(最終更新日:2023年7月)
✔この記事は以下のような方におすすめです
「pythonのselfとは何なのか詳しく知りたい」
「selfの使い方を学びたい」
「pythonのselfを使用した具体的なコードが見たい」
✔当記事でご紹介する内容
- python selfの基本知識
- python selfの使用方法と応用方法
- python selfを活用した実例
当記事では、python selfの基本知識だけでなく、実際のコードを使用してその応用方法までを詳細に説明します。
ぜひ最後までご覧ください。
Pythonのselfを理解するための前提知識
こちらでは、Pythonのselfを理解するための前提知識を確認していきます。
事前に必要な知識としては以下のとおりです。
- Pythonとは?
- Pythonのselfとは?
- Pythonクラスの基本
Pythonとは
Pythonは、1991年に初版が公開された高水準のプログラミング言語です。
そのシンプルで読みやすい構文は、初心者にも学びやすく、また実践的なアプリケーションを効率的に開発できます。
PythonはWeb開発、データ分析、人工知能、教育など、幅広い分野で利用されています。
Pythonのselfとは?
self
とは、クラスのインスタンスを指す特殊な引数です。
クラス内で定義されたメソッドは、そのメソッドを呼び出すオブジェクト自身への参照を第一引数として取ります。
この第一引数が、self
です。
以下は、self
がどのように動作するかを示すサンプルコードです。
class MyClass:
def __init__(self):
self.value = 10 #自身(self)のvalue属性に10を設定
# self.valueを出力する関数
def print_value(self):
print(self.value)
my_instance = MyClass()
my_instance.print_value() # 出力 10
ここでのself
は、my_instance
オブジェクトを指しており、そのためself.value
はmy_instance.value
と同等です。
self
は、クラス内部からインスタンスの属性や他のメソッドにアクセスするための手段を提供します。
Pythonではこれを暗黙的に提供しているわけではないため、それを引数として明示的に指定する必要があるのです。
Pythonクラスの基本
クラスは、オブジェクト指向プログラミングにおける基本的な概念です。
Pythonのクラスは、データと関数をまとめる手段として使用されます。
例えるなら、クラスはオブジェクトの青写真のようなもので、同じ種類のオブジェクトを生成するための設計図です。
これにより、コードの再利用性と整理が向上します。
以下の記事では、クラスについてわかりやすく解説しています。
‘self’の本質を解明する
こちらでは、self
に焦点を当て、その詳しい説明と、なぜself
が必要なのかを解説します。
- ‘python self’の詳しい説明
- ‘self’がなぜ必要なのか
‘python self’の詳しい説明
self
はPythonのクラス内で使われる特別な変数で、インスタンス自体を指します。
self
を使うことで、クラス内のメソッドが、同じインスタンスの属性や他メソッドにアクセスできるのです。
例えば、以下のクラスでself
を使用しています。
class Person:
def __init__(self, name, age):
self.name = name
self.age = age
def say_hello(self):
print(f"Hello, my name is {self.name} and I am {self.age} years old.")
__init__
メソッドで、self
を使って属性name
とage
を作成。
say_hello
メソッドで、self
を使ってこれらの属性にアクセスしています。
‘self’がなぜ必要なのか
self
は、インスタンスの属性やメソッドにアクセスするために必要なもの。
なぜならクラス内で定義されたメソッドは、インスタンスで呼び出されることが一般的だからです。
これがなければ、メソッドはインスタンスのデータにアクセスする手段がなくなります。
‘self’の活用法を学ぶ
こちらでは、self
の実際の使用例と活用方法を学びます。
- インスタンス変数としての’self’の利用法
- クラス変数としての’self’の利用法
- クラス継承時の’self’の扱い方
インスタンス変数としての’self’の利用法
self
は通常、インスタンス変数を定義する際に使用されます。
インスタンス変数は、その名前が示す通り、インスタンスに属しており、各インスタンスはそれぞれ異なる値を持つことができます。
以下に具体的な例を示します。
class Car:
def __init__(self, make, model):
self.make = make
self.model = model
my_car = Car("Toyota", "Corolla")
print(my_car.make) # Output: Toyota
print(my_car.model) # Output: Corolla
上記の例では、Car
クラスにはmake
とmodel
という2つのインスタンス変数があります。
これらはself
を用いて定義されており、異なるインスタンスでそれぞれ異なる値を持てるのです。
変数については詳しくこちらで解説しています。
クラス変数としての’self’の利用法
クラス変数は、クラス全体で共有される変数です。
しかし、self
を通じてクラス変数にアクセスもできます。
これにより、インスタンスがクラス変数を変更すると、他のインスタンスでもその変更が反映されます。
class Dog:
total_dogs = 0
def __init__(self, name):
self.name = name
Dog.total_dogs += 1
dog1 = Dog("Buddy")
dog2 = Dog("Rex")
print(Dog.total_dogs) # Output: 2
この例では、total_dogs
はクラス変数で、すべてのDog
インスタンス間で共有されます。
クラス継承時の’self’の扱い方
Pythonでは、クラスの継承を利用して、既存のクラスから新しいサブクラスを作成可能。
self
は、サブクラスでもスーパークラスと同じように使えます。
class Animal:
def __init__(self, name):
self.name = name
def speak(self):
pass
class Dog(Animal):
def speak(self):
print(f"{self.name} says Woof!")
