Salesforceのシステム管理者が持つべき権限やその役割

（最終更新月: 2024年1月）

✔以下の疑問をお持ちの方へ向けた記事です

「Salesforceのシステム管理者とはどのような役割を担うのか？」
「システム管理者の主な責任とは何か？」
「効果的なSalesforceシステム管理のためのベストプラクティスは？」

✔当記事を読むことで得られる知識

Salesforceシステム管理者の基本的な役割と責任
システム管理者に求められるスキルと知識
Salesforceシステムの効果的な管理と運用のためのヒント

システム管理者は、Salesforceの設定、ユーザー管理、データ整合性、セキュリティポリシーの維持など、多岐にわたる業務を担います。

システム管理者に必要なスキルセット、日々の管理作業、およびSalesforceシステムの効果的な運用とカスタマイズのためのベストプラクティスについてなどを見ていきましょう。

ぜひ最後までご覧ください。

定義や属性などは公式ガイドを必ず参考にしましょう。

当記事では、主にその使い方を具体例とともに解説します。

筆者プロフィール

【現職】プロダクトマネージャー

プロダクトマネージャーとして、Apex・Visualforceの開発エンジニアとして、以下のようなプロジェクトに従事してきました

新規事業の立ち上げに伴うビジネスプロセス構築とSalesforceのカスタマイズ
SFDXを活用した大規模リリース
Visualforce等による一般ユーザー向けサイト・アプリケーションの構築

相談・業務の依頼も承ります。ご質問・ご希望をお問い合わせください。

Salesforceシステム管理者の役割と重要性

こちらでは、Salesforceシステム管理者の役割とその重要性についてお伝えしていきます。

Salesforceシステム管理者を理解することで、ビジネス運営の効率性と成果の最適化に役立つでしょう。

Salesforceシステム管理者の基本的な役割
Salesforce環境におけるシステム管理者の重要性
Salesforceシステム管理者と他のIT役割の比較

Salesforceシステム管理者の基本的な役割

Salesforceシステム管理者は、Salesforceプラットフォームの運用において中心的な役割を果たします。

具体的には、以下のような業務を担当します。

ユーザーアカウントの作成と管理
適切なアクセス権の設定
レポートやダッシュボードの作成

たとえば、新しいユーザーアカウントを追加する際には、次のステップでおこないます。

設定 > ユーザー > 新規ユーザー

必要な情報を入力するというプロセスが必要です。

これらのタスクにより、組織全体のSalesforceの利用効率が大きく向上します。

Salesforce環境におけるシステム管理者の重要性

Salesforceシステム管理者は、プラットフォームが組織の要件と連携して機能するようにするために不可欠です。

組織固有のニーズに合わせたカスタマイズにより、Salesforceを最大限に活用できます。

例えば、特定のビジネスプロセスに必要なカスタムオブジェクトやフィールドを作成するためには、「オブジェクトマネージャー」にアクセスして必要な設定を加えなければなりません。

その役割が果たされない場合、ユーザーの混乱やシステムの非効率化を招きかねません。

Salesforceシステム管理者と他のIT役割の比較

Salesforceシステム管理者はソフトウェア開発者やデータベース管理者とは異なる特有の役割を担っています。

細かい機能というよりかは、ビジネス全体のプロセスを管理していくのが主な役割だからです。

例えば、システム管理者はApexコードのようなプログラミングよりも、Workflow RuleやProcess Builderなどの構成ツールを扱うことが一般的です。

Salesforceプラットフォーム内で作業するため、その構造と機能性を理解しておく必要がある一方、一般的なプログラミングスキルよりも、ビジネスプロセスと組織のニーズを理解することがより重視されます。

Salesforceシステム管理者の主要なタスク

こちらでは、Salesforceシステム管理者の主要なタスクに焦点をあてて解説します。

これらのタスクはSalesforceシステムを円滑に運用するために不可欠であり、組織の生産性を向上させるために理解しておくべき内容です。

Salesforceユーザーと権限の管理
Salesforceカスタマイズと設定の管理
Salesforceデータとセキュリティの維持

Salesforceユーザーと権限の管理

Salesforceシステム管理者は、組織内の全ユーザーに適切なアクセス権限を配置する責任があります。

これは、ユーザーが必要な情報にアクセスし、権限のない情報にはアクセスできないようにするためです。

具体例として、役割やプロファイルを設定する際に、Salesforceの設定メニューから「プロファイル」を選び、特定のプロファイルを編集してオブジェクトのアクセス権や権限セットを調整します。

