JavaScriptのtry/catchを使いこなそう|実例付き

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(最終更新月:2023年11月)

✔このような方へ向けて書かれた記事となります

「Javascriptのtry/catchとは何だろうか?」

「Javascriptでのtry/catch文の書き方を学びたい」

「Javascriptでのtry/catch文を活用した具体例が見たい」

✔当記事を通じてお伝えすること

  • Javascriptのtry/catch構文の基本
  • try/catch文の書き方及びその使い道
  • Javascriptでのtry/catch文の活用例

当記事では、Javascriptのtry/catch構文の基本から、その適用方法まで、具体的な例を挙げて詳細に説明しています。

最後まで読んで、Javascriptのtry/catch構文の活用法を完全に理解しましょう。

筆者プロフィール

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【現職】プロダクトマネージャー

【副業】ブログ(月間20万PV)/YouTube/Web・アプリ制作

「プログラミング × ライティング × 営業」の経験を活かし、30後半からのIT系職へシフト。現在はプロダクトマネージャーとして、さまざまな関係者の間に入り奮闘してます。当サイトでは、実際に手を動かせるWebアプリの開発を通じて、プログラミングはもちろん、IT職に必要な情報を提供していきます。

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Try-Catch文の基本

こちらでは、JavaScriptにおけるtry-catch文の基本について解説します。

適切なエラーハンドリングのために、try-catch文の構文とその動作原理をしっかりと理解しましょう。

  • Try-Catch文の構文と使用方法
  • Errorオブジェクトの理解
  • 一般的なエラータイプの紹介

Try-Catch文の構文と使用方法

JavaScriptのtry-catch文は、以下のように構成されます。

try {
   // 通常のコード
} catch (error) {
   // エラーが発生した際の処理
}

try ブロック内でエラーが発生すると、そのエラーはcatchブロックに渡され、エラーに対する特定のアクションを定義できます。

Errorオブジェクトの理解

エラーオブジェクトは、JavaScriptにおけるエラー情報を持つオブジェクトです。

このオブジェクトには、エラーのメッセージやスタックトレースなどの詳細情報が含まれています。

例はこちらです。

try {
   throw new Error("エラーメッセージ");
} catch (error) {
   console.log(error.message);  // "エラーメッセージ" を出力
}

一般的なエラータイプの紹介

以下はJavaScriptの一般的なエラータイプの一覧表です。

エラータイプ説明
SyntaxErrorコードの構文が正しくない場合に発生。
例:括弧が閉じられていない、予約語の誤用など。
ReferenceError存在しない変数を参照しようとしたときに発生。
例:宣言されていない変数の使用。
TypeError変数やオブジェクトが予期された型ではない場合に発生。
例:数値の代わりに文字列の使用、関数でないものの関数呼び出し。
RangeError数値が許容される範囲を超えた場合に発生。
例:配列の長さに負の数を設定。
EvalErroreval関数が不正な操作を行った場合に発生
(現代のJavaScriptではほとんど使われない)。
URIError不正なURI操作を行った場合に発生。
例:encodeURIdecodeURIで不正なURIを使用。

各エラーは異なる状況で発生し、それぞれ特有の原因があります。

エラーのタイプを理解することで、問題の原因をより迅速に特定し、解決できるでしょう。

エラーハンドリング詳解

こちらでは、エラーハンドリングの詳細な側面について深く探ることになります。

これを通して、さらに柔軟で効率的なエラーハンドリングの方法を学べるでしょう。

  • 無条件と条件付きのCatchブロック
  • 例外識別子の使用
  • カスタムエラーの作成とスロー方法

無条件と条件付きのCatchブロック

ES2019から、JavaScriptには条件付きのcatchブロックが導入されました。

特定のエラータイプのみをキャッチすることが可能です。

try {
    // 何らかのコード
} catch (error) if (error instanceof TypeError) {
    // TypeErrorのみをキャッチする処理
} else {
    // その他のエラーをキャッチする処理
}