dog = Dog("Buddy")
dog.speak() # Output: Buddy says Woof!
この例では、Dog
クラスはAnimal
クラスを継承しており、self
を使ってスーパークラスの属性にアクセスしています。
‘python self’の使い方への注意点
こちらでは、self
の使い方に関する注意点を解説します。
- 一般的なエラーとその対策方法
- メソッド間でのインスタンス変数(self)の共有法
- ‘self’以外を第一引数にする場合の凡例と結果
一般的なエラーとその対策方法
self
の使い方に関する間違いは初学者によく見られます。
例えば、インスタンスメソッド内でself
を使用せずにインスタンス変数にアクセスしようとすると、エラーが発生。
これを解消するには、インスタンス変数にアクセスする際には必ずself
を使用しましょう。
class MyClass:
def __init__(self, value):
self.value = value
def show_value(self):
print(value) # This will cause an error
obj = MyClass(5)
obj.show_value()
show_value
メソッド内でself
を使っていないため、エラーが発生します。
これを解消するためには、以下のように変更してください。
print(value)をprint(self.value)へ
メソッド間でのインスタンス変数(self)の共有法
クラス内の異なるメソッド間でデータを共有する場合、self
を使用してインスタンス変数を設定することが一般的です。
これにより、同じインスタンスの異なるメソッドが同じデータにアクセスできるようになります。
class Calculator:
def __init__(self, x):
self.x = x
def square(self):
self.result = self.x ** 2
def show_result(self):
print(self.result)
calc = Calculator(4)
calc.square()
calc.show_result() # Output: 16
‘self’以外を第一引数にする場合の凡例と結果
一般的に、self
はインスタンスメソッドの第一引数として使用されますが、厳密にはself
という名前である必要はありません。
他の名前でも機能しますが、self
が慣習として広く使われています。
class Example:
def __init__(alternative_self, value):
alternative_self.value = value
def show_value(alternative_self):
print(alternative_self.value)
obj = Example(7)
obj.show_value() # Output: 7
コードは後から見返したり、他人が修正を加えたりします。
慣習に従うことで、余計な混乱を避けられるでしょう。
つまり、インスタンスの参照には「self」を使うべきです。
‘Pythonのself’に関するよくある質問とその回答
Pythonのselfについて、よくある質問をまとめました。
事前に学んでおくことで、余計なエラーやトラブルを回避できるでしょう。
- Q:
self
はPythonのキーワードですか? - Q: selfを引数として明示的に渡す必要はありますか?
- Q: 静的メソッドとクラスメソッドではselfは使われますか?
Q: selfはPythonのキーワードですか?
A: いいえ、self
はPythonのキーワードではありません。
これは単に慣習によるもので、実際には任意の名前を使用可能です。
ただし、self
という名前が広く使われているため、コードの可読性のためにこの名前を使用することが推奨されています。
Q: selfを引数として明示的に渡す必要はありますか?
A: いいえ、通常、self
は暗黙的に渡されます。
インスタンスメソッドを呼び出す際に、Pythonは自動的にそのインスタンスをself
としてメソッドに渡します。
Q: 静的メソッドとクラスメソッドではselfは使われますか?
A: いいえ、静的メソッドではself
は使われません。
クラスメソッドでは、代わりにクラス自体が最初の引数として渡されるため、慣習的にこの引数はcls
と名付けられます。
まとめ
当記事では、Pythonのself
について詳しく学びました。
self
は、クラス内のメソッドがインスタンスの属性やメソッドにアクセスする際に使用される- selfは、任意の名前でも良いが、慣習に従うことで、余計な混乱を招かないで済む
- selfは習慣づければ簡単にマスターできる]
Pythonでコードを書いていると、必ずselfを使います。
最初は違和感があったとしても、使い続ければその役割を実感できるはず。
当記事のコードを真似しながら、selfの存在・役割を体感してください。