そうすることで、ユーザーのセキュリティを保ちつつ、必要な作業をおこなえるのです。

Salesforceカスタマイズと設定の管理

Salesforceはカスタマイズが可能なプラットフォームであり、システム管理者はビジネス要件に合わせて変更を加えることが求められます。

とくに以下のような作業です。

フィールドの追加
ページレイアウトの変更
カスタムレポートの作成

例えば、以下の手順により、新しい入力規則を定義できます。

設定 > オブジェクトマネージャーから対象のオブジェクトを選択 > 入力規則

このカスタマイズにより、データの品質と処理の一貫性が保たれます。

Salesforceデータとセキュリティの維持

Salesforceシステム内のデータの整合性と安全性は、組織にとって最優先されるべき事項です。

システム管理者は定期的にデータバックアップをおこない、セキュリティの設定を検証することが重要です。

たとえば、データバックアップを実施するには、「設定」メニューで「データエクスポート」を選択し、必要なエクスポートオプションを設定することでデータベースの内容を保存します。

これは、予期せぬデータ損失が起きた際のリカバリーに不可欠なプロセスです。

Salesforceシステム管理者の日常業務

こちらでは、Salesforceシステム管理者が日々おこなう業務について説明します。

これらの業務は、Salesforceシステムが滞りなく機能し続け、ユーザーエクスペリエンスが向上するためには欠かせません。

Salesforceでの問題解決とサポート
Salesforceのアップデートと変更の管理
Salesforceトレーニングとユーザーサポート

Salesforceでの問題解決とサポート

システム管理者は、日々の運用中に発生する問題を解決する第一線にいます。

ユーザーからの問い合わせに対応する際、トラブルシューティングを実施し、迅速に問題を特定して修正が必要です。

例えば、ユーザーがレポートで期待したデータを取得できない場合は、レポートのフィルターやセットアップを確認し、適切な設定へと調整する必要があります。

管理者はこうした対応を通じてシステムの信頼性とユーザーの満足度を保てるのです。

Salesforceのアップデートと変更の管理

Salesforceは定期的にアップデートを提供しており、システム管理者はこれらの変更を確認し、ビジネスへの影響を評価する必要があります。

アップデートがリリースされる前には、サンドボックス環境で新機能をテストし、本番環境への適用に問題がないことを確認することが一般的なプラクティスです。

例えば、新しいリリースノートを精読し、変更ポイントを理解した上で、サンドボックスで「アップグレード」ボタンをクリックしテストを実行。

この継続的な管理により、システムは常に最新状態であり、新機能を最大限に活用できます。

Salesforceトレーニングとユーザーサポート

Salesforceシステム管理者は、ユーザーがSalesforceを効果的に利用できるよう支援する責務も担っています。

新機能のトレーニング
最適なプラクティスの共有
継続的な支援

たとえば、新たなプロセスを導入する際には、適切なトレーニング資料を作成し、ワークショップやヘルプドキュメントを通じてユーザーに配布することが考えられます。

このような継続的な教育とサポートによって、ユーザーは自信を持ってSalesforceを活用し、組織の成果向上に貢献できるでしょう。

システム管理者が持つべき権限

ここまでご説明してきたとおり、システム管理者の責任は重大です。

その責任は権限セットに反映され、緊急時にさまざまな操作が必要になります。

一般的にシステム管理者のみが持つべきとされる権限は、以下のとおりです。

権限名	概要	理由
ユーザー管理	ユーザーアカウントの作成、編集、停止	組織のセキュリティと効率を保つため、適切なユーザー管理が不可欠。
ロールとプロファイルの設定	ユーザーのアクセス権限と役割の管理	組織のデータアクセスを適切にコントロールするため。
システム設定	全体のシステム設定の管理	システムの安定性とパフォーマンスを保つため。
カスタマイズ	オブジェクト、フィールド、レイアウトのカスタマイズ	組織の特定のニーズに合わせてSalesforceを調整するため。
データのインポート/エクスポート	データのバックアップや他のシステムへの移行	データの整合性と可用性を維持するため。
セキュリティ設定	セキュリティポリシーと設定の管理	データの機密性と組織のコンプライアンスを保つため。
レポートとダッシュボードの管理	レポートとダッシュボードの作成と管理	組織の意思決定を支援するための重要なデータの可視化。
ワークフローとプロセスの管理	自動化ルールとプロセスの設定	効率的な業務プロセスを確立し、手作業のエラーを減らすため。