この構文は一部のブラウザや環境でサポートされていないことがあるため、使用する際は注意が必要です。

例外識別子の使用

例外識別子を使用することで、キャッチされたエラーを変数として扱えます。

エラーの詳細情報にアクセスしたり、特定のエラーに対して個別に処理したりが可能です。

try {
    // 何らかのコード
} catch (error) {
    if (error instanceof ReferenceError) {
        console.log("参照エラーが発生しました。");
    } else {
        console.log("未知のエラーが発生しました。");
    }
}

カスタムエラーの作成とスロー方法

JavaScriptでは、Errorクラスを拡張して独自のエラータイプを定義することが可能です。

アプリケーション固有の問題を示すエラーを作成できます。

class CustomError extends Error {
    constructor(message) {
        super(message);
        this.name = "CustomError";
    }
}

try {
    throw new CustomError("これはカスタムエラーです。");
} catch (error) {
    if (error instanceof CustomError) {
        console.log(error.message);  // "これはカスタムエラーです。"を出力
    }
}

特定の問題に対応するカスタムエラーをスローし、それをキャッチして適切に処理できます。

実際のTry-Catchコード例

こちらでは、Try-Catch文を使用した具体的なコード例を取り上げます。

実際のコードを通して、エラーハンドリングのテクニックやベストプラクティスを理解できるでしょう。

  • 入れ子になったTryブロックの解説
  • FinallyブロックからのReturn
  • 常見のエラーシナリオとその対応方法

入れ子になったTryブロックの解説

tryブロックは、ほかのtryブロックの中にも配置可能です。

これを利用することで、特定のセクションごとにエラーハンドリングをおこなえます。

try {
    // 外側のコード
    try {
        // 内側のコード
    } catch (innerError) {
        console.log("内側のエラー: ", innerError.message);
    }
} catch (outerError) {
    console.log("外側のエラー: ", outerError.message);
}

このような構成を使用する際は、入れ子の深さや複雑さを適切に管理することが重要です。

FinallyブロックからのReturn

finallyブロックは、trycatchブロックの後に配置され、これらのブロックで発生した結果にかかわらず必ず実行される部分です。

finallyブロック内でreturnを使用すると、それがtryまたはcatchブロックでのreturnよりも優先されます。

function exampleFunction() {
    try {
        return "tryブロックからの返却";
    } catch (error) {
        return "catchブロックからの返却";
    } finally {
        return "finallyブロックからの返却";
    }
}

console.log(exampleFunction()); // "finallyブロックからの返却"が出力される

この特性を理解しておくことで、予期せぬ動作やバグを避けられます。

常見のエラーシナリオとその対応方法

エラーシナリオを知り、適切な対処方法を学ぶことは非常に価値があります。

なぜならエラーはさまざまなシチュエーションで発生しますが、よく遭遇するものもあるからです。

  • 参照エラー
  • 型エラー
  • 範囲エラー

参照エラー

console.log(unknownVariable); // ReferenceError

対策は、変数や関数が適切に宣言されているか、スコープ内に存在するかを確認することです。

型エラー

null.functionCall(); // TypeError

対策として、値や変数の型を適切にチェックし、予期せぬ型での操作を避けましょう。

範囲エラー

new Array(-1); // RangeError

対策は、数値や配列の範囲を確認し、不正な値を避けること。

デバッグとTry-Catch文

こちらでは、デバッグの過程でのTry-Catch文の利用に焦点を当てています。

エラーハンドリングをしっかりと行いつつ、効果的にデバッグをおこなうテクニックを学べるでしょう。

  • Stackプロパティでエラー箇所を特定
  • デバッグツールを使用したエラートレース方法
  • エラーメッセージの最適化と改善

Stackプロパティでエラー箇所を特定

エラーが発生した際、エラーオブジェクトのstackプロパティは非常に役立ちます。

このプロパティはエラーが発生した場所のスタックトレースを提供し、バグの原因を追跡しやすくするものです。

function faultyFunction() {
    let undefinedVariable;
    console.log(undefinedVariable.property);
}

