ページ表示速度の高速化
ただし、プランによっては有料な場合があることやWordPressとの相性が悪い場合もあります。
世界でのシェアは多いものの、専門的な知識が必要になるWebサーバのひとつです。
LiteSpeed
LiteSpeedは、Apacheとの互換性が高い、新しいWebサーバソフトです。
Apacheで使用するファイルなどをそのまま使用できるのがポイント。
そのほか、機能としての特徴はこちらです。
- レスポンスが早い
- WordPress向けのキャッシュ
多くのレンタルサーバでも採用されつつあるソフトで、これからシェアは増えてくることが見込まれます。
Apacheでスタートして、ドキュメントが増えた頃などに切り替えることを検討するのも良いでしょう。
Microsoft-IIS
Microsoftが提供するIISは、Windows用のWebサーバーソフトです。
Windows以外のOSで使えないのがデメリットといえますが、以下のような特徴もあります。
- 画面上で操作できるGUIがある
- 日本語のマニュアルも多い
Windowsを使っている方であれば、試してみても良いかもしれません。
ただサーバ環境がWindowsでないことも多いので、一度LinuxなどでApacheなど導入を経験してからの方が良いでしょう。
Webサーバソフトの選び方
Webサーバソフトの選び方をご紹介します。
なぜなら、なんとなくソフトを比較しても、どれが良いかわからないからです。
- 情報が入手しやすいか
- OSへの対応があるか
- モジュールが十分か
- 機能は揃っているか
参考にしていただければ幸いです。
情報が入手しやすいか
もし自分でWebサーバを構築するなら、情報が入手しやすいかは大切。
なぜなら構築時はもちろん、運営開始後にも、ドキュメントが必要になる場面はあるからです。
情報の多さで言うと、歴史の長いApacheが一番といえるでしょう。
Microsoftを使っているなら、IISもおすすめです。
OSへの対応があるか
WebサーバーのOSに対応しているソフトを選ばなければなりません。
OSによっては機能しないソフトもあるのです。
その点では、Apacheに加え、Nginxなどが良いでしょう。
知識がある方はCloudflareにチャレンジしても良いかもしれません。
モジュールが十分か
モジュールが用意されているかの視点で、選ぶことも重要です。
モジュールを使えば、その機能を拡張できるようになります。
必要に応じて柔軟に増やせるモジュールは、Apacheが有利でしょう。
最初はApacheで始めてみる理由のひとつです。
機能は揃っているか
Webサーバの機能で選ぶのも良いでしょう。
機能が備わっていれば、それだけ対応できるサイトの種類も豊富です。
例えば、NginxやLiteSpeedなど、一般的なサイトからWordPressまで幅広く対応しているものが挙げられます。
ApacheでWebサーバーを立ち上げる・運営する実例を紹介
当サイトでは、Apacheを使って、実際にWebサーバーを構築する方法などを解説しています。
興味のある方はぜひ参考にしてください。
Linux(Ubuntu)OS上にWebサーバを構築する
同一OS上に複数のサイト(ドメイン)を設置する
無料でSSL化(HTTPS化)をおこなう方法
まとめ
当記事の内容をまとめます。
- Webサーバとは、Webコンテンツを提供するコンピュータのこと
- Webサーバーソフトを入れることでコンピュータはWebサーバーとなる
- Webサーバーソフトは、やりたいことやあなたのレベルに合わせて選ぼう
ホームページの表示などが主な役割のWebサーバ。
もし、あなたがホームページを作りたいなら以下のどちらかでホームページを公開します。
- Webサーバを自作する
- Webサーバを借りてくる
レンタルをしてもそんなにコストはかからないので、手間を考えると借りるのが一番早いです。
ただしやりたいことがいろいろとあるなら、自分で構築すると覚えることも多いでしょう。
以下の記事などでぜひ試してみてください。