Salesforceのシステム管理者は、組織全体のSalesforce環境における最高レベルのアクセスと制御を持つことが一般的です。

これらの権限は組織の運用に直接影響を与えるため、責任を持って適切に管理する必要があります。

Salesforceシステム管理者のベストプラクティス

こちらでは、Salesforceシステム管理者が取り組むべきベストプラクティスについてご紹介します。

これらのプラクティスを習得し適用することで、Salesforceの利用価値をさらに高められるでしょう。

効果的なSalesforceシステム管理のための戦略
Salesforceシステムのパフォーマンス監視と最適化
Salesforceプロジェクトの計画と実行

効果的なSalesforceシステム管理のための戦略

効果的なシステム管理には明確な戦略が必要で、以下が含まれます。

プラットフォームの目的や目標の設定
タイムラインに沿った計画の実行

例えば、目標を定める際にSMART基準を利用して目標を設定し、定期的なレビューをおこないましょう。

SMARTとは以下のとおり。

Specific(具体的）

Measurable(計測可能）

Achievable(達成可能）

Relevant(関連性）

Time-bound(時間的に制限された)

計画に従って行動することで、期待される結果を得ることができるでしょう。

Salesforceシステムのパフォーマンス監視と最適化

Salesforceシステムのパフォーマンスを保つには、定期的な監視と最適化が欠かせません。

管理者はシステムの使用状況や応答時間を監視し、必要に応じてメンテナンスやパフォーマンス改善を実施します。

たとえば、「システムオーバービュー」で定期的にシステムリソースの使用状況をチェックし、必要ならば不要な自動化の削減やデータのアーカイヴなどをおこないます。

これにより、安定した稼働と速度の維持が可能です。

Salesforceプロジェクトの計画と実行

Salesforceプロジェクトを成功させるには、事前の詳細な計画と効果的な実行が求められます。

利害関係者のニーズの評価
リソースの確保
リスクマネジメントの実施

プロジェクト管理ツールを使用してタスクやマイルストーンを設定し、プロジェクトの進捗状況を明確に追跡します。

こうして定められた計画に基づいてプロジェクトを進めることで、期待される成果を時間内に達成できる可能性が高まるのです。

Salesforceシステム管理者のキャリア開発

こちらでは、Salesforceシステム管理者としてのキャリアを発展させるための情報を見ていきましょう。

継続的な学習とネットワーキングを通じて、専門性を高め、キャリア機会を広げられます。

Salesforce認定と継続的な学習
Salesforceコミュニティとネットワーキング
Salesforceキャリアパスの展望

Salesforce認定と継続的な学習

Salesforce認定は、専門性と信頼性を証明する手段であり、キャリアの発展に有効です。

Salesforceはさまざまな認定プログラムを提供しており、システム管理者、開発者、専門コンサルタントなど、さまざまな役割に合わせたカリキュラムがあります。

例えば「Salesforce Administrator Certification」は、基本的な管理機能についての展開、管理、カスタマイゼーションのスキルを認定するもの。

この認定を取得することで、専門知識の深化と市場価値の向上を図れます。

Salesforceコミュニティとネットワーキング

Salesforceコミュニティに参加することで、ほかの専門家とつながり、知識を共有し、最新情報を取得可能。

Salesforceのオンラインフォーラムや地元で開催されるミートアップ、業界のカンファレンスなどは、学びと出会いの場として価値があります。

例えば「Trailblazer Community」に参加することで、Salesforceに関する質問を投稿したり、地域グループのイベントに参加して、より深いレベルの知識や経験を交換できます。

このような交流は新たな機会の扉を開き、キャリアをさらに推し進める助けとなるでしょう。

Salesforceキャリアパスの展望

Salesforceエコシステム内でのキャリアパスは多岐にわたります。

システム管理者の経験を積むことで、将来的には上級管理者やコンサルタント、業務アナリストなど、より高度な技術的役割や戦略的役割へと進むオプションが開かれます。

たとえば、セールスフォースのプロジェクト管理やシステムの導入を専門とする「Salesforce Consultant」などの認定を追求することで、組織内での影響力を増し、給与や職務の面でより高い評価を得ることが可能です。

継続的な専門性の追求は、益々拡大するSalesforceの市場で成功する鍵となるでしょう。

まとめ

Salesforceシステム管理者は組織内で不可欠な役割を果たし、日々のタスクの遂行から最適なシステム管理、プロジェクトの実施に至るまで、さまざまな責任を担っています。

彼らの努力により、Salesforceプラットフォームはその真価を発揮し、組織の目標達成に貢献します。

また、継続的な学習とネットワーキングを通じてキャリアを発展させ、Salesforceエコシステム内で多様なキャリアパスを探求することが可能です。

Salesforceシステム管理者として、これらの情報を基に業務を効率化し、将来のキャリアのビジョンを実現していくためには、常に知識をアップデートし、業界の動向に注意を払い、ネットワークを広げる努力が求められます。