try {
    faultyFunction();
} catch (error) {
    console.log(error.stack);
}

faultyFunction内で未定義の変数のプロパティにアクセスしようとするとエラーが発生します。

このエラーをキャッチし、スタックトレースをログとして出力します。

デバッグツールを使用したエラートレース方法

ほとんどのブラウザには、エラーのトレースとデバッグをサポートする開発者ツールが組み込まれています。

実行中のコードを一時停止させたり、変数の現在の値を確認したりが可能なツールです。

例外が発生した場合、このツールを使用して具体的なエラーの位置や原因を特定できます。

エラーメッセージの最適化と改善

良く設計されたエラーメッセージは、開発者が問題を迅速に解決するための手助けとなります。

具体的な情報、関連するコンテキスト、および可能な解決策を提供し、デバッグプロセスを効率的に進められるでしょう。

try {
    // 何らかの操作
} catch (error) {
    console.error(`エラーが発生しました: ${error.message}. 問題のある関数: ${error.stack.split("\n")[1].trim()}`);
}

カスタマイズされたエラーメッセージを使用すると、エラーの内容と位置の両方をすばやく識別できます。

Try-Catch文の実践的な使用とベストプラクティス

こちらでは、Try-Catch文を実践的にどのように使用するのか、そして最も効果的な方法でエラーハンドリングをおこなうためのベストプラクティスについて説明します。

  • 過度なtry-catchの落とし穴
  • 非同期処理におけるエラーハンドリング
  • エラーハンドリングのパターンと設計
  • エラーハンドリングの全体的な戦略

過度なtry-catchの落とし穴

try-catch文は非常に強力なツールですが、使用する際には注意が必要です。

むやみに使用すると、コードが読みにくくなるだけでなく、意図しないエラーのマスキングやパフォーマンスの低下を招く可能性があります。

try {
    let data = fetchData();  // データ取得
    processData(data);       // データ処理
    displayData(data);       // データ表示
} catch (error) {
    console.error(error);
}

3つの関数のうちどれがエラーを発生させたのか特定するのが難しいです。

適切なのは、各関数ごとにエラーハンドリングをおこないます。

非同期処理におけるエラーハンドリング

JavaScriptの非同期処理、とくにPromiseasync/awaitを使用する場合、try-catch文の振る舞いは少し異なります。

async function fetchData() {
    try {
        let response = await fetch('https://api.example.com/data');
        let data = await response.json();
        return data;
    } catch (error) {
        console.error(`データの取得中にエラーが発生しました: ${error.message}`);
        throw error;  // エラーを再スロー
    }
}

async/awaitを使用する場合、try-catch文は非同期エラーもキャッチできます。

エラーハンドリングのパターンと設計

エラーハンドリングには多くのアプローチが存在します。

適切なハンドリングは、アプリケーションの要件や目的に応じて選択が必要です。

例として、復旧可能なエラーと致命的なエラーを区別し、それぞれに対する処置を設計することが考えられます。

また、エラーロギングやモニタリングツールの統合も考慮に入れると、エラー発生時の迅速な対応や原因特定が可能です。

エラーハンドリングの全体的な戦略

エラーハンドリングの成功の鍵は、プロアクティブなアプローチを取ることです。

エラーが発生する前に、それが発生する可能性を考慮することで、コードの堅牢性を高められます。

try {
    if (!input) throw new Error("入力は必須です");
// その他の処理
} catch (error) {
   console.error(error.message);
}
  1. 予測可能なエラーをキャッチ
    入力データの不整合や外部APIのタイムアウトなど、発生が予測されるエラーを特定します。
  2. 単位テストをおこなう
    テストを使用して、関数やメソッドが正しいエラーメッセージを返しているか、また意図的にエラーを発生させることでそのハンドリングをテストします。
  3. 適切なフィードバックをユーザーに提供
    エラーが発生した場合、ユーザーに明確かつ友好的なメッセージを提供し、可能であれば次のアクションを示します。

まとめ

当記事では、JavaScriptのエラーハンドリングについて以下をお伝えしてきました。

  • try-catch文の基本
  • さまざまなエラーのタイプ
  • 実際のコード例
  • ベストプラクティス

この知識は、あなたのコードをより堅牢にし、ユーザーにとってのエクスペリエンスを向上させるためのものです。

新しいプロジェクトを開始する前に、エラーハンドリング戦略を計画することで、後で時間を節約し、ユーザーにとってのエクスペリエンスを向上させられます